仏壇の始まり
天武天皇の白鳳14年3月27日に詔(みことのり)をもって「諸国家毎に仏舎をも設け、仏像及び経巻を安置し、以て三宝を供養すべし」と命ぜられたことが『日本書紀』にあり、これが我が国で仏壇をまつるようになったはじまりだと言われています。そして平安時代には貴族が、鎌倉時代には庶民階級の家で内仏堂(持仏堂)が一般化されました。 さらに江戸幕府のキリシタン禁制によって家ごとに所属の寺を定め、仏壇をまつらなければならない定めが設けられてから、各家に仏壇が安置されるようになりました。
現代の仏壇
最近では核家族化が進むにつれ、仏壇がない家もめずらしくなくなってきました。親が住んでいた家を子どもが使わないなど、家そのものが一代限りの方が増えたからです。
しかし、家に仏壇がないと、身近な人が亡くなったとき、位牌を安置する場所がありません。その時はじめて仏壇を購入することを考える人が増えています。
最近では身近な人が亡くなってから購入する方が増えていますが、仏壇を購入する時期は人それぞれに違って良いのです。
仏壇は「家庭内のお寺」と言われるように、本尊をまつり、朝夕おまいりするものです。そして、仏(ほとけ)となった故人や先祖を供養するために、位牌を安置してお参りするものです。
だから、身近な人が亡くなったあと、四十九日法要までに仏壇を購入するとよいでしょう。間に合わない、じっくりと良い仏壇を選びたいと考えるならば、一周忌までに購入しても構いません。お盆、お彼岸、年回忌を機に購入する人もいます。家を新築するときに仏壇購入を考える人もいます。仏壇を購入するのに、良い時期、悪い時期はありません。思い立ったときが購入時期といえます。
仏壇の価格
仏壇購入は高価な買い物です。あまり急いで買わずに、何軒か仏壇店を見てまわり、値段を調べてから予算を立てる事をお勧めします。いずれは仏壇を購入したいと考えているならば、費用を積み立てておくのもひとつの手です。
仏壇を購入するとき、仏壇だけではなく、本尊や花立、香炉などの仏具も必要になります。それも含めて、予算を立てましょう。
仏壇の価格は高いものから安価なものまで幅広いものです。人気のある価格帯は仏壇と仏具を合わせて30〜40万円くらい、高価な仏壇は100万円を超えます。高価な仏壇が良い仏壇ではなく、家にあった仏壇、気に入った仏壇が一番良い仏壇といえるでしょう。
仏壇は何度も買い替えるものではなく、一生に一度の買い物です。良いものであれば、何世代にもわたって家族に引き継がれていきます。気に入った仏壇を選ぶためには、出来るだけ多くの仏壇店を回り、価格と種類を比較して、絞り込んでいくことが大切です。