仏壇の種類には、上置きタイプ、地袋付仏間用タイプ、床置きタイプがあります。その中に、黒檀や紫檀を使った伝統的な唐木仏壇、漆塗りに金箔が施してある金仏壇、マンションやフローリングのリビングに合わせた新しいモダン仏壇などがあります。
①唐木仏壇(からきぶつだん)
唐木仏壇(からきぶつだん)は、黒檀や紫檀など銘木と呼ばれている木材の美しい木目を生かした仏壇です。明治に入ってから、作られるように。木材の色や木目を生かして作られているので、木材の種類や材質によって仏壇の価格が違います。材木の種類別で分けますと以下のようになります。
▼黒檀
インドネシアが主な原産地のカキノキ科で、材質は堅く、水に沈むほど緻密で、耐久性に優れ、虫や菌に侵されにくいうえ、乾燥性がよいという特徴があります。黒地に美しい木目が浮き出た高級な木材で、「木のダイヤモンド」といわれるほど高価です。
▼紫檀
ラオス、タイ、ベトナムなどが主な原産地のマメ科で、周辺部分は白色ですが、心材は暗紫紅色で、材質は堅くて緻密なところは黒檀と同じです。正倉院の唐木細工のなかではもっとも多く見られ、古くから珍重された木材です。
▼桑
桑は全国各地で産出される木材ですが、銘木として使える木は、伊豆諸島で産出される「島桑」です。年輪が緻密で、美しい木目と粘りのある木材として知られています。江戸時代から江戸指物などに用いられていました。国内の銘木のなかでは、最高級の木材です。
▼欅(けやき)
ニレ科で、広葉樹のなかでは極めて整った樹形をしており、北海道を除く全国が産地です。古くから神社や寺院建築に使われた木目の美しい木材です。材質も堅く、仏壇に向いています。
②金仏壇(きんぶつだん)
金仏壇(きんぶつだん)は、全体に黒の漆塗りが施され、内部に金箔が張ってある仏壇で、塗り仏壇とも呼ばれています。浄土真宗の家に金仏壇が置いてあることが多いため、金仏壇は浄土真宗用だと思われていますが、金仏壇は他の宗派でも使います。
江戸時代からの歴史を持つ金仏壇の産地は全国各地にあります。山形仏壇、新潟・白根仏壇、三条仏壇、長岡仏壇、飯山仏壇、名古屋仏壇、三河仏壇、金沢仏壇、七尾仏壇、彦根仏壇、京仏壇、大阪仏壇、広島仏壇、八女福島仏壇、川辺仏壇の15の産地が経済産業大臣から伝統的工芸品の指定を受けています。各産地では古くから伝えられた独特な形式の金仏壇が作られています。昔は仏壇も地域性が強く、地域で決まった形式の仏壇を購入していましたが、現在は地域にこだわらず、好みの仏壇を求める方が増えています。
③モダン仏壇
モダン仏壇は、家具調仏壇、インテリア仏壇、新型仏壇、都市型仏壇とも呼ばれています。 リビングや洋室に合わせた新しいデザインの仏壇です。 これまでの伝統的様式から彫刻や宮殿を排除し、インテリア性を重視したすっきりしたデザインです。天井にご本尊を照らすダウンライトが付いているものが多いです。コンパクトなデザインで棚の上にも安置できるモダンミニ仏壇(上置き)と、どんなお部屋にも合う機能的な床に置くタイプのモダン仏壇(床置き)があります。家具との調和を意識した、マンションやフローリングの部屋に違和感なく安置できる仏壇を求める方に最適です。
モダン仏壇の材質は、ウォールナット、ナラ、タモ、桜、メープル、チーク、クルミなどの家具材を使用し、明るい自然感のある色調のものが多いのも特徴です。 唐木仏壇と同じように、大半のモダン仏壇は芯に別の木材を使い、洋家具材を貼って作っています。
家具調仏壇の表面材の使用工法には、無垢、厚板貼り、薄板貼り、木目調プリント、着色仕上げなどの工法があり、貼ってある木材の使用量が価格に影響してきます。その他にもガラスを使用した仏壇や真っ白な仏壇など斬新なデザインの仏壇もあります。