失敗しない生前墓の建て方

お墓

生前墓とは

生前墓とは、生前に用意するお墓のことです。生きているうちからお墓を用意するのは縁起が悪いと感じるかもしれませんが、生きているうちにお墓を建てることを「逆修」や「寿陵」とも呼び、将来の長寿や一族の繁栄につながるといわれています。

近年になって「終活」という言葉が普及したように、自身の人生の終わりについて前もって考える人が増えています。生前墓も終活のひとつとして広まっています。

生前墓のメリット

生前墓を準備しておくことは、ただ縁起がよいだけでなく、数多くのメリットにつながります。

没後の家族の忙しさが減る

お墓の準備を一から始めると、霊園やお墓の選定、費用との兼ね合いなど、数多くのことを決めなければなりません。没後に葬儀の準備や遺品整理に加えて、お墓の用意まで重なると大きな負担になります。

生きているうちに自らお墓を用意しておけば、後々の家族の負担を大きく軽減できるのです。

家族全員が納得できるお墓になる

お墓のことを決めずに亡くなった場合、お墓のことはすべて遺族に委ねることになります。

生前墓を家族と一緒に用意すれば、霊園の雰囲気やお墓のデザイン、交通アクセスなど、皆が納得できるお墓となるでしょう。

相続税対策

お墓は相続税の非課税対象になるので、お墓の購入費用を残しておくよりも、生前にお墓の購入を済ませておくほうが相続税対策となります。

お墓の購入費用は100万円を超えることも珍しくないため、大きな節税効果になるでしょう。

生前墓にまつわる豆知識

生前墓を準備するにあたり、事前に把握しておいたほうがよい情報をお伝えします。

選ばれるお墓の種類は多彩

近年ではお墓の種類が豊富になっており、納骨堂や永代供養墓といった後々の管理を必要としないお墓も登場しています。

とくに没後にお墓の管理を頼める家族・親族がいない場合、生前墓の購入は必須となり、永代供養墓は有力な選択肢として挙がるでしょう。

お墓にかかる費用は平均120~170万円

お墓の費用の全国平均は120~170万円といわれています。対して、永代供養墓の多くは数十万円程度に費用を抑えられます。

生前墓は、一般的な墓石のお墓を選ばなければいけないといったルールはありません。予算から購入できる範囲のお墓を選びましょう。

生前墓で失敗しないためのポイント

生前墓で失敗しないための5つのポイントを解説していきます。ポイントを踏まえて、しっかりと事前の準備を整えていきましょう。

家族への相談

生前墓を選ぶ際は、自分の意思のみならず、家族の意見も大切にしましょう。

お墓は自分自身よりも、残された家族のほうが付き合いが長くなります。お墓参りに来てくれる人の労力を軽減するために、アクセス性の良い場所にお墓を建てるなどの配慮が大切です。

お墓を受け継ぐ人やお参りに来てくれる人など、多くの人の意見を取り入れて、皆が納得できるお墓を用意しましょう。

お墓の種類の検討

最近は納骨堂や樹木葬など、お墓の種類が非常に豊富となっています。費用や継承、交通アクセスなど、さまざまな面からお墓を検討してみましょう。

生前墓を建てれない墓地もある

墓地・霊園のなかには、申込条件として「遺骨を所持している」ことが含まれている場合があります。とくに公営墓地で多く見られる規定ですが、事前に申込条件を確認しておくとよいでしょう。

管理費と購入のタイミング

お墓を購入したあとは、維持・管理費が発生します。生前墓を購入してから何年もお墓に入る人がいない状況が続くと、維持・管理費は掛け捨てとなってしまいます。

納骨までがずっと先になるようだと、費用面のメリットが損なわれる可能性もあるので、タイミングをよく考えて購入しましょう。

現地での確認

お墓選びで重要なのは、パンフレットや販売会社からの話だけでなく、自分の目で現地を確認することです。とくに、霊園の管理状況やバリアフリーの状況などは、実際に確かめる必要があります。

生前墓は、自分で確認しながら準備できるのが大きなメリットです。時間と体力に余裕があるうちに候補のお墓を見比べるなどして、納得できるお墓選びをしましょう。

まとめ

お墓は高額な買い物になることが多く、金額を考えればじっくりと時間をかけて選ぶべきものです。生前からお墓を準備することは、それだけでお墓にまつわる失敗を減らすことにつながります。

実際に自分の目で候補のお墓を見て回り、家族全員が納得できるお墓を選べば、自ずと生前墓での失敗はなくなるでしょう。

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