ハワイ移住の基本情報
ハワイは、日本人の海外旅行先でも常にトップ3に入る人気の観光地であると同時に、常に温かい気候で自然も豊かなことから、若い世代の移住者も多くいる場所です。
老後の生活をハワイでと考える人も少なくありませんが、そのためにはまず、ハワイの移住条件などを知っておく必要があります。
高齢になってからハワイに移住する場合の基本情報を紹介します。
永住のための方法
アメリカに永住するには2つの方法があります。1つは、アメリカ国籍を得て国民として認められる、「アメリカ市民権」を取得すること。もう1つはグリーンカードともよばれる「アメリカ永住権」を取得することです。
国籍を取ることは難しいですが、永住権であれば国籍よりは比較的簡単に取得できるので、現実的なのはグリーンカードの方でしょう。
グリーンカードの取得方法
アメリカ永住権であるグリーンカードは、誰でも申請すれば得られるような簡単なものではありません。
最もよくあるのは、アメリカ人との結婚で取得するパターンで、これは、外国人が日本の永住権を得る場合も同様です。
その次によくある例は、アメリカにある企業に雇用されて実績が認められ、企業のサポートによって取得するものです。
その他には、著名人が取得できたり、宝くじのように抽選によって、毎年無作為に応募者の中から選ばれる場合もあります。
全てに共通して「すぐに取れる方法はない」
永住権の取得方法にはいくつかありますが、どれも短く見積もって3年ぐらいは要すると考えておいた方がよいでしょう。
それまでの期間に非永住という形で滞在することも可能ですが、法的な立場の違いなどから、腰を落ち着けるにはやはり永住権の取得が必須です。
ハワイと日本人の関係
ハワイにおける日本人の現状を、いくつか紹介します。
ハワイは日本人が多い
ハワイには毎年数多くの日本人が旅行に行き、既に永住している人やその子孫である日系人も数多くいます。
ハワイに行った旅行者の国籍を調べてみると、だいたい10~15%を日本人が占めるといわれていて、アメリカ人の国内旅行が2番目になります。
移住先としても、韓国と並んで常にトップ争いにいることから、ハワイは世界で最も日本人の多い外国領の1つに入ります。
ただし、在住者のルーツをたどっていくと、トップはフィリピン系で、日本人は2番目になるようです。
英語は苦手でも大丈夫
ハワイは昔から日本人とのつながりが強いことから、日本人のコミュニティや日本語への寛容さがある程度高いことでも知られています。
もちろん最低限のレベルは必要ですが、ネイティブ・スピーカーほど英語が堪能でなくても、ハワイでの生活はできるといっていいでしょう。
ただし、日本人の多くはホノルルなど日本でも有名な土地に住み、少し離れた地域では日本人の比率が大きく下がるため、どこでも英語ができなくても大丈夫とは言い切れません。
仏教もある程度認知されている
ハワイでは、日系人の存在により、仏教に対する理解度の高さもアメリカ国内でトップクラスに入ります。
仏式のお墓が並ぶ墓地もあり、仏教徒のコミュニティも形成されていることから、日本の仏教にまつわる行事を家の中などで行うには、そう苦労することはないでしょう。
ハワイで一番割合が多いのは、キリスト教です。
ハワイにおける日本人移民の今後
ハワイに移住をしたいと考えている人にとって、これからの動向は見落とせないポイントです。
国際的な事情や、アメリカ国内の世論など、多くの要素が複雑に影響する難しい話題ですが、これから先どうなるのかを考えてみます。
永住権取得が簡単になる見込みは薄い
アメリカの国籍や永住権は、世界で最も人気があるといわれるほどに競争率が高いため、取得するのは現在でもかなり難しいです。
今後もこの状況が変化する可能性は低いため、ハワイへの移住を考える時の一番大きな壁になり続けることは、変わらないと予想できます。
そのため、取得に向けた準備期間として数年は考えた上で、計画をたてることになります。
国際化や技術進歩が移住の後押しになる
今や国際旅行や移住が一般的になってきていることから、もともと日本人の多い地域であるハワイでは、日本人が移住してくることに抵抗を感じることは今以上に薄れていくでしょう。
受け入れの体制が整うという以上に、スマートフォンでの音声翻訳やインターネットの情報交換を使うことで、移住したあとに問題になりやすい言語や文化の壁を超えていきやすくなることも予想できます。
少し特殊なパターンでは、アメリカ人のパートナーと結婚したことでアメリカ永住権を取得し、ハワイへの移住の道が現実的になるというパターンはこれまでにもありましたが、国際化が進むことで、これから先も増える可能性があります。
こういった世の中の流れや技術の進歩が、今後の移住の助けになることは間違いないでしょう。
ハワイ移住に向けた準備
現実にハワイへの移住を考える場合には、どういった準備が必要なのかを紹介します。
事前の一番の壁は永住権ですが、移り住んでからはかなり高い物価でやりくりしていかなければならなかったり、観光地ならではのルールも存在するように、準備するべきことは多いので、よく覚えておきましょう。
永住権、もしくはアメリカ国籍の取得
まず知っておかないといけないのは、旅行用のビザでは宅地の購入や賃貸ができないということです。
家を買うなり借りるなりして移住するには永住権が必要になるため、グリーンカードかアメリカ国籍を取得する必要があります。
これらの取得が現実的になった後に、移住の計画をたてるぐらいに考えましょう。
資金はできるだけ多めに
ハワイの物価はかなり高いことで有名です。
観光地であることもそうですが、元々太平洋の真ん中にある島で、何をするにも海の向こうのアメリカ本土から運んでこなければならない特性上、どうしても物価が高くなります。
そのため、老後であっても一定額の収入があるようにするか、日本でなら十分に暮らしていけるぐらいの貯金がなければ、途中で挫折してしまう危険性も高いです。
少しでも英会話能力を
これから先、スマートフォンなどを利用した他言語との会話のサポートは進化していくことが予想できるとはいえ、やはり日常的な会話ができるぐらいの英会話能力は必要不可欠です。
最低でも、お金や計画といった事前準備を始めると同時に英会話の勉強をしておくようにしましょう。
ハワイ移住を考えている人への提案
終活の中でハワイへの移住を考えている人には、まず優先的にしておくといいことをいくつか紹介します。
順調に準備を進められれば、だいたい5年ぐらいを目処に移住が現実化することが多いので、その5年間のうちに、できるだけ老後の準備を完了させるといいでしょう。
お葬式の計画を
ハワイでは、日本のように豊富なプランの中から選べるお葬式や斎場などはありません。
埋葬もハワイで済ませるというのであれば、お葬式もキリスト教式などにすれば問題ありませんが、仏式で日本らしく行いたいという場合には、火葬はハワイで済ませ、お骨を日本に持ち帰って葬儀を行うことになります。
医療や介護の知識と準備を
終活や老後を考えているということは、それだけ歳を重ねたということで、現実に病院や介護の世話になる可能性が高くなります。
予算や保険といったお金のことだけでなく、病院などでスムーズに対応してもらえるように、自分の英会話力を鍛えるなど、多方面から準備が必要になります。
相続について
家を買うなどしてハワイに移住した場合、自分が死んだ後に誰が家を相続するかなどといったことは大きな問題になりやすいです。
なぜなら、ハワイに永住して購入した財産は、アメリカの法律に従って相続手続きをすることになるからです。
アメリカでは、日本と同じように相続税と贈与税の両方が存在するので、事前にしっかりと把握しておくことと、できる限り移住者のケースに詳しい専門家を見つけておくことをすすめます。
まとめ
ハワイ移住に関して知っておくべき情報は以下の通りです。
永住権が必要で、基本的にすぐには取得できない
ハワイへの移住には、旅行用のビザではなく「永住権」が必要です。
アメリカ国籍を取得するか、グリーンカードともよばれる永住権付きビザを取得しなければ、移住は不可能です。
まずは最優先でこの取得の準備を進めながら、他の作業をするようにしましょう。
場合によっては不可能なこともあり、簡単に取得できるものではないということは覚えておきましょう。
お金と英語力の準備を
ハワイは物価が高いことで有名で、移住した後に収入がないと生活を維持するのは難しいでしょう。
お金は十分に用意するのと、可能であれば老後でも収入が得られる手段を作っておきましょう。
ハワイは日本人観光客が多く、昔から日系人も多いので、日本人や日本語への寛容さも魅力の一部ではありますが、アメリカの一部であることに変わりはありません。
移住を考えているなら、最低でも日常会話ができるくらいの英語力は身につけるようにしましょう。
自分の死後の準備も入念に
ハワイで最後まで暮らすためには、自分が死んだ後の事務処理等をアメリカの法律や慣習で行う部分も増えることを意味します。
事前知識として、それらを知っておくことも重要です。
特に相続や贈与といったお金や権利のことは、相続人も含めて理解しておく必要があります。
終活の一環として移住を考えているのなら、お葬式やお墓のことも忘れずに考えておくようにしましょう。