知っておきたいデイサービスの基礎知識

介護

デイサービスとは?

デイサービスは、自宅で生活する方が介護施設に通い、食事や入浴などの生活サポート、またレクリエーションを楽しめるサービスです。「通所介護」とも呼ばれています。

基本的には日帰りでの利用が基本となりますが、お泊りサービスを提供している施設もあります。

デイサービスの内容

デイサービスは週に1回から数回、送迎車で自宅から施設に通い、以下のようなサービスを受けられます。

健康チェック
入浴
食事
機能訓練
レクリエーション

また参考までに、デイサービスの一日の流れの一例をご紹介します。

8:30 送迎車で自宅へお迎え
9:30  看護職員による健康チェック(検温、血圧測定など)
10:00 入浴、休憩
12:00 昼食、服薬(必要な人)
13:00 レクリエーション、体操、機能訓練など
15:00 おやつ
16:30 送迎車で自宅にお送り

疲れている時は施設内で昼寝をすることもできますし、レクリエーションや機能訓練は強制されることはありませんので、気が進まないときには参加しなくても大丈夫です。

上記のように、朝のうちに家を出て夕方近くに帰宅するプログラムを組んでいる施設が多いです。住み慣れた家を離れることなく利用できることが、デイサービスの良いところと言えるでしょう。

デイサービスを受けるまでの流れと要介護認定

デイサービスを利用するためには、「要介護認定」を受けることが必要です。申請は市町村の窓口で行います。申請に必要なものは以下のとおりです。

  • ①申請書(窓口でもらうかインターネットでダウンロードして印刷する)
  • ②介護保険被保険者証、40~64歳で特定疾病の場合は健康保険被保険者証
  • ③主治医の情報がわかるもの(診察券など)
  • ④マイナンバーがわかるもの(個人番号カード、通知カード)
  • ⑤提出代行者は印鑑、委任状、身元を証明するもの

申請が出されると市町村の認定調査員が自宅を訪問し、申請者の心身の状態を直接調査します。その内容と主治医意見書の内容をあわせて要支援・要介護度が判定され、30日以内に認定結果が記載された通知書が届きます。

要介護区分

要支援・要介護度は、要支援1~2、要介護1~5の7段階に分けられます。

要支援と要介護の違いは次の通りです。

要支援:現段階では自立した生活を送れているが、今後介護が必要となる可能性がある
要介護:食事や排泄など、日常生活の支援が必要な状態

要支援、要介護ともに数字が大きいほど介助が必要な度合いが高いことを示します。

各認定区分の目安は、次の通りです。

要支援1:排泄や食事など日常生活はほとんど自分で行えるが、一部に介助が必要。
要支援2:要支援1より立ち上がりや歩行の運動機能に若干の低下が見られ、介助が必要な状態。

要介護1:要支援に比べ立ち上がりや歩行が不安定で、食事、排泄や入浴などの日常生活動作に部分的な介護が必要な状態。
要介護2:自力での立ち上がりや歩行が困難。食事、排泄、入浴などの日常生活動作に一部または全面的な介護が必要な状態。
要介護3:立ち上がりや歩行が自力でできず、食事、排泄、入浴などの日常生活動作に全面的な介護が必要な状態。
要介護4:介護なしでの食事、排泄、入浴、衣類の着脱などを行うことが困難で、日常生活全般に介護が必要な状態。
要介護5:介護なしでの日常生活を営むことが困難。意思の疎通も困難な状態。

デイサービスのメリット

デイサービスには利用者本人にとっても家族にとっても、大きなメリットがあります。半面、デメリットも考えられますので、ひとつずつ見ていきましょう。

心身の健康増進

デイサービスで提供される機能訓練やレクリエーションは、身体の健康維持に役立ち、年齢に応じた体操や歩行練習を行うことで、生活不活発病の予防につながります。

さらに、他の利用者やスタッフとの会話を通して孤立感、孤独感が薄れてメンタル面も安定しやすいです。家に引きこもりにならず社会と接点を持てることは、デイサービスの大きなメリットといえるでしょう。

メリハリのある生活を送れる

デイサービスでは、さまざまなレクリエーションが行われています。

折り紙や工作など手先を使うものも多く、楽しいことに加えて、脳の活性化には非常に有効なプログラムです。夏には七夕飾り、冬にはクリスマス飾りやお正月飾りを作るなど季節感を忘れない工夫がなされています。

また、近隣の保育園や幼稚園から慰問に来て、歌や踊りを見せてくれたり通所者と一緒に歌ったりする企画を実施する施設もあります。

介護者の負担軽減

介護サポートを行うご家族も、時には休息が必要です。

デイサービスに行っている間は自由に時間を使うことができますし、数時間にせよ距離を置くことで介護疲れや介護ノイローゼの予防につながります。

家族だけの介護は孤立しやすく精神的に追い詰められたりしてしまいやすいです。時にはプロの手を借りて、ご家族の方もリフレッシュする時間を設けましょう。

デイサービスのデメリット

ここからはデイサービスのデメリットについて、お伝えしていきます。メリットとデメリット、それぞれを踏まえてご自身やご家族に適したサービスか検討してみましょう。

費用負担

デイサービスの費用は介護保険を使うため自己負担額は収入に応じて1~3割ですが、それでも自宅介護よりは費用がかかります。

費用負担は利用する回数に比例するため、利用回数を調整するなどして考えるとよいでしょう。

場合によっては利用者のストレスにつながる

利用者の性格や生活習慣による差が大きいですが、中にはデイサービスの利用を好まない方もいます。

「知らない人たちと一緒に過ごすのが不安」「年寄り扱いしないで欲しい」など、さまざまな思いを抱えています。このように感じている人を無理やりデイサービスに参加させることは、本人にとって大きなストレスになりかねません。

デイサービスの利用に不安を感じる場合、一度ご家族やケアマネジャー同伴のもと、一度見学をしてみるのがおすすめです。

デイサービスを利用する際に気をつけること

デイサービスの利用が決まったら、事前に気をつけておきたいポイントが4つあります。ひとつずつ確認していきましょう。

持ち物に氏名を書く

靴やカバン、衣類などの持ち物にはすべて名前を書いておきましょう。

場合によっては、入浴や着替えの際に自分の衣類がわからなくなるケースもあるからです。持ち物に直接名前を書くのが難しい場合には、アイロンで貼れる名前シールなどを使ってみましょう。

貴重品は持って行かない

デイサービスは自宅と施設の往復だけで、施設に滞在中もお金を使う機会はありませんので財布などの貴重品は必要ありません。

万が一、なくなってしまったら大変なので基本的には持ち込まないようにしましょう。何か事情があって持ち込む必要がある場合は、施設に一時的に預かってもらえるか確認してみてください。

常備薬やおくすり手帳を持参する

お昼の服薬がある人はその分を持参し、施設で飲むようにします。

デイサービス利用中に体調の変化があった場合は、施設から病院に向かうこともありますので、健康保険被保険者証や診察券、おくすり手帳は携帯するようにしましょう。

まとめ

デイサービスは1日単位で利用できる介護サービスです。

利用者にとっては週に数回外出できるので、メリハリのある生活につながりやすいです。また、介護をサポートするご家族も休憩時間を作れるサービスとなっています。

状況に応じて、デイサービスの利用を検討してみてください。

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