失敗しないオリジナル葬儀

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オリジナル葬儀とは

近年では、葬儀の内容や流れそのものをすべて自分たちで考える「オリジナル葬儀」が増えています。「お世話になった人や友人に自分らしく感謝の気持ちを伝えたい」と、自身で自分の葬儀を演出する場合もあります。

オリジナル葬儀は、形式や宗教にとらわれず執り行われます。あくまでも、故人や遺族の気持ちを尊重するため、費用や会場、演出、服装も自由です。その点で、葬儀というよりも「お別れ会」をイメージするとよいかもしれません。

とくにお寺との付き合いが希薄な場合、葬儀のときだけ仏式を重んじることに違和感を抱く人も多く、オリジナル葬儀が選ばれるようです。

ただ、年配の方を中心にオリジナル葬儀を快く思わない方もいるので注意が必要です。

オリジナル葬儀の具体例

オリジナル葬儀には、さまざまなスタイルや演出があります。とくにオリジナリティを発揮できる部分について、具体例を紹介します。

会場

会場は従来の斎場に限りません。故人が好きだったカフェやレストラン、思い出の地など、さまざまな場所が候補となります。

また、故人が好きだった装飾で会場を飾る、間接照明を取り入れるといった演出も好まれます。故人のコレクションや愛用品を会場に飾るのも、故人を偲ぶいいきっかけとなるでしょう。

音楽

オリジナル葬儀ではお経を上げずに、故人が好きだった曲などの音楽を流す場合がほとんどです。本来の葬儀にはふさわしくないような曲でも流せることが魅力です。

祭壇

祭壇の飾りや花にも、故人らしさや遺族の気持ちが反映されます。オリジナル葬儀であれば華やかな色の花飾りなど、一般的な葬儀ではあまり用いられない花を飾ることもできます。

また、祭壇自体を故人の趣味に関連したものをモチーフにすることもあります。故人が大事にしていた趣味の品を飾るのもよいでしょう。

祭壇についての演出は、一部の葬儀会社でも導入しているサービスです。費用に余裕がある場合、専門家への依頼を検討してみてもよいでしょう。

食事

故人が好きだったレストランのケータリングなどを頼み、立食パーティー形式で参列者をもてなします。故人行きつけのお店があれば、そこを会場とするのもよいでしょう。

何もしない

出棺の時間だけを決めて、あとはお茶などを飲みながら自由に故人を偲ぶ葬儀もあります。

気心の知れた参列者同士で、凝った演出をせず、ただ故人の思い出を語り合います。葬儀というよりもパーティのようなお別れ会をイメージするとよいかもしれません。

オリジナル葬儀を執り行うための準備

オリジナル葬儀で故人を送りたいと考えている場合、生前から準備を進める必要があります。

亡くなるのを待っているかのようで気が引けるかもしれませんが、葬儀会社に依頼して段取りを任せる場合とは異なり、オリジナル葬儀は自分たちで準備しなければ実施できません。

斎場以外で執り行う場合は会場を押さえる必要があり、参列者にもオリジナル葬儀で送る旨を伝えなければいけません。

自分でオリジナル葬儀を企画する

自身の葬儀に対して希望がある場合、まずは家族や友人と話し合ってみましょう。演出によっては、協力をお願いする必要もありますので、事前にしっかりと話し合うことが大切です。

また、プランが不明瞭だと、実際に葬儀を行う際に遺族や葬儀会社も困ってしまいます。まずは「これだけは譲れない」「これはやめてほしい」といった軸となる希望を伝えましょう。エンディングノートなどに細かい段取りをまとめておくと、後々に齟齬が生まれずに葬儀を執り行ってくれるでしょう。

オリジナル葬儀を執り行う際の注意点

オリジナル葬儀を執り行う際は、とくに故人とその家族の希望を合致させる必要があります。

家族・親族の了承を得る

オリジナル葬儀は、まだ一般的ではありません。従来の葬儀とは異なる形式に抵抗を感じる親族・友人もいるでしょう。故人の希望を叶えつつ、参列者の思いを考慮する必要があります。

また、本人がオリジナル葬儀を望む場合も同様で、まずは家族の了承を得ることから始めましょう。

礼節を欠かないさじ加減

オリジナル葬儀では故人らしさや遺族の気持ちを第一に尊重しますが、礼節を欠くことがないように演出しましょう。とくに、故人が喜ぶだろうと演出が行きすぎてしまうと、参列者の気持ちが置いてかれます。

その点のさじ加減は、葬儀のプロである葬儀会社に相談しながら進めると安心かもしれません。

まとめ

特定の信仰がない方にとくに好まれる、オリジナル葬儀。内容や進行をすべて自分たちで考えることから、費用も従来の葬儀よりも抑えることができます。

また、葬儀会社でも葬儀プランのひとつとしてオリジナル葬儀を扱っている場合がありますので、一から葬儀を準備するのが不安という方は、相談してみるとよいでしょう。