生前棺を選ぶ時の形状と材質、価格帯のご紹介と注意点を解説

葬儀・仏事

生前棺を選ぶ時の形状と材質、価格帯のご紹介と注意点を解説

最近では、樹木葬や海洋散骨葬など葬儀の形式が多様化してきていますが、それでも家族葬や一般葬を行う方はまだまだ多いです。その葬儀の中で価格帯に幅があるのが、棺と祭壇です。

祭壇は「花葬」などの故人の趣味を鑑みたものも増え、豪華になればなるほど価格帯も高くなりますが、分かりにくいのは棺です。実は棺にも様々な種類があり、十万円以下のものから、百万円を超えるものまであります。これまでは葬儀の準備をする家族に任されてきたのが現実です。

ところが最近では、生前に気に入った棺を購入する人が増えてきています。部屋の中で棺と分からないようにレイアウトや飾りをして、収納に使う方もいらっしゃいます。生前戒名や生前位牌などと同様に、終活の一つとして元気な時に、予算を考えたお気に入りの棺を用意したり、希望の棺をエンディングノート記しておくのも良いかもしれません。

●棺を選ぶ時の注意点

棺の値段は、サイズや材質などによって変わります。身長や宗教は必ず確認し、よく見比べて、自分のイメージや家族の姿に合った最適な棺を選びましょう。もちろん予算と相談することも大切です。さまざまな種類・形状がありますが、通常は葬儀社の用意したカタログの中から、ふさわしいものを選ぶというのが一般的です。自分で選ぶ場合は、葬儀社に事前相談したり、棺販売会社のサイトで棺を確認することをお勧めします。

●火葬できる棺の大きさを確認しておく

遺体は、寝かした状態になると足の甲が伸びるため、ゆとりを持って身長+10~15cmのサイズを選びます。ただ、火葬場の施設によって、使用できる棺の大きさに制限があります。
例えば、東京都港区、品川区、目黒区、世田谷区、大田区の5区が共同で設置、運営する臨海斎場では、火葬できる棺の大きさは、通常炉では、高さ48㎝、幅56㎝、長さ195㎝。また、大型炉では高さ60㎝、幅66㎝、長さ225㎝までとされています。
一方、横浜市北部斎場では、通常炉では、高さ50㎝、幅65㎝、長さ215㎝。また、大型炉では高さ60㎝、幅70㎝、長さ245㎝までとなっています。

●棺の材質と価格

棺の材質については、大きく分けて次の4つの種類があります。

*木棺

檜・桐などの天然木材や、ベニヤ材と芯材を貼り合わせた棺(フラッシュ棺とよばれることもあります)があります。木のぬくもりを感じる魅力があります。
ごくシンプルなものもあれば、彫刻が施されたものなどさまざまで、彫刻を施した面の数によっても二面彫刻、三面彫刻というように種類があります。
→4万~100万円(ベニヤ使用品などは4~10万円、檜使用品などは高額になります)。

*布棺・布張棺

棺の周りを布で覆っている棺です。比較的費用を安く抑えることができるので人気があります。色のバリエーションが豊富にそろっているのも魅力のひとつでしょう。シンプルなものから、凝った刺繍をあしらったものまで、故人のイメージに合った棺が選べます。
また、棺の表面にさまざまな風景や模様、柄などをプリントしたものを貼った棺もあります。
→2万~30万円(刺繍などを入れなければ2~10万円)

*エコ棺

近年の環境問題に対する関心の高さから登場した棺です。段ボールや間伐材などで作られています。二酸化炭素の排出量が少ない、環境にやさしいといった特徴がうたわれています。価格は通常の棺と比べ割高となっています。
→5万~20万円

*エンバー棺

エンバーミング(エンバーミングとは?へリンク)を施したご遺体用の棺です。通常の棺であれば故人の顔が見られるようふたに窓があるものが多いですが、エンバーミング棺の場合、エンバーミングを施した故人との対面を想定してアクリル製の透明のふたが中にあります。
→10万~40万円

●棺の形状

*組み立て型

簡単に組み立てることができ、使用するまで折りたたんでおけることが特徴の形状です。葬儀社にとっては、たくさんの量を運ぶことができる、ストックの場所をとらないというメリットがあります。価格も2万~3万円と低価格です。

*箱型

キャスケット型とも呼ばれます。最もシンプルな形で、蓋部分が平らになっている長方形の箱状の棺です。

*山型

蓋部分が台形に盛り上がっている形状の棺です。箱型よりも少し装飾性のある、オーソドックスなデザインです。

*かまぼこ型

蓋部分が曲線を描くように盛り上がっている型の棺です。R棺と呼ばれることもあります。柔らかな印象で女性に人気があります。

*コフィン型

頭側が広く、足側が狭くなっている棺です。海外の映画などで見たことのある方も多いかもしれません。主にイギリスで使用されている型です。

*インロー型

インローとは印籠のことです。その名のとおり、蓋の縁の部分が印籠のようにはめこみ式になっている棺です。

最終的には材質と形で価格も変わりますので、自分が気に入ったものと価格との相談が必要になりますが、終活の一つとして色々調べるのも良いかもしれません。

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