本位牌とは?位牌の種類の解説

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本位牌とは?位牌の種類の解説

位牌は中国で生まれたものといわれています。板に先祖の存命中の位官や姓名を記して祭っていました。それが日本に禅宗とともに伝えられ、他の宗派に広がったのです。位牌には白木の位牌と本位牌があります。亡くなったときから四十九日までは白木の位牌を使います。白木の位牌は、もともと葬儀の野辺送りに用いる仮のもので、葬儀のとき、葬儀社が用意してくれます。白木の位牌に住職より戒名を書いていただきます。
来世の行き先が決まる四十九日の忌明けまでは、白木の位牌を遺骨、遺影とともに中陰壇に安置します。

●本位牌とは?

本位牌は四十九日法要までに、仏壇店で購入しておきます。白木の位牌は仮のものですから、四十九日法要の時に菩提寺に納め、新しく作った本位牌に住職から魂入れをしていただきます。そして、仏壇に本位牌を安置します。位牌の表には戒名、亡くなった年月日が記され、裏には俗名(ぞくみょう)、行年(ぎょうねん)(享年(きょうねん))が記されます。
文字入れには2週間位かかるので、早めに仏壇店に依頼しておくとよいでしょう。
ただ、浄土真宗では位牌は原則として用いません。過去帳や法名軸が位牌の代わりとなりますが、実際には、浄土真宗の家でも位牌がまつられている場合が多いです。

●本位牌の種類

位牌は故人そのものと考えられているので、故人にふさわしいものを選ぶとよいでしょう。本位牌には漆を塗り、金箔や金粉などで飾った塗位牌と、黒檀や紫檀などでつくられた唐木位牌があります。
また、形式には春日型、猫丸型、葵型などさまざまな型があります。位牌の形は宗派に関係がないので、好みの形を選ぶことができます。
すでに位牌がある場合は同じ形で揃えることが多いです。位牌の大きさは、仏壇の内部の作りにあわせることが大切です。初めて位牌をつくる場合は、位牌が大きすぎて仏壇に入らないということがないように、先に安置する仏壇を決めてから考えたほうがよいでしょう。

●本位牌の大きさ

位牌の寸法は戒名を記す札板の高さで決まります。
上置型仏壇の場合は、札丈4寸か4.5寸、台付型仏壇の場合は、札丈4.5寸か5寸の位牌を安置する場合が多いです。すでに位牌がある場合は、先祖の位牌と同じ大きさか、少し小さい位牌を選ぶのが一般的ですが、その家にとって、どの故人を中心に考えるかによって異なってきます。
また、本位牌は故人ひとりとは決まっていません。ひとつの位牌に夫婦ふたりの戒名を連ねて入れる場合もあります。この場合、一般に夫の戒名を向かって右側に、妻の戒名を左側に入れます。

●その他の位牌

先祖の位牌が増えて、仏壇におさめることが難しくなったときは、回(くり)出(だし)位牌につくりかえることができます。
回出位牌には戒名を入れる板が十枚くらい入るようになっています。この他「○○家先祖代々之霊位」という位牌をつくることもできます。仏壇店に相談して、その家にあった位牌にするとよいでしょう。

昔の家長制度のもとでは、先祖の位牌は長男がお守りするというのが慣わしでしたが、個人の気持ちを大切にする現代では、次男でも三男でも両親の位牌をつくり、仏壇を用意することもあります。また、身内にまだ不幸のない家庭でも、自分の全ての先祖に感謝供養する意味で、「○○家先祖代々之霊位」という位牌をつくる場合もあります。

さらには生前に作ることもできます。生前につくる位牌を「逆修牌」といいますが、逆修牌はむしろ縁起がいいと考えられ、功徳も大きいとされています。これは、生前にお墓をつくる寿陵が、縁起がいいと考えられているのと同じことになります。生前に位牌をつくる場合には、戒名の文字を朱色にすることになっています。朱色が不良長寿の象徴的な色とされているためで、不老長寿の願いを込めて、生前の位牌は朱色を使います。