葬式や法事などの際、香典やお布施を袱紗(ふくさ)で包んで渡すことがあります。この袱紗には、慶弔用として様々な色や種類がありますが、弔事で使用できる色は決まっており、種類は包む香典の金額によっても異なります。
袱紗のカラーバリエーションは豊富ですが、弔事の時の袱紗の色は寒色系を選びます。主な色は、紺、緑、うぐいす色、グレー、紫です。これらのうち、紫に関しては慶事と弔事の両方で使用することができるので、1枚用意するなら紫を選びましょう。
包む金額で種類を変える
袱紗の種類は、香典やお布施など、包む金額によって変わります。各袱紗の特徴と包む金額は、以下の表のとおりです。
*金封袱紗 1~3万円 金封を入れやすいよう袋状になっている
*爪付き袱紗 3万円以上 最もシンプルな四角い布状
*台付き袱紗 3万円以上 簡易の切手盆が付いている
金封袱紗は略式の袱紗ですが、最近では手軽に利用されるようになっています。ただ、紫は慶事でも弔事でも使えること、金封袱紗が略式であることを考えると、1枚だけを用意するならば紫の台付き袱紗を選ぶ事をお勧めします。
袱紗の包み方
●台付き袱紗、爪付き袱紗を弔事で使うときの包み方
台付き袱紗(ふくさ)は、生地がリバーシブルになっていることがあります。リバーシブルの場合は、暖色系と寒色系の色とで分かれていて、慶弔の使い分けができるタイプが多いです。弔事では、緑色や灰色など、寒色系の色が表になるように使います。反対に、慶事の場合であれば、表側が暖色系の色になるよう使用します。
表と裏の見分け方は、爪を留める糸がついているほうが表側、台がついているほうが裏側になります。台は四隅に縫い留めてあるゴムにはさみ、慶弔で入れ替えて使います。
●金封袱紗を弔事で使うときの包み方
金封タイプの袱紗(ふくさ)は、右開きと左開きとがあり、慶事と弔事とでは異なるので注意して使用しましょう。
弔事の場合は、左開きの袱紗(ふくさ)を使用します。慶事の場合は右開きです。慶弔両用であれば、弔事のときは左開きになるように使いましょう。お香典袋は、袱紗(ふくさ)に挟み入れるだけでOKです。
葬儀の時の袱紗の渡し方
●お香典袋は袱紗(ふくさ)の上にのせて渡すのが基本
葬儀での袱紗(ふくさ)の渡し方は、どのような形でも、お香典袋を袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で取り出して渡すのが基本です。渡すときはお香典袋を袱紗(ふくさ)の上にのせて、相手から見て文字が正面になるよう向きを変え、両手で渡しましょう。
●袱紗がない場合はハンカチを代用する
渡し方は知っていても、袱紗(ふくさ)が手元にない、見当たらないという場合もあるでしょう。そんなときは、ハンカチが代用品になります。風呂敷も、小さめなら代用できます。
ハンカチの色は黒や紫、濃紺など地味で暗い色目のものがベターです。白色は弔事の袱紗の色では使うことがないので、避けたほうが無難です。
葬儀の知らせは急に訪れることも多く、特に通夜は仕事先から出向くことも多いです。とはいえ、お香典袋をむき出しのまま持ち歩くのもマナーとしてあまりよくないので、ハンカチや小さめの風呂敷を代用しましょう。