楽しい終活ライフ「定年後の居場所を見つける方法」

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定年後の居場所

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の改正により、定年退職の年齢は65歳にまで引き上げられ、70歳までの雇用も努力義務として課されます。

一方で、60歳以降の就業は本人の希望もくみ取られます。60歳以降をどのように働くか、定年退職後にどのような生活を望むのか、勤め先からもヒアリングされるでしょう。

生活の主体が勤務先から自宅へ変わると、生活のリズムが一変します。何か目標や日課を作らないと、定年退職後に「居場所がなくなった」と寂しさや喪失感を感じてしまう人もいます。定年退職後に精神的なバランスを崩さないためにも、早いうちからリタイア後の準備を進めることが大切です。

家族との距離感を見直す

定年後は大半の時間を自宅で過ごすことになり、家族との時間が大幅に増えます。改めて、家族との距離感を見直しておきましょう。

家族のプライバシーを尊重する

家で過ごす時間が増えると、家族の動向が目に入るため、何かと干渉したくなりがちです。しかし、家族はそれぞれ別の人間関係を築いており、生活のリズムがあります。家族円満のためには、それらのプライバシーを尊重することが大切です。

また、リタイア世代の子どもは、ほとんどが成人している年齢でしょう。子どもと過ごす時間が増えたと思っても、子どもは一人の成人に成長しています。やはり、相手を尊重した対応が必要となります。

一人になれる空間をもつ

自宅では自分の部屋を持ち、一人になれる空間を持つことが理想です。プライバシーとも関連しますが、家のなかで好きなことをして過ごせるスペースがあれば、過度に家族と干渉しあうこともなくなります。

家事を分担する

定年退職後は、家族平等に家事を分担するのが理想です。とくに料理は、先々のことを考えると重要なスキルとなります。

例えば、配偶者が先立ってしまったあとに、全く料理ができないと健康を害する原因になりかねません。自身の生活力を磨くうえでも、家事には積極的に参加しましょう。

自宅以外に居場所を作ることのメリット

定年退職後の過ごし方として、新しい職場を見つけて働く、趣味や勉強を始める、ボランティア活動に参加するなどが考えられます。

退職後の生活については、退職してから考えるのではなく、予め考えておくことをお勧めします。50歳代に入ったころから、今の職場を離れたあとにどのように過ごすかをイメージしておくのが理想です。

新しい職場を見つけて働く

65歳まで働いた後、まだ余力がある人は新しく仕事を始めることも検討するとよいでしょう。

「老後には1000万円が必要」と言われるように、お金の問題は定年退職後もつきまといます。週2日だけ働くなど、緩やかなペースでも収入を得られると安心です。

シニア世代の仕事探しでおすすめなのが、シルバー人材センターです。シルバー人材センターは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織です。市区町村ごとに設置されていて、全国で約70万人が会員登録しています。

センターは企業や自治体などから仕事を請け負い、会員に仕事を割り振ります。会員は月平均で8~10日ほど就業し、約3~5万円ほどの収入を得られるようです。

新しい趣味や勉強を始める

仕事一筋で定年まできてしまった人は、趣味や勉強を始めてみましょう。趣味や勉強で定期的に出かけると生活にメリハリが生まれ、新たな人間関係と居場所を見つけられるはずです。

公民館やカルチャーセンター、社会人向けの講義を行う大学など、シニア向けのサークルや習い事は数多くあります。実際に足を運んで、雰囲気を確かめてみるとよいでしょう。

ボランティア活動に参加する

定年後は町内会や自治体に加わり、地域貢献に励むのも良い時間の過ごし方です。ご近所との一体感が強くなれば、万一のときにも安心です。地域に役立つ活動は、やりがいにもつながるでしょう。

また、現在は地域活動に携わる人も高齢化しており、定年直後であれば若手扱いをしてもらえることもあります。

地域ボランティアの情報は、市区町村のホームページなどでも確認できます。

まとめ

定年退職後の喪失感は誰もが多かれ少なかれ抱くもので、仕事にやりがいを感じていたほどショックは大きくなります。

定年退職後のプランは現役時代から練り始め、できれば具体的な下準備を進めておくとよいでしょう。

大きな環境の変化である定年退職の時期を心身ともに健康に過ごすためにも、積極的に自分の居場所を探しましょう。