シニア世代の一人旅について
以前まではマイナーな趣味であった一人旅も、最近ではシニア層をターゲットとしたプランが増えています。「おひとりさま」という言葉が2005年の新語・流行語大賞にノミネートされ、以降は「ひとりカラオケ」「ひとり居酒屋」などが定着し、一人での行動が自然なものとして普及してきました。
各旅行会社でもさまざまな一人旅プランが提供され、多くは往復の交通チケットと宿泊がセットになっており、現地では自由に行動できるという内容です。
一人旅のメリットやデメリット、シニア世代の一人旅ならではの注意点などを解説します。
一人旅のメリット
一人旅のメリットは「自由」に集約されていると言っても過言ではありません。
好きなように計画を立てられる
一人旅の最大のメリットは、目的地や交通手段、宿泊もすべて自分の好みで決められる点です。友人や家族との旅行であっても、それぞれの好みが一致することはなかなかありません。
また、日程も人数が多くなるほど調整が難しくなり、先延ばしになりがちです。その点でも一人旅は、思い立ったその場で旅立つこともできます。
自信がつく
誰かに任せきりの旅行しか経験していないと、一人旅は不安を感じるでしょう。だからこそ、一人旅のあとは自信がつきます。
旅先では自分から行動しないと、誰も何もしてくれません。その不安を乗り越えて行動することにより、メンタル面が強くなり、自信につながるはずです。
人に気を遣わなくて済む
旅行中に同行者と険悪なムードになってしまうのはよくある話ですが、友人であっても衣食住を共にすれば気を遣うものです。
その点で一人旅はしがらみを忘れ、誰に気を遣うことなくリフレッシュできます。
一人旅のデメリット
最近では一人旅も市民権を得てきましたが、宿泊施設などは採算の関係から一人での宿泊に割高な料金を設定している場合があり、金銭的なデメリットが生じがちです。
料金が割高になることも
宿泊施設の多くは、採算の関係から2名以上で料金を設定しています。そのため、一人での利用は断られる場合もあり、受け入れている施設でも料金を割高に設定しがちです。
また、レンタカーやタクシーなども大人数で料金を分割することで負担を減らせますが、一人旅ではそうはいきません。一人旅のお金がかかりやすい側はデメリットといえるでしょう。
アクシデントも一人で対応
旅行には大なり小なりアクシデントが付き物です。忘れ物や交通機関の乱れ、道に迷うなど、不測の事態が起こり得ます。一人でアクシデントに対処するのは一人旅の醍醐味でもありますが、人によっては大きなデメリットに感じるでしょう。
シニアの一人旅の注意点
シニアの一人旅では、とくに体調面のケアに注意を払いましょう。一人旅の注意点を解説していきます。
おくすり手帳と常備薬を忘れずに
一人旅では、おくすり手帳や常備薬を忘れないようにしましょう。とくに薬は、天候や災害の影響などで帰宅の予定が延びたときに備えて、多めに持って行くと安心です。
スマートフォン頼りきらない
昨今はチケットや地図など、旅に必要なあらゆるものをスマートフォンに集約できます。そのぶん、スマートフォンの電池切れや紛失によるリスクは高くなります。必要な情報やチケットなどはプリントアウトして持っておく、充電器を忘れないといった配慮が大切です。
海外旅行の場合は保険があると安心
海外旅行の場合、旅行保険に加入しておくと安心です。海外と日本では医療制度が異なり、治療費が高額になる場合があるからです。
また、言葉の通じない土地で、一人で体調を崩すのは命取りになります。その点、各保険会社では、病院の手配や電話によるサポートなどが備えられていますので、いざというときに頼りになります。
海外では防犯対策が必須
海外への一人旅の際は、防犯対策も重要です。外国人のシニア層が一人でいれば、置き引きやスリ、引ったくりのターゲットにされがちです。特に日本人は、国内が安全であることから防犯意識が下がりがちです。
人前では不用意に現金を出さず、過度にブランド品や宝飾品などを身につけないようにしましょう。渡航前には、外務省の「海外安全ホームページ」に目を通すのがおすすめです。
まとめ
シニア世代の一人旅は、なによりも健康が最大の焦点となります。若い頃はどうにでも切り抜けられたかもしれませんが、年を重ねたあとはそう上手くはいきません。
思い立ったら行けるのが一人旅の魅力ではありますが、準備だけはしっかりと整えておくのが成功の秘訣です。