ペット霊園の増加
近年、ペット霊園の数は増え続け、特に都心部ではたくさんのペット霊園があります。それに対して、ペットと一緒に入れるお墓の数は決して多くはありません。しかし、ペットと一緒にお墓に入りたいと人の増加で、その数は着実に増えています。
仏教での動物の考え方
仏教では動物は「畜生」として扱われるため、ペットを人間と同じお墓に入れることは基本的にはタブーとされていました。しかし、「ペットが極楽往生できるか」という問題については意見が分かれているようです。
仏教の教えによれば、動物は死後も輪廻転生を繰り返します。そのため、死後すぐに極楽往生することはできないとされています。しかし、「死者の成仏を願って供養を行えば動物もすぐに極楽往生できる」とする見解も一部あるようです。
ペットを飼う人が増えるにつれて、社会全体のペットに対する意識も変化してきました。そのためお寺によっては、柔軟な解釈をしているところも増えてきています。
ペットと一緒に入れるお墓
ペットと一緒にお墓に入るにしても、その種類は一つだけではありません。ペットと一緒に入れる「一般墓」「永代供養墓」「樹木葬」などがあります。
①ペットと一緒に入れる一般墓
少し前までは、人間とペットが一緒に入れるお墓を用意しているのはペット霊園のみでした。最近では人間のお墓にペットを埋葬することができるようになっています。ただし、
ペットと一緒に入れるお墓を設けている霊園は比較的新しいところが多いようです。ペットのために改葬をするときには、事前に詳しく霊園について調べることが大切でしょう。
②ペットと一緒に入れる永代供養墓
永代供養とは、お墓の管理をする人がいなくなってからもお寺や霊園が供養を続けてくれるお墓のことです。お墓の承継者がいないという状況が増えると同時に、永代供養墓を選ぶ人も増えてきました。
そんな中、ペットと一緒に入れる永代供養墓は、家族単位で申し込めるタイプのものによく見られます。そして、ペットが先に亡くなった場合には、ペットだけを先に埋葬することもできます。
霊園によっては、ペットの名を彫刻するなどのサービスを行っています。
③ペットと一緒に入れる樹木葬
樹木葬は近年注目を集めている供養方法で、自然の中に遺骨を埋葬します。日本で初めて樹木葬が行われたのは1999年で、それ以降少しずつ世間一般に浸透してきています。亡くなった後に自然に還ることができるという考え方から人気を集めた樹木葬ですが、実はペットと一緒に入れる形態の樹木葬もあります。
さらにこれには2つの形があります。
*人間とペットが同じお墓に入れるというもの
*ペット用に別々にお墓が設けられているもの
ペット葬と樹木葬は、どちらもニーズが高くなっています。今後は、ペットと一緒の樹木葬を取り扱う霊園も増えてくると考えられます。
ペットブームが到来してから、ペット関連の新しいサービスへの需要が拡大しました。終活を考える時、あなたの傍らにいるペットの事も考える時代になって来たのです。