ガーデニング霊園とは
ガーデニング霊園とは、敷地全体に花や樹木が植えられており、庭園のようになっている霊園のことです。植物の管理は霊園側が行います。
霊園ごとに和風や西洋風などの特色があり、季節ごとの花を楽しめます。噴水や池、ベンチなどを設置して、お参りに来た人が気持ちよく過ごせるよう工夫がされているところもあります。
「墓地」と聞いて思い浮かぶイメージとは異なり、明るく開放的な気分でお参りができると人気が高まっています。また、宗教や宗派を問わない霊園が多いことも魅力です。
ガーデニング霊園が増えている理由
葬儀やお墓も多様化が進んでおり、さまざまなニーズに答えられるよう整備が進んでいます。ガーデニング霊園も「花や植物に囲まれて眠りたい」といった希望を叶え、墓地とは思えない華やかさから人気を集めています。
また、墓地や霊園を新設する際、周辺住民の反対は必ず生じる問題です。その際、公園のような雰囲気のあるガーデニング霊園は、周辺住民の合意も得られやすいといった背景もあります。
ガーデニング霊園と樹木葬の違い
樹木葬とガーデニング霊園は「自然のなかで眠る」というコンセプトで共通していますが、明確な違いがあります。両者の違いについて解説します。
ガーデニング霊園は墓石を用いる通常のお墓
樹木葬は墓石の代わりに木を植える方式ですが、ガーデニング霊園は墓石を置く通常のお墓が中心です。あくまで植物や花が植えられるのは周辺であり、植物の下に埋葬されるわけではありません。
なお、ガーデニング霊園のなかには樹木葬を行う霊園もあるので混同しないよう注意しましょう。
樹木葬は永代供養墓が主流
樹木葬の多くは、霊園が管理する永代供養墓です。合祀型の樹木葬の場合、合同での埋葬となるため、あとから故人の遺骨だけを取り出すことはできません。
対してガーデニング霊園は、基本的には家族で管理する普通のお墓です。
区画ごとにお墓を建て、埋葬できます。
ガーデニング霊園とガーデニング区画の違い
ガーデニング霊園と似た言葉に「ガーデニング区画」があります。ガーデニング区画とは、お墓の周りに自分たちで花や植物などを植える墓地のことです。
霊園全体が花や植物で彩られるガーデニング霊園とは異なり、ガーデニング区画はお墓の周りだけに花や植物を植えられます。
そのため、ガーデニング区画は隣の墓石まで花や枝が伸びてないように囲いがあり、植えられる植物にも制限があります。
ガーデニング霊園のメリット
ガーデニング霊園は単に美しい霊園ではなく、特徴的なメリットも存在します。
バリアフリー設計の霊園が多い
ガーデニング霊園はバリアフリー設計の霊園が多く、車椅子の方や足が不自由なお年寄りでもお参りしやすくなっています。故人のことだけではなく、お参りに来る人に対しても配慮されているのです。
霊園全体をプロがプロデュース
ガーデニング霊園の装飾は、フラワーコーディネーターなどプロによってプロデュースされている場所が多いのが特徴です。
プロの手で花や樹木はバランスよく配置され、季節によって咲く花も異なります。
宗教・宗派を問わない霊園が多い
ガーデニング霊園は、宗教・宗派を問わずに埋葬できる場所がほとんどです。家族と信仰が違う場合でも、安心して利用できます。
ガーデニング霊園のデメリット
ガーデニング霊園のデメリットは、ガーデニングにまつわることが中心となります。
管理費が高めになりがち
ガーデニング霊園は植物を管理する分、普通の霊園よりも維持費や人件費がかかります。そのため、通常の霊園に比べると管理費が高額になりがちです。
ガーデニング区画は手入れが必要な場合も
ガーデニング区画は管理人ではなく、家族が植物を植えて管理することがほとんどです。
好きな植物でガーデニングする楽しみもある一方、近場でないと定期的に手入れも負担になりがちです。通いやすい霊園を選ぶことが大切になります。
ガーデニング霊園を選ぶときのポイント
ガーデニング霊園を選ぶときのポイントは、管理体制と自分が関われる範囲です。
植物の管理
まずは、植物の管理体制について確認しましょう。時間に余裕があれば、霊園の見学は、暑い時期と寒い時期の両方を見てみるのがおすすめです。
自分で植物を植えられるか
ガーデニング霊園は管理者が植物の管理を行うことから、自分でガーデニングを楽しめるとは限りません。植えられる植物の制限や自身の管理の配意など、購入前に確認しておきましょう。
まとめ
ガーデニング霊園では、敷地全体に花や樹木が植えられており、「墓地」のイメージとは異なる明るい雰囲気となっています。
プロが全面的にプロデュースしている霊園もあり、それぞれ特色にも差があります。
「花のなかで眠りたい」「バリアフリーの霊園を選びたい」といった希望に合わせて、自分の好みにあったガーデニング霊園を探してみましょう。