知っておきたい郊外型霊園の選び方

お墓

郊外型霊園について

郊外型霊園は広大な敷地にさまざまな施設が併設され、墓所使用料も比較的安価といったメリットがあります。ただし、アクセスが悪く、超高齢社会のなかではお参りの負担が重くなるといったデメリットもあります。

都心部から離れた自然豊かな土地に造られる「郊外型霊園」について、特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

立地による霊園(墓地)の分類

霊園(墓地)は立地で分類でき、主に「郊外型」と「都市型」に分けられます。

郊外型霊園は、海や山といった豊かな自然のなかに造設され、広大な敷地を持つ大規模霊園が中心です。郊外であることから土地代も安く、墓所使用料も比較的安価です。一方で交通面に難があり、駅からでは時間がかかる場合もあります。

対して、都市型霊園は小規模な霊園が多く、敷地の問題からレストランなどの併設はほぼありません。ただ、その点は都市部ですので、お墓参りや法事にあたっての買い物や食事に困ることはないでしょう。交通の便が良いぶん、基本的に駐車場の台数が限られていることに注意しましょう。

郊外型霊園のメリット

郊外型霊園は自然豊かで広大な環境を有しています。その環境を生かしたロケーションや豊富な施設などが魅力といえるでしょう。

自然豊かなロケーション

郊外型霊園のメリットとして、自然豊かなロケーションがあげられます。海を見下ろす丘や、日本の名山が見渡せる場所など、自然を好む人から支持を集めています。

施設が豊富

郊外型霊園は広大な土地を有している場合が多く、墓地以外の施設が豊富に用意されています。例えば、法要ができるホールやレストラン、売店などがあり、お墓参りや法事に必要なものが一箇所に揃っています。

また、遊具のある公園やドッグラン施設など、子どもやペット連れの家族がレジャー的に過ごせる環境が整えられている場合もあります。

区画の安さとバリエーション

郊外型霊園は都市部に比べて区画が安く、その広さからお墓のタイプのバリエーションも豊富です。霊園によっては、芝生墓地やガーデニング墓地などの特徴的な区画も存在します。

郊外型霊園のデメリット

自然環境のなかにあることから、アクセス面で不便さが目立ちます。郊外型霊園のデメリットは、立地に集約されるといえるでしょう。

アクセスが不便

多くの郊外型霊園は、都心部から遠い土地にあります。車がないと不便なことも多く、公共交通機関の場合は電車やバスの乗り継ぎが基本となります。

最寄り駅から送迎バスを運行しているところも多いですが、お彼岸やお盆以外の時期は本数が減らされることがほとんどです。

バリアフリーに難がある

とくに丘や山間部に位置する郊外型霊園は高低があり、バリアフリーに難があるといえます。また、駐車場からお墓まで距離があるため、高齢者や体の不自由な人にとっては負担となります。

とくに大規模な霊園ほどお墓までなかなかたどり着けないため、お墓参りを苦に感じてしまうこともあるでしょう。

郊外型霊園を選ぶ際のポイント

郊外型霊園を選ぶ際にチェックするべきポイントを解説します。

交通アクセスのチェック

郊外型霊園を選ぶ際は、必ず交通アクセスを確認しましょう。自宅からの公共交通機関や、最寄り駅からの送迎バスの間隔をなど、アクセスの善し悪しを判断しましょう。

車で行ける場所でも、駐車場から自分のお墓までどれくらいかかるか、お彼岸やお盆の混雑時でも駐車場は利用できるかなどをチェックします。

とくにアクセス面は、年齢を重ねた後のことまで考慮しましょう。高齢になり、車を手放したあともお墓参りに行けるかは、重要な判断基準となります。

霊園内にある設備のチェック

霊園内に坂や階段を確認し、高齢者や車いすでも移動しやすい設計になっているか確認します。とくに古い霊園では、バリアフリー設備が整っていない場合があります。

お墓の後継者の意見を聞く

自身が入るお墓として郊外型霊園を希望していても、実際にお墓の維持やお墓参りをするのは後継者です。とくにお墓の後継ぎが都市部に住んでいる場合、郊外型霊園は反対されがちです。必ず後継者になる人の意見も尊重しましょう。

郊外型霊園の費用

お墓を建てるのに必要な金額は、おおよそ全国平均で150~200万円といわれています。

内訳としては、永代使用料で35万~130万円、墓石代として60万~200万円、そのほかの管理費などで数万円がかかります。希望する霊園の資料を取り寄せ、見積もりを取ることが大切です。

まとめ

現在はお墓のかたちが多様化していますが、昔ながらの継承を前提としたお墓を選ぶのであれば、郊外型霊園が適しているといえます。

一方で、超高齢化社会のなかでは老後の負担まで考えて、交通アクセスを中心に検討する必要があります。

郊外型霊園のメリットとデメリットを踏まえ、自身だけでなく後継者の意見を聞いたうえで検討してみてください。

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