知っておきたい「永代」は「永遠」ではないこと

お墓

「永代」は「永遠」ではない

お墓では、一般的に馴染みのない「永代」という言葉がよく使われます。「永遠」と混同しがちですが、永代は「長い年月」という意味で、期限が設けられています。

「永代」を使う用語としては、主に永代使用料と永代供養があります。

永代使用料とは

永代使用料とは、簡単にいえば墓地・霊園の場所代です。一度支払えば、檀家料や管理費が支払われる限り、墓所の利用が認められます。永代使用権は所有権ではなく利用権なので、他人への譲渡・転売はできません。

継承者がいなくなると無縁墓として扱われ、永代使用権は失われます。

永代供養とは

永代供養とは、墓地管理者(お寺など)が遺族に代わってお墓の管理や供養を行ってくれることです。近年では永代供養墓の意味合いで用いられ、「管理・供養を任せられる期限付きのお墓」として注目されています。

永代に明確な期間は定まっていませんが、永代供養墓の多くは33回忌までの安置が目安となり、期間を過ぎると遺骨は合葬されます。

お墓の後継者がいなくなった場合

お墓の後継者がおらず、年間管理費や檀家料が支払われない状態が続くと、お墓は無縁墓として扱われます。

具体的には、年間管理費や檀家料などの滞納が続くと、墓所への立て札や官報などで永代使用が切れることが通告されます。通告から1年以上支払いがない状態が続くと墓所の永代使用権が失われ、お墓が撤去されます。

お墓の遺骨は無縁仏として合祀され、後々に遺骨を取り出すことはできません。

永代供養墓の種類

永代供養墓は、単独墓、納骨堂、合祀墓(共同墓)の3つに大別されます。

単独墓

従来のお墓と同様に、墓石を建てて納骨するタイプです。一般的なお墓と異なるのは、一定期間後に合祀される点です。

お墓の基本的な維持・管理のために年間管理費が必要となり、別途清掃代やお花代が加算される場合もあります。

納骨堂

屋内で納骨できる施設で、納骨堂のほかにも堂内墓と呼ばれることがあります。納骨堂には、ロッカー式や仏壇式、自動搬送式などがあり、それぞれシステムや遺骨の収蔵数、費用観などが異なります。

・ロッカー式
ロッカーのような納骨スペースがあり、コンパクトで遺骨の収蔵数は少なめですが、都心部でも比較的安価で購入できます。

・仏壇型
仏壇と納骨スペースがあるタイプで、一家族で一区画を購入します。位牌やお供えものなどを置いてお参りができますが、そのぶん費用は高額です。

・自動搬送式
室内にお墓とお参りスペースが設けてあり、専用のカードをかざすと厨子(骨壺)が自動搬送されて、お墓にセットされます。費用はロッカー式と仏壇式の中間ほどとなります。

合祀墓(共同墓)

ほかの人の遺骨とともに埋葬されるタイプで、合同墓や合葬墓などの名称もあります。ほかの人と合祀されるといっても、厳密には区画を区切っているタイプもあり、購入の際は確認が必要となります。

また、墓石のかわりに樹木を墓標とする樹木葬も、この合祀墓タイプが主流です。

まとめ

「永遠」と「永代」は異なった意味合いであり、お墓で用いられる「永代」には期限が設けられていると考えて間違いありません。

この「永代」は、主に永代使用料と永代供養で用いられます。

永代使用料は墓地・霊園の場所代です。一度支払えば、無縁墓にならない限り、墓所の利用権利を永代にわたって保証してくれます。

永代供養は、お寺が遺族に代わってお墓の管理や供養を行ってくれること。近年では永代供養墓が注目されており、多様なお墓が誕生しています。

いずれもお墓を検討するうえで、重要な用語です。違いをしっかりと把握して、お墓選びに役立ててください。

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