墓石の種類
墓石に使われる石の種類は国内外300近くありますが、現在、墓石に最も多く使用されている石材は何だと思いますか? 正解は「御影石(花崗岩)」で、その8割以上が海外からの輸入材です。ただ、御影石といっても1種類ではなく、その種類は何百種類にも及びます。同じように見えても、石にはそれぞれ個性があり、好みがあります。石によって価格差も大きいですが、単純に価格・値段が品質を反映しているというわけではありません。
まずは実際に石のサンプルを手にとって直感で選んでみることをお勧めします。また、石も経年劣化しますので、すでに建てられているお墓の石材を参考にすると分かりやすいでしょう。
●墓石の3条件
- ①硬いこと
- ②水を吸いにくいこと
- ③長持ちすること
墓石に使われる石材には様々な種類があります。石材は取れる産地によって色や材質、耐久性が様々で、その風土に合った石材が墓石として使われています。
●代表的な墓石
墓石に使う石材は、大まかな分類として「花崗岩」「閃緑岩」「斑レイ岩」「安山岩」の4種が挙げられ、産地や成分などにより300以上の種類があります。
*花崗岩(かこうがん)
通称「御影石」と呼ばれる、お墓の石材として最もスタンダードなものです。瀬戸内海沿岸をはじめ、茨城県、福島県、愛知県で多く産出され、各産地により目の粗さや色合いが異なります。
*閃緑岩(せんりょくがん)
色がとても黒いことから、斑レイ岩と同様に黒御影石と呼ばれる場合もあります。産出量が少ないことから、閃緑岩の墓石は高級墓石に分類されることも多いです。
*斑レイ岩
深成岩の一種のことで、黒色の石材として墓石に使用されることが多いです。斑レイ岩と同じく黒色をしている閃緑岩よりも黒色が濃いことも多いことから、閃緑岩と同じく黒御影石と呼ばれることもあります。
*安山岩
墓石としても多く使用されている種類で、産地によって、様々な種類があります。安山岩はマグマが短時間で冷やされ固まることによって形成された火山岩です。江戸城築城に使用された神奈川県真鶴の小松石が有名ですが、東の横綱石とも呼ばれて根強い人気があります。
東の横綱石が出ましたので西の横綱石もご紹介します。
*西の横綱石・庵治石(あじいし)
墓石のダイヤモンドと言われる、西の横綱石・庵治石(あじいし)。閃緑岩の一種で、香川県の庵治地方で採掘される墓石材です。触れてみると斑の模様が実に細かく密度が濃いのがわかります。また長い年月を経ても、石の艶や彩色がほとんど変わらずに美しさが保たれています。庵治石(あじいし)と言われるだけ、味(あじ)があります。
墓石は採掘される地方で呼び名が変わります。自分が好む石を選び、さらにどの地方の石にするかで選択肢は広がります。生前墓を建てる時の楽しみでもあります。終活の中でじっくり考えてみることの一つだと思います。