臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

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臨済宗とは

臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

臨済宗は臨済を開祖とする禅宗の宗派で、中国禅宗五家七宗の一つです。第7祖石霜楚円のとき、門下の楊岐方会による楊岐派と、黄龍慧南に始まる黄竜派に二分しましたが、曹洞宗、雲門宗などに対抗して長く後代に伝わりました。日本では栄西が建久2(1191)年に黄竜派の法を伝え、聖福寺、建仁寺を建て、円・密・禅の三宗兼学の道場としたのに始まります。楊岐派は俊芿が建暦1(1211)年に法を伝え、泉涌寺において戒律と並んで禅法を広めたのをはじめとし、禅宗 24流のうち、20流までが楊岐派の系統になりました。

明治以後に各派はそれぞれ管長をおいて独立し、おもな宗派は天竜寺派、相国寺派、建仁寺派、南禅寺派、妙心寺派、建長寺派、東福寺派、大徳寺派、円覚寺派、永源寺派、方広寺派、国泰寺派、仏通寺派、向嶽寺派の 14寺派を数えますが、妙心寺派が最も大きいとされています。 そういう歴史から臨済宗は他の宗派と違い、派によって、大きく変わってくることがありますので、注意が必要になります。

臨済宗の御本尊は宗派に限らず基本は「釈迦如来」

臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

臨済宗は他の宗派と違い、臨済宗の中で派が分かれます。最大派となるのが、臨済宗 妙心寺派で、他にも、建仁寺派や東福寺派、円覚寺派など数多くの派が存在しています。本来臨済宗では「衆生縁による」という事で定まった本尊はたてていないのですが、一般的には臨済宗の派を問わず、多くが釈迦如来を御本尊として安置します。 もちろん、寺院などによって変わる場合もありますので、その当たりはしっかり事前に確認しておくようにしましょう。また釈迦如来は臨済宗以外の曹洞宗などでも御本尊としてお祀りします。多くは台座などにお座りになった釈迦如来座像を御本尊としてお祀りするため、仏具店などでは、座釈迦像や座釈迦仏像として販売されています。 御本尊はお仏壇の中央の最上段に安置します。多くのお仏壇には、御本尊を安置するためのスペースや台が用意されていますので、そこにしっかりとお祀りしましょう。

臨済宗の脇侍は宗派で変わるので要注意

臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

臨済宗で注意が必要なのが、この脇侍です。多くの宗派では、○○宗なら左脇がなにで、右脇がなにと決まっていますが、臨済宗は先ほども述べたように臨済宗の中の派が多く14寺派存在するため、それぞれ異なります。 例えば、最大派の妙心寺派の場合は、脇侍としては向かって右側に「無相大師」、向かって左側に「花園法皇」をお祀りします。それ以外の臨済宗の多くでは向かって右に「文殊菩薩」、向かって左側に「普賢菩薩」をお祀りするなど、宗派によって変わります。 そのためご自身が臨済宗の何派なのかをしっかりと確認した上で、菩提寺に確認したりしてから脇侍を選ぶようにする事をお勧めします。 ただ、実際の仏具店に行けばわかりますが、臨済宗の場合は、多くが妙心寺派かそれ以外かといった感じで販売されている事が多いです。 御本尊は釈迦如来ですが、脇侍が妙心寺派かそれ以外の派かで脇侍が用意されている事が多いので、まずは最低限、妙心寺派かどうかだけ知っておくようにすると良いでしょう。

間違えやすい御本尊や脇侍のサイズ選び

臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

御本尊を仏像・掛け軸のどちらにするにしても、注意しなければいけないのがサイズ選びです。基本的にはどちらを選んでも仏壇の中に安置します。しかし仏壇といえど、実に様々です。コンパクトなものから、超本格的な大型仏壇まであり、中の造りも当然異なり、御本尊を安置できる本尊部分の高さなども変わってきます。そのため、仏像にしろ掛け軸にしろ、仏壇の中におさまる高さで選ぶ必要があります。お仏壇には必ず本尊棚の高さといった表記がありますから、そのサイズを目安に仏像や掛け軸のサイズを選ぶようにしましょう。

仏像を買う時にはサイズ表記に注意する

臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

御本尊の仏像を購入する際にはサイズ選びが大切になりますが、このサイズというのが実はやっかいで注意が必要になります。なぜなら、仏像のサイズは今でも寸尺法が使われています。さらに仏像のサイズを示すこの寸といったサイズは、仏像の高さでは無くあくまでも御本尊の足元から頭のてっぺんまでの高さになります。仏像としての高さではなく、御本尊の仏像そのもののサイズでの表記になるので注意が必要になります。 安置する仏像には仏像だけでなく光背や台座があります。それらのサイズは寸尺での表記には含まれないサイズのため、総高でしっかり選ばなければなりません。 特に初めて買う場合ではなく、仏像を買い換える際により注意が必要です。というのも、先ほどのようにあくまでもサイズ表記の寸尺は仏様そのもののサイズであり仏像の全体の高さではないからです。したがって、今持っている御仏像が2.5寸だったとしても、それはあくまでも仏様像が2.5寸サイズなだけで、全体が2.5寸というわけではありません。同じ2.5寸を買えば仏壇に収まると考えてしまうと、大きな失敗となります。台座や光背によっては高さが10cm以上変わる事もあります。同じ2.5寸の仏像でも、全体の高さが大きく変わるため、特に仏像の買い換えの際には寸のサイズだけではなく仏像全体の高さを見るように注意しましょう。

掛け軸も高さを注意する

臨済宗のご本尊と脇侍の祀り方

脇侍は一般家庭では多く掛け軸で安置されます。この掛け軸の場合、多くは2種類存在し、そのまま置いて立たせる自立型もの、別スタンドやピンなどで安置する自立型でないものがあります。 自立型であればそのまま置けるのでサイズ選びに注意点はありませんが、自立型でない場合、そのまま置く事ができず、別のスタンドや留めピンなどを使って置きます。 そうなると、掛け軸の総高よりも、多少高くなります。ピンの場合は、下ギリギリには置かないので数cm分の高さが、スタンドであればスタンド分の高さ分だけ余分に高さが必要になります。そうなると特に小型仏壇などの場合、その高さ分の余地がなかって入らないという場合もありますので、注意が必要になります。