墓じまいとは?
墓じまいの費用とトラブルを紹介する前に「墓じまいとはどういうものなのか」を解説していきます。
墓じまいにもさまざまな形があるので、自分にはどのタイプが合うのかを知っておくきっかけにしてみるのもいいでしょう。
墓じまいの基本的な情報
墓じまいとは、後を継ぐことが難しくなったり、管理費の支払いなどの問題で、お墓を守っていくことが難しい場合に、片付けたり管理しやすい場所にお骨を移す行為のことです。
「お骨をどうするか」を決定したあと、行政の手続きを行い、業者に依頼して墓石を解体し、更地にしてから墓地の管理者に返却して「墓じまい」となります。
墓じまい後のお骨の取扱い
お骨の取扱いはその家庭によって様々で、代表的なものを挙げると以下のようになります。
・新しい墓に移す
・納骨堂に移す
・永代供養墓に移す
・散骨する
・自宅供養にする
こうしてみると、墓じまい後のお骨の取扱いは多種多様であることがわかるでしょう。
お骨をどのようにするのかは、家族や親族で充分に相談のうえ考える必要があります。
また、近年では納骨堂が新しく整備されたり、散骨のプランが豊富になったりと、選択肢の幅が広くなってきています。
新しい情報も参考にしながら、納得できる方法を決めることが、トラブルを招かないためにも大切でしょう。
墓じまいは急増中
日本では、毎年少なくとも7万件以上の墓じまいが行われているという調査結果があります。
近年は様々な事情から増加傾向にあり、今後10万件に到達する可能性もあるほどです。
理由として核家族化や少子化が進んだことや、以前のように「先祖代々でお墓を守っていく」という概念が変化してきていることが挙げられるでしょう。
後継者がいなくて放棄されるお墓も多い
墓じまいをする多くの理由は、お墓の管理が手に負えなくなってきてしまったことと、お墓の後継者がおらず、いずれ管理できなくなるためです。
完全に誰も管理をしなくなってしまったお墓は「無縁墓」といわれ、撤去の際、墓地の管理者が費用を負担しなければなりません。
そのため「無縁墓」は近年、大きな問題となっています。
「無縁墓」になる前に、自分の意思と負担で墓じまいをするというのはとても大切なことです。
墓じまいの費用とトラブルの現状
実際に行われた墓じまいでは、どれぐらいの費用がかかっているのか、どのようなトラブルが目立っているのかを紹介します。
基本の費用の考え方は「普通と一緒+お墓の片付けの費用」
墓じまいの費用は、お墓を更地に戻し、片付ける部分だけが重要ではありません。
お骨を新しいお墓に入れるのかどうかで大きく変わってきます。
墓じまいであっても、新しくお墓を建てたり違うお墓に入るという価格は、新しく亡くなった人が行うものとほぼ変わりありませんので、特別な計算は必要ないでしょう。
お墓を更地に戻すには、1㎡10万円ぐらいが相場といわれています。
更に、お墓からお骨を出すための儀式や離檀料など、墓じまい特有の費用を加えた金額が、必要な金額になります。
お骨の数が増えればそれだけ費用も増えると考えなければなりませんが、最安値で行う場合は、20万円ぐらいからと考えておくといいでしょう。
よくあるトラブルの関係者は親族とお寺
「お墓は代々受け継ぐもの」という考え方は広く認識されていますので、お墓を片付けてしまうことに抵抗感を感じる人も少なくありません。
お墓をどうしたいかの考え方が不一致で、話がまとまらないということは非常に多いです。
特にお墓の後継者との意見が対立は、今後の関係にも影響を及ぼしてしまうことも考えられます。
また、お寺とのトラブルは主に檀家制度です。
お墓を移すということは檀家の関係を解くことに直結してしまいます。
ところが、お骨をお墓から出す際には閉眼供養の儀式などが必要になるため、どうしてもお寺側が交渉の主導権を握っていることが多くなります。
そのため、離檀料を高額設定されてしまうことなどがトラブルとなってしまうのです。
墓じまいの今後は?
墓じまいはこれから先どうなっていくのか、現状を整理することから見えてくることをいくつか紹介します。
費用は最低でも50万円ぐらいは必要
最近では海洋散骨や樹木葬など、お墓に入らないという方式が日本でも増えてきています。
お墓を建てるには、最低でも100万円以上は見積もっておく必要がありますが、納骨堂ではそれほどかからない場合も多く、散骨なら数万円以内で済ませることも可能です。
お骨を取り出してからの方法に費用の差がありますが、まず「墓じまい」にお墓を片付けることは共通ですので、墓を更地にするのに最低でも約20万円、お寺にお布施や離檀ために必要なお金などを含め、50万円ぐらいは見積もっておく必要があるでしょう。
トラブルはなくならない
墓じまいは毎年数万件の単位で行われていますが、トラブルも数多く発生しています。
お墓への考え方の違いや費用の問題など、墓じまいには相談をしないといけない部分が数多くあるため、すれ違いが起きればどうしてもトラブルは発生するものです。
特にトラブルになりやすいのは新しいお墓をどうするのかで、最近では散骨や樹木葬、納骨堂などの選択肢が増えたことが迷う原因にもなると考えられています。
後戻りできない選択もあるのでよく注意を
墓じまいをして、お骨を永代供養墓や散骨にするという選択をする例は珍しくありません。
しかしこういった方法は、後にお墓を建てられるようになったときにお骨を取り出したり回収したりすることが不可能です。
そのことを知らずに進めた場合、後戻りできないというリスクもあります。
そういったリスクが、トラブルの原因のひとつとなっていることも事実でしょう。
墓じまいをするための準備
墓じまいにはトラブルがつきものというイメージを持ってしまう人もいるかもしれませんが、しっかりと準備や話し合いをして納得できれば、墓じまいはとても大きなメリットを生みます。
墓じまいできないまま、お墓の管理ができなくなってしまったとしたら、それが新しいトラブルの原因になってしまうでしょう。
そのため、墓じまいが必要であればしっかりとやりきることが重要です。
トラブルを回避するために、できる準備をいくつか紹介します。
とにかくよく相談を
新しいお墓をどこにどういったものにするか、費用の問題やお寺や業者、親族との話し合いなど、相談が必要な部分は非常にたくさんあります。
しっかり相談をし、皆が納得するためには、時間と体力の余裕を持って行うことが大切でしょう。
後悔しても取り返しがつかないことが多いので、とにかくよく相談することが必要です。
相談する場合には事前知識をしっかりと
相談をしていく以上、お墓の現状や墓じまいの知識が必要になってきます。
相談に関わる人が「どれだけ事前に情報を得てきたか」で話し合いの質は大きく変わってくるので、まずは墓じまいについてよく知ることから始めましょう。
しっかり比較をして選択をすること
墓じまいにはお墓を撤去する業者や、墓地や納骨堂をどこにするのか、どの業者に頼んでお骨を移したり散骨したりするのか、など複数の業者と関わり、また選択することになります。
これらを、一つひとつ吟味していくことで、満足する墓じまいができるでしょう。
比較する際には、実際に現場に赴くことや、顔を合わせて相談するなど、自分の目や耳で感じ取るリアルの情報も重要です。
パンフレットやインターネットサイトは手軽ですが、それだけで決めないようにしましょう。
終活で墓じまいを考えている人への提案
終活を進める中で「自分の入るお墓は、これまで受け継いできたお墓のままでいいのだろうか」と考えることはとても重要なことです。
自分が入る予定のお墓だからこそ、しっかりするべきと考えている人のために、いくつか提案できることを紹介します。
墓じまいの必要性を確認する
墓じまいを考えるにあたって、現状を正確に把握することはとても重要です。
周囲の人を説得するためにも、今の問題点をしっかりと洗い出してから、墓じまいの必要性を説明することが最も効果的だからです。
選択肢をできるだけ多く見ておくこと
せっかく終活の一環で墓じまいを考える機会に出会ったので、納得のいく選択をしておきたいものです。
現代の日本のお墓や埋葬はとても自由度が高く、選択肢が多く確保されているので、一般墓と永代供養墓のように二つのなかだけで考えてしまうのは、とてももったいないです。
海洋散骨や樹木葬のような自然葬に切り替える、最大のチャンスという考え方もでき、実現も可能です。
様々な選択肢を見ておくことで、自分や親族に合った方法が見つけることができるでしょう。
とにかく関係者とよく相談を
墓じまいを成功させるには、お寺や業者、親族など、墓じまいに携わる人すべてに相談することが必要です。
お寺や業者との相談は、電話よりも実際に顔を合わせるほうが有意義になりやすく、新しいお墓の予定地を下見するなどで意見が変わることもあるでしょう。
しっかりとした相談の場を、複数回用意することができれば、トラブルの可能性を大きく減らすことができるでしょう。
まとめ
墓じまいのトラブルは、親族間やお寺や業者との間で起きてしまいます。
親族間では、墓じまい対して理解ができず、反対する人もいるでしょう。
しかし、反対されたまま進めてしまっては、後戻りはできません。
納得してから始められるように、話し合いの場はしっかりと持ちましょう。
お寺の場合は離檀料やお墓を移すことそのものへの意見の食い違いが主で、業者の場合は見積もりの甘さが原因になりやすいです。
お金の問題ですので、しっかりと事前に相談をした上で実行することでトラブルにならないようにしましょう。
墓じまいにかかる費用は、お墓を更地にするのに最低でも約20万円、お寺にお布施や離檀ために必要なお金などを含め、最低50万円ぐらい用意しておく必要があります。
その後は、お骨をどうするかで変わってきますので、墓じまいとその後の費用を考えて用意をしておきましょう。
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