後継ぎがいない方の納骨堂選び

この記事は約3分で読めます。

跡継ぎの不在と納骨堂

納骨堂は、お墓を建てる前の遺骨の一時安置や、お墓がない人の納骨方法として利用されてきました。お墓の跡継ぎがいない人にとって、納骨堂は以前から自然な選択肢だったといえるでしょう。

近年では墓地不足や葬送の価値観の変化により、さらに納骨堂が身近な選択肢となっています。

多くの納骨堂が登場したことによって、それぞれアイデアや料金などで競争し始めており、選択肢がさらに広がっています。

今回は、お墓の跡継ぎがいない方にとっての納骨堂の魅力について、解説していきます。

納骨堂の特徴

納骨堂は一般的にはあまり知られた施設ではなく、その特徴を把握している人も少ないでしょう。納骨堂の特徴について解説していきます。

料金が安価

納骨堂は10万円台から利用できる施設もあり、一般的なお墓と比べて破格といえる安さで納骨を終えられます。

年間利用料

利用にあたっては、納骨堂を維持・管理するための年間利用料が必要となる場合があります。ただ、永代供養墓のように期限付きの安置の場合は、初回に一括で料金を支払えば、その後の費用が発生しない施設もあります。

宗旨・宗派不問

納骨堂の多くは、檀家や宗派といったしがらみに関係なく遺骨を受け入れてくれます。そもそもとして継承を前提としていない施設なので、檀家となる意味合いがないためです。

安置期間

近年増えている納骨堂の多くは、永代供養墓として役割を担っていることが多く、一定期間の安置後に合祀する施設が増えています。

具体的には、遺骨は数年または数十年の安置後に合祀墓へ納骨されます。他人の遺骨と混ぜられることに抵抗を覚える人は、大きなデメリットといえます。

ただ、跡継ぎがおらず、数年後にはお墓参りに来てくれる人も途絶えてしまうという方には、とくに問題にはならないでしょう。

利用期間はプランによってさまざまですが、三十三回忌などの節目まで納骨し、合祀されるという流れとなります。事前に料金をまとめて払うことで、跡継ぎがいなくても安心して利用できるというわけです。

納骨堂を選ぶ際のポイント

跡継ぎがいない状況で納骨堂を選ぶ際のポイントを紹介します。

早めに準備を始める

跡継ぎがいない以上、自分の死後の雑務は、生前のうちに自分で処理しておくしかありません。自覚を持って、早めに準備を進めるようにしましょう。

納骨堂にも機械式やロッカー式などいろいろな種類があり、システムや料金も大きく異なります。安置期間などの契約内容にも差があるため、これらを比較しながら熟慮するならば、元気なうちから始めておくに越したことはありません。

実際に施設の雰囲気を確認し、納骨を任せる予定の親戚や知人などと意見交換するなど、時間をかけて準備していきましょう。

費用の確認

安置期間や立地、施設のシステムなどから、同じ納骨堂でも費用にも差が出てきます。跡継ぎがいないことから料金は事前に一括で支払う必要がでてくるため、予算との折り合いをみつつ、利用する施設を検討しましょう。

優先事項を決める

納骨堂には複数の種類があるため、選択肢は意外なほど豊富となります。自身のなかで優先事項を決めておかないと、いつまでも迷ってしまう場合があります。

費用を最優先とする、お参りに来てくれる人のために交通アクセスを重視するなど、優先事項を定めて選んでいきましょう。

合祀後は遺骨を取り出せない

後に親族などがお墓を建て、納骨堂の遺骨をお墓へ移したいと考えるかもしれません。その際、合祀されてしまったあとでは、遺骨を取りだすことはできません。

身寄りが全くない場合は検討する必要はありませんが、もし可能性があるのであれば、安置期間を長めにとるなどの配慮をすべきかもしれません。

まとめ

近年、少子高齢化による跡継ぎの不在や、葬送の価値観の変化によって、納骨堂のニーズが高まっています。

跡継ぎがいない方にとって納骨堂は、継承を考える必要もなく、一般的なお墓と比べて費用も安価で済むことから、有力な選択肢となるでしょう。