最近では、少額短期保険の一つである葬儀保険に加入する方が増えています。
一番の理由は「終活」をする方が増加したことが挙げられます。終活の中で、「残された家族に負担をかけない」ということは重要です。家族の負担となるのは「葬儀費用」なので、その葬儀費用を賄うためにと、終活の一環として加入する方が
多くなりました。終活をする方の増加に比例して、保険に加入した方が増加したことになります。
また、高齢者の方でも加入しやすいことも理由の一つです。普通の生命保険では高齢者の方の加入ができないことが多くなります。そのため、少しでも家族に迷惑がかからないようにしたいという高齢者の方の加入が多いです。
●葬儀保険とは?
葬儀保険とは、「葬儀費用の支払いで困らないようにあらかじめ準備しておくこと」を目的として生まれた保険のことです。保険にはいくつか種類がありますが、葬儀保険は「少額短期保険」というカテゴリーに当てはまり、下記のような制限があります。
★少額短期保険業者にかかる制限(葬儀保険ver)
*保険期間は1年(損害保険の場合は2年)以内
*死亡保険金額は被保険者1人につき300万円以下
*全ての保険の保険金額の総額は、被保険者1人につき1,000万円以下
といった制限があるので、実際に支払われる保険金は300万円以内となります。
●葬儀にかかる費用は?
葬儀には多額の費用がかかります。式典を行うための仏具や御棺などの葬具、接待費用、僧侶に支払うお布施や戒名料などがかかります。式典は、葬儀会社のプランによって変動します。接待費用についても、お越しになった方々の人数によっても変わるでしょう。これらを合計した葬儀費用の相場は190万円ほどとされています。
さらには、墓地を建てるための費用が発生する可能性もあります。墓地にかかる費用は、全国の相場でこちらも190万円ほどとされています。墓地にかかる費用は、お寺へ支払う永代使用料、墓石代、建設費などがあります。葬儀費用と墓地の費用で、合計380万円ほかかりますので、残された家族の負担になることは歴然です。
●葬儀保険のメリットデメリット
各保険会社が扱う商品によって特典は変わってきまので、ここでは「葬儀保険」全体に共通するものだけを挙げてみます。
▼葬儀保険加入の3つのメリット
①突発的な葬儀費用の支払いに対応できる
「葬儀費用195.7万円+お墓代190万円=385.7万円」とい支払いに対しても、最大300万円の保険がおります。
②預金と違い、スムーズにお金を受け取ることができる
一般的に亡くなった人の預金口座は銀行が凍結してしまうので、相続人全員の合意が得られるまで預金を引き出せません。葬儀保険の場合は、そのような制約はないのでスムーズにお金を受け取ることができます。
③毎月少額の保険料から始められる
葬儀保険は掛け捨てタイプの保険です。よって、毎月少額の保険料で始められるというメリットがあります。
▼葬儀保険加入の2つのデメリット
①加入時の年齢によっては保険に入らない方がお得なケースがある
一般的に毎月の保険料は、病気などのリスクが高いご年配の方ほど高くなります。年齢によっては、葬儀保険に加入しない方がお得な場合もありますので、加入前にしっかりと確認しておくことをお勧めします。
②会社の破綻や物価の変動によっては、保険金額が下がる可能性がある
終身型の保険の場合、経済的な影響によって、本来受け取れるはずだった額よりも保険金額が下がる可能性があります。
一言で「葬儀保険」といっても、保険会社でその特徴は様々です。残された時間と現在の収入と預金を改めて見直し、月々の掛け金が今後の生活に支障をきたさないかをチェックしてみてください。その上で自分に合う保険を選ぶようにしてください。