知っておきたいペットの葬儀と祀り方(まつりかた)

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はじめに

ペットは、家族の一員ともいえる存在です。ペットを亡くして悲しむ状態のことを表わす「ペットロス」という言葉も一般的になっており、大事な人を亡くしたときと何ら変わりありません。

そこで本記事では、家族のように大切なペットを亡くしたとき、どのように供養して飼い主の気持ちを納めたらいいのかについてお伝えします。

ペットが亡くなってから行うこと

ペットが亡くなるまでの年数はペットの種類や飼育環境などによって変わります。小動物だったら2~3年、犬や猫だったら20年以上生きることもあります。一緒に過ごした時間が短くても、亡くしたときはやはり辛く悲しいものです。

そんな大切なペットが亡くなったとき、そのペットが犬だった場合は狂犬病予防という理由から自治体に届け出ることが義務付けられています。届け出る事項は、次の通りです。

・飼い主の住所、氏名
・犬の死亡年月日
・登録番号

その他のペットに関しては届け出不要です。またペットを亡くした後、どのように見送るかについては厳密な決まりはありません。

ペットの埋葬

ペットの埋葬にはいくつかの方法があります。ひとつずつ確認していきましょう。

土葬する

ペットを他人の土地や公共の場に埋めることは法律で禁止されています。

ただし、自分の土地に埋める分には問題ありません。そのため、小動物などは特に庭に埋める方法がよくとられています。

自治体に依頼する

自治体によって違いますが、清掃局や衛生局などの担当部署に連絡して引き取ってもらい火葬します。

自治体で火葬してもらう場合の相場は数千円~1万円前後ですが、一般の廃棄物と同じ扱いで焼却されます。そのためお骨上げができないケースがほとんどです。

ペット火葬専門の業者に依頼する

近年ペット専門の火葬業者も増えてきています。指定の場所、もしくは自宅前で火葬できる専用トラックを配置し、家族とともに火葬を実施。

人が亡くなったときと同じように火葬や納骨してくれて、きちんと供養してもらえます。

ペット葬儀の基礎知識と一般的な流れ

では、具体的にペット葬儀についてお話ししたいと思います。ペット葬儀のやり方には大きく分けて2種類あります。

葬儀会社や寺院で葬儀を行う。

ペット葬儀会社や寺院で住職が祭壇の前で読経を行い、飼い主や参列者が焼香します。
その後、火葬施設で火葬し、四十九日などの節目の時期を目処にして納骨します。

こちらの方法は個別で火葬してもらうため費用は少し高くなりますが、火葬した後にお骨を持ち帰ることができます。

火葬車で葬儀と火葬を行う。

葬儀会社と住職が移動火葬車で自宅を訪問します。その後、自宅の前や思い出のある場所などで火葬車に祭壇を設置して住職が読経をし、飼い主や参列者が焼香を実施。その後は火葬車で火葬をします。

ペット葬儀会社に火葬をお願いしたときの費用は、ペットの種類やペットの大きさによって異なります。一般的には、以下が相場です。

・小動物:1~2万円
・猫や小型犬:2~3万円
・中型犬:3~4万円
・大型犬:4~6万円

大切なペットを悔いなく見送るために、また火葬後にどうしたいのかなども考えて供養の方法を決めましょう。

ペット葬儀を執り行うときのマナー

では、実際にペット葬儀を執り行うときと、呼ばれて参列するときのマナーについてお話ししたいと思います。

香典

ペット葬儀に香典を持って行く決まりや風習は特にありませんので、香典を受け取ったり持って行ったりする必要はありません。

香典を持って行くと、周りの参列者や飼い主が気を使うことがありますので、一緒に呼ばれている人と打ち合わせができる場合は打ち合わせしましょう。そして、香典の代わりに菓子折りや花などを持って行くと、飼い主も喜ぶと思います。

服装

絶対に喪服でないといけないという決まりがあるわけではありませんので、私服でも大丈夫ですが、死を悲しむ場であることは忘れずに、節度のある服装をしましょう。
住職に読経をお願いしている場合は、執り行う側も参列する側も黒い服を着るのがおすすめです。

ペット葬儀の後、お骨はどうする?

ペット葬儀の後に個別火葬すると、お骨を返してもらいます。そのあとの供養にもさまざまな方法がありますので、一つずつご紹介いたします。

ペット霊園

ペット専用の霊園に墓石を建ててペットの遺骨を納めます。中には、飼い主とペットが一緒に入れるお墓を用意している霊園もあり、人気を集めています。

ペット納骨堂

ペットの遺骨を納骨堂に納骨する方法です。屋内施設で、ロッカータイプ・棚タイプ・個室タイプなど、様々なタイプの納骨スペースがあります。

散骨

遺骨をパウダー状にして海や自宅の庭に散骨します。

ただし、公共の場や公園などは権利者の許可が必要な場合もありますし、どこに撒いてもいいわけではないので注意しましょう。

手元供養

ペットにいつまでもそばにいてほしい場合は手元供養もおすすめです。
手元供養には2種類あります。

・自宅にペット用の小さな仏壇を置いてお参りする
・メモリアルジュエリーにして身に着ける

ペットの供養の方法の中で、いちばん多く選ばれているのが手元供養です。手元供養によく使われているアイテムにも様々なものがあります。自分のライフスタイルに合うものを選び、またはいくつか組み合わせて大切なペットを供養しましょう。

まとめ

ペットは心癒してくれたり、楽しい思い出をたくさん作ってくれたり、今までなかった感情を引き出してくれたりする、とても大切な存在です。

亡くした後に気分が落ち込んだり、なかなか立ち直れなかったりするのもとてもよくわかります。大切だったペットに感謝の気持ちを伝えるために、自分の気持の納得いく形でペットの葬儀と供養を行ってください。