失敗しない仏壇選び

仏壇・位牌

はじめに

「仏壇を家に置く」と言ってもどんな仏壇を選んだらいいのか、そもそも何のために仏壇を置くのか、などわからないことが多いのではないでしょうか。仏壇はただ用意すればいいのではなく、慎重に選ぶ必要のあるものです。

そこで本記事では、仏壇を置く意味も含めて、仏壇の選び方などについてお伝えします。

仏壇を置く意味

そもそもなぜ仏壇を置くのか?という部分に触れておきます。仏壇を家に置くとなると、少しハードルが高いように感じる方もいるのではないでしょうか。月命日にお坊さんを呼んでお経をあげてもらう習慣がない場合は「うちには必要ない」と思いがちです。

しかし、仏壇には「故人と会話をするためのもの」という意味もあります。何かに迷ったとき、仏壇に向かって手を合わせて心の中で問いかけると、スッと気持ちが癒される瞬間があります。お経を正確に覚えていなくても、目を閉じて手を合わせるだけでも充分に意味のあることと言えるでしょう。

そのため、仏壇を置くことに対してあまり身構える必要はありません。「故人や先祖と会話をするために」「心を落ち着かせるために」という意味で仏壇を置きましょう。

仏壇を安置する場所

まず、仏壇を買う前に仏壇を安置する場所を決めます。仏壇は、置く部屋や置く方角に特に決まりはありません。どの方角にも神様がおられると言われていますので、どこに祀るべきかなどの決まりはないのです。

したがって、手を合わせやすい場所、お祀りしやすい場所に安置してください。家族が集まるリビングに置いたり、寝る前に気持ちを鎮めるために寝室に置いたり、家族の生活スタイルに合わせて置く場所を決めましょう。

ただし、次のように仏壇を置くのを避けた方がいい場所があります。

・直射日光が当たる場所
・湿気が高い場所
・風通しの悪い場所
・エアコンの風や暖房器具の風などが直接当たる場所

仏壇は天然の木材を使って作られているため、仏壇が傷みやすくなる原因になりますので、避けましょう。また、家に神棚がある場合は、神棚と向かい合う位置に仏壇を置くのは良くないとされています。神棚と同じ部屋に仏壇を置くときは向かい合わせにならないように位置と角度を調節してください。

仏壇を安置する場所が決まったら、だいたいのサイズをメモして実際に仏壇店に行きましょう。仏壇店には専門のアドバイザーがいますので、いろいろ相談に乗ってもらえます。また、多くの仏壇店では保証期間が設けられていますので、何かあったときにも安心です。

必要な仏具

仏壇には、仏壇本体のほかにもっとも大事なご本尊と、仏具を揃える必要があります。基本的な仏具は以下の通りです。

・花瓶:故人へのお花を生けます
・燭台:ろうそくなどの灯りを点けるためのもの
・茶湯器:お茶を供えます
・仏飯器:ご飯を供えます
・高坏(たかつき):お菓子や果物などを供えます。
・りん:手を合わせる前と、おつとめが終わった後に鳴らします。
・位牌

基本的にはこれらの仏具を揃えます。宗派によって違うこともありますので、仏具に関してもアドバイザーに相談しましょう。

ただし、仏壇を置くスペースや、予算の都合で全てを揃えることができない場合は、香炉と花瓶、ろうそく立ての3点があれば立派な仏壇になります。仏壇や仏具のデザイン、置く場所など具体的に相談しながら仏壇を選びましょう。

仏壇を買う際に大切なこと

仏壇を買うときに大切なのは、仏壇の大きさや値段ではなく「仏壇を置いて、日常的に手を合わせる」という心です。「仏壇」と聞くと大きなものを想像する方もいるかもしれませんが、故人を感じることができて、花や水を供えて手を合わせる場所であれば、形はどうあれそれは立派な仏壇です。

実際、フォトフレームと洋風なりんとガラスの一輪挿しがセットになった小さなボックスタイプの仏壇もあり、人気を集めています。また、小さくてかわいいデザインの骨壺もたくさんありますので、その骨壺にお骨を納めて花と水を供えた、オリジナルの仏壇でもいいと思います。線香も、お香のような自然で癒される香りのものもありますので、部屋で焚いても違和感がありません。

このように、洋室に置いてもマッチする仏壇、むしろ飾りたいと思うようなおしゃれな仏壇が増えています。大きければいいというわけではありませんので、家や部屋に合った仏壇を選ぶのも良い選択です。

まとめ

仏壇を用意する際に大切なのは、仏壇の大きさや値段ではなく、故人へ手を合わせることと、故人を思う気持ちです。

ご家庭によって部屋の広さや生活リズムが異なるので、ライフスタイルに合った仏壇を選びましょう。どんなデザインのものを購入するか悩んだ際は、専門家である仏壇店のスタッフに相談してみるのがおすすめです。

また新しく仏壇を買うときは、自分の好みだけではなく残された家族の意向も大切にすることをおすすめします。自分がいなくなった後、仏壇を管理して手を合わせていくのは残された家族のほうになるからです。仏壇が大きすぎて持て余したり、家族の好みに合わなかったりすることがないように、仏壇を選ぶときには家族と相談をしながら決めましょう。     

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