葬儀の種類と費用の相場

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葬儀の種類と費用の相場

葬儀全体にかかる費用の相場は、一般葬で150万~200万円程度(全国平均)と言われています。その内訳には、大きく下記の三つが挙げられます。

①葬儀一式にかかる費用

→祭壇の費用や会場利用料、人件費や車両にかかる費用など

②飲食にかかる費用

→通夜振る舞いや会食にかかる費用

③宗教者への費用

→宗教者へのお布施などにかかる費用

葬儀の種類を知って戴き、将来ご自分がどのような葬儀を行いたいかの参考にして頂ければと思います。

●一般葬

日本の伝統的な形式のお葬式です。お通夜から葬儀式・告別式、火葬、埋葬の流れでとり行います。葬儀式は宗教的な儀式で、告別式は故人と最後のお別れをする社会的な式典です。本来は別のものですが、最近は一緒に行われることがほとんどです。地域や火葬場の事情などで、葬儀式・告別式と火葬の順番が入れ替わる場合もあります。
一般葬の場合は、親族や故人の友人・知人などにはお葬式の日程をご連絡しますが、それとは別に新聞などのお悔やみ欄を使って告知する方法があります。これによって、遺族が知らなかった故人と縁ある人もお悔やみに来ることができます。
そのため会葬者の人数(規模)も数十人から数百人とさまざまです。

●社葬

故人が会社の代表者や、社業の発展に寄与、あるいは業務上で死亡した社員であった場合に、会社が施主(葬儀式の運営を行う者)となり行われるお葬式が社葬です。一般葬が喪主、施主ともに遺族代表者であるのに対して、社葬の場合は遺族を代表する喪主と施主が別になります。また一般葬は故人の死を悲しみ、偲ぶものであるのに対して、社葬は会社の事業継承者のお披露目などの会社の対外的な広報活動としての意味もあります。社葬の会葬者は故人と縁のあった方だけでなく、会社の取引先、関係者・団体などが連なるため、必然的に規模が大きくなります。

●合同葬

合同葬とは、施主を遺族と会社が一緒につとめる式です。費用のすべてを会社が負担する社葬と異なり、費用負担は遺族と会社の話し合いで決まります。社葬と比べて会社費用が少なくなるため、中小企業でも社葬をとり行うことができるメリットがあります。

●家族葬

少数の限定した会葬者だけで行われる小規模なお葬式です。会葬者には、家族だけの場合もあれば、親族が加わる場合や、故人と縁のある少数の方をお招きする場合もあって、明確な定義はありません。また、内容もお葬式の儀式として欠かせない納棺と火葬だけで終わらせる場合もありますし、そこにお通夜や告別式を加える場合もあり、遺族の意向次第で自由に決めることができます。一般葬では家族など少人数で密葬を行い、その後に多くの会葬者による本葬を行う場合がありますが、家族葬は密葬にあたるお葬式のみを行い、本葬にあたるお葬式を行わないものと考えて良いでしょう。
最近は都市部を中心に、本当に親しい者だけで故人を見送りたいと望む人が多くなり、家族葬が増える傾向があるようです。

●密葬

ごく限られた人にだけ告知をして行う葬儀です。本来は、大きな社葬を行う場合や年末年始に死亡した場合に、ひとまず近親者だけで火葬を済ませることを「密葬」と呼びましたが、近年は本葬を行わずに密葬のみで終わりにし、後日「お別れ会」を開くこともあります。呼ぶ範囲を絞るという点では、家族葬も密葬といえます。

●直葬(火葬式)

直葬とは、お通夜や葬儀式、告別式を行わないで、火葬場での火葬・拾骨だけで故人を見送るお葬式のことで、火葬式とも呼ばれます。直葬は首都圏を中心に家族葬同様に増加傾向にあるようです。その理由は、独居老人の孤独死や自死者の増加という社会的な要因のほかに、お葬式費用の節約という点が大きいと考えられます。

●自由葬・お別れの会(偲ぶ会)

最近の葬儀の特長として、形式にとらわれず、故人らしいお葬式をあげたい方が増えています。樹木葬、海洋散骨、宇宙葬なども形式に捉われない葬儀の一つですが、故人の好きだった音楽を流したり、時には、生演奏を行うなどの自由葬も増えてきています。斎場・葬儀会館のロビーに故人のアルバムなどの遺品を展示することも増えてきましたし、プロジェクターを用意して故人の写真や映像を流すこともあります。祭壇も、以前はほとんどが宮型の白木祭壇でしたが、最近では色とりどりの生花でつくられた生花祭壇が人気です。

また、無宗教の「お別れ会」を行うことも多くなってきました。斎場・葬儀会館を使わず、ホテルや宴会場などで行われることもあり、より自由な形のお葬式が増えています。
これまで当たり前と思われてきた多くのことが、自由にアレンジしても良いと考えられるようになってきたことで、葬儀・お葬式の形も時代と共に変化してきています。

●生前葬

生前葬とは、本人が生きているうちに行う葬儀です。珍しい葬儀の形ではありますが、有名人などでも生前葬を行う人が増えてきています。お世話になった方に自分で直接お別れを言いたいという人が生前葬を選ぶことが多いですが、生前葬を人生の一区切りにして、新しい生活を送ろうと考える人もいるようです。

無宗教の「お別れ会」形式で行う場合と、宗教的な葬儀・お葬式を行う場合とどちらのケースでも行われています。

この他、最近では「樹木葬」「海洋散骨葬」「宇宙葬」などの葬儀を行う方も増えてきています。