後継ぎがいない方の墓じまい

お墓

墓じまいと跡継ぎ

墓じまいとは、遺骨を別の場所に移すことを目的として、お墓を撤去すること。先祖から受け継いできたお墓を終わらせることから、墓じまいと呼ばれます。

墓じまいの理由として、お墓の跡継ぎがいないことが挙げられます。また「お墓を継がせることで子どもに負担をかけたくない」と考える人も多く、継承者がいても墓じまいを行う例もあります。

一方で、墓じまいのプロセスは煩雑なため、墓じまいを代行するビジネスも盛んになっています。

墓じまいが増える背景

お墓の継承問題は1980年代ころから注目され始めました。主たる背景は、少子高齢化と都市部への人口集中です。子どもの数が減ることは、お墓の跡継ぎが見つかりにくくなることに直結します。

また、仕事や学業のために地元を離れる人が増え、故郷へお墓参りに行く手間・負担が相対的に大きくなりました。年齢を重ねるほど遠方にいくのは重荷となるため、都市近郊にお墓を引っ越すために墓じまいをする人が増えているのです。

お墓の後継ぎがいないとどうなるか

跡継ぎがいなくなったお墓は「無縁墓」となり、やがて墓地の管理者によって撤去されます。

具体的には、管理費などの滞納が一定期間続くと、墓所への立て札や官報などで永代使用が切れることが通告されます。これに応じるものが1年以上いないと墓所の使用権が失われ、墓地管理者によってお墓が撤去されます。

お墓の遺骨は無縁仏として合祀されてしまうため、ほかの方の遺骨と混ざり合って取り返しがつかなくなります。

すでに「無縁墓」は全国的にも問題となっており、墓地の管理者を悩ませています。

お墓の継承者には誰でもなれる

墓じまいには少なからず労力とお金を要するため、できればお墓を継承できる人を探したいところです。

実はお墓の継承は、血縁者でなくても可能です。現行の民法では「お墓の使用権を所有する人が継承者を指定できる」と定められており、血縁者でなければならないといった規定はありません。

つまり、法的には親戚のみならず、知人・友人でも継承をお願いできるわけです。ただ墓地の管理者によっては、血縁者以外への継承を認めていない場合もあります。

墓じまいにまつわるトラブル

墓じまいでは、役所や墓地の管理者などさまざまな場所への届け出が必要になります。やりとりをする相手も多いため、墓じまいの過程でトラブルに見舞われることも少なくありません。

家族・親族間のトラブル

墓じまい中にトラブルが起きやすいのが、家族・親族です。トラブルの原因として多いのが、相談せずに墓じまいを進めてしまうこと。お墓に対する思いや価値観は、家族間でも異なります。まずは、話し合いの場を設けることから始めましょう。

また、金的な問題もトラブルの種になりがちです。墓じまいにかかる費用は、総額で50~100万円といわれます。家族・親族で費用を分担するのであれば、全員が納得するかたちで進めなければいけません。

菩提寺とのトラブル

墓じまいは、お寺の檀家から抜ける(離檀)意味も含みます。その際、お寺から離檀料を請求される場合があり、なかには高額な請求を受けてトラブルに至るケースがあります。

離檀料の相場は数万円~20万円といわれていますが、100万円以上の離檀料を請求されたという事例もあります。

離檀料には法的な根拠はなく、あくまでも「お世話になった」という気持ちから支払うものです。法外な金額を請求された場合、弁護士に相談することも検討するとよいでしょう。

解体業者とのトラブル

お墓の解体と更地化は、石材店などの専門業者に依頼する必要があります。その際の費用で、トラブルに発展するケースがあります。

例えば、山中のお墓で重機が入らないような場所だと作業効率が悪くなるため、費用も高くなります。

依頼の際は立地条件が悪くなれば費用が増えることを念頭に置いて、業者に見積もりを出してもらいましょう。

まとめ

お墓の継承問題で悩む人は増えており、墓じまいに踏み切る人も珍しくありません。

一方で、墓じまいは家族・親族への相談や役所への届け出など煩雑なことが多く、トラブルにつながりがちです。

後継ぎがいなければ、やがてお墓は「無縁墓」となって撤去されてしまうことからも、墓じまいは早いうちから準備を進めておくことがおすすめです。

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