終活を考える時、葬儀の事を事前に調べているも多いはずです。「よりオリジナルな葬儀を」「故人らしい送り方を」という方々に向けて、ここ数年、ユニークな骨壺が数多く姿を現すようになりました。いったいどんな骨壺があるのでしょうか?
●紙製の骨壺
通常、骨壺の素材は陶器ですが、紙でできた骨壺が開発されています。紙製の骨壺は、主に自然に還すためのものと考えていいでしょう。遺骨を海に還す自然葬を選んだとき、紙製の骨壺であればいずれは自然に還るため、骨壺ごと海へ還すことができます。なお、通常のお墓であっても、遺骨を納めるカロート部分がコンクリートではなく土であれば、紙製の骨壺はいずれ自然に還ります。「なぜ、遺骨を自然に還したいの?」と思う人もいるかもしれません。実は、陶器の骨壺は中に湿気がこもりやすく、数年のうちに遺骨が水に浸かってしまう可能性が高いのです。「暗いお墓の中で、水にまみれてしまうのは嫌」という人にとって、紙製の骨壺は悩みを払しょくできる格好の商品といえるでしょう。熱い遺骨を入れてしまうと持てないため、なるべく冷めた状態の遺骨を入れることになります。
●木が育つ骨壺で永遠を感じる
遺骨で木を育てることができたら、究極のエコにつながると思いませんか。スペインのデザイン会社が手掛けた骨壺「バイオス・アーン」は、細長い植木鉢の形をしています。骨壺の下部に遺骨、上部に肥料などを混ぜた土を入れ、土の部分に種をまくという仕組みです。肥えた土の上で種が芽生え、植物が育つにつれて根が遺骨へと伸びていきます。愛する人は亡くなってしまったけれど、木が命をつないでくれる。その姿を見守っていくことは、遺族を大いになぐさめるはずです。
●お花を活ける骨壺で手元供養を美しく
遺骨を自宅で供養する手元供養のための骨壺には、さまざまなタイプがあります。そのなかでも、花鉢と一体化したデザイン骨壺は、一見して骨壺とは思えないのに、圧倒的な存在感があります。花鉢のなかに活ける生花は、故人の好みや季節によってアレンジ可能です。水やりやお花の入れ替えの時間が、そのまま故人の供養になる、新発想の骨壺といえるでしょう。
●棺や骨覆いとお揃いの骨壺
デザイナーが手掛ける骨壺のなかには、棺と骨壺のデザインを揃えて商品化しているものがあります。とくに、きらびやかな装飾を施した棺と骨壺が葬儀会場に揃えば、注目の的となることは間違いないでしょう。棺を主役に据えた葬儀を営みたい人や、手元供養として骨壺をずっと家に安置したい人におすすめです。
●スポーツ好きだった人の供養にボール型骨壺
ゴルフボールや野球ボール、ラグビーボール、サッカーボール、バスケットボールといったボール型の骨壺があります。手元供養のためにボール型の骨壺を購入すれば、スポーツ好きだった故人ならではの供養にぴったりです。また、後日お別れ会を開くときなどにも、演出の一つに使うことができます。
●外国人が好む「スカル型骨壺」
家にあったらちょっと驚いてしまうような、スカル(しゃれこうべ)の形をした骨壺があります。多くの日本人にとって、しゃれこうべは死を強くイメージさせてしまうものです。でも、スカルを神聖視し、幸福を与えてくれる対象とする地域の外国人には需要があるそうです。
骨壷は生前に選んでおくことが大切
ユニークな骨壺は、生前に購入しておくのをおすすめします。亡くなってからでは、依頼した葬儀社がその骨壺を取り扱っていなかったり、取り寄せに時間がかかってしまったりと、アクシデントが生じる可能性が高いためです。「こんな骨壺で見送られたい」と思ったなら、早めに葬儀社へ相談するか、自分で購入しておきましょう。ユニークな骨壺のなかには、完全に自宅での供養用に作られていて、お墓の中には入らないサイズのものもあります。葬儀後、自分がどんな供養を望んでいるのかも考えながら、購入を検討するのが大事です。