意外と知られていない「喪主と親族の間で生じやすいトラブル」について

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喪主と親族間のトラブル

葬儀では親族が一同に会するため、喪主と親族のあいだでトラブルが起こることも珍しくありません。たいていトラブルが起こるのは、喪主よりも親族のほうが年上で、立場が上の状態です。

この記事では、喪主と親族のあいだで起こりがちなトラブルと、注意点について解説していきます。

葬儀費用に関するトラブル

葬儀は喪主が費用を負担し、葬儀の内容についても決定権を持つのが一般的です。ただし、喪主が一人で費用を全額負担するのが難しい場合、兄弟や親族で分担することもあります。

葬儀の費用を分担する際、誰がどの程度を負担するのかなどで揉めることがあります。金銭に関するトラブルは揉めやすく、後々まで尾を引くことも多いものです。

また、費用を分担することで、葬儀の内容に関して兄弟や親族からも意見が出しやすくなり、方針が割れやすくなります。

どの程度の規模・内容の葬儀にするかなどは、事前に親族と話し合いを済ませておき、了解を得ておく必要があります。

喪主自身に葬儀へのこだわりがない場合、お金を出すだけと割り切り、葬儀に詳しい親族に任せるのも方法のひとつです。ただ、昨今は葬儀のかたちの変容が激しいため、昔ながらの葬儀に精通しているだけでは「葬儀に詳しい」といえないので注意しましょう。

自身の葬儀について考える場合は、葬儀で喪主と親族が揉めないように、遺言書やエンディングノートで葬儀の内容や規模を指定しておくのも良い方法です。

最新の葬儀形式でのトラブル

近年、葬儀はめざましく多様化しており、オリジナル形式での葬儀や儀式を簡略化する葬儀が増えています。

例えばオリジナルの葬儀では、明るい雰囲気のなかで故人を見送り、立食パーティー形式をとることもあります。また、儀式を省略して火葬場へ向かう直葬なども一般的となっています。

親族のなかにはこうした形式に抵抗を感じる人もおり、トラブルになるケースがあります。また、小規模の葬儀を執り行う際、葬儀に呼ばれなかった親族から抗議があがることもあります。

自身の葬儀を新しい形式で執り行う場合、事前に喪主や親族から了承を得ておきましょう。不謹慎だと思われないよう、自身の意図を伝えて納得してもらうことが大切です。

また、葬儀に呼ばない親族がいる場合、事前に了承を得ておくとトラブルが避けられます。故人の訃報だけは伝え、その際に香典やメッセージだけを受け取るかたちにするなど、事前の取り決めを固めておくことで後々のトラブルを防ぎましょう。

親族の序列に関するトラブル

葬儀では、親族の序列のようなものが表面的になる場面があります。焼香の順番や会食での席順などで食い違いがあり、喪主と親族のあいだで不和が生じる可能性があります。

続柄だけで判断できないこともあるので、喪主ひとりで判断できない場合は、年長の親族に意見を仰ぐことも必要でしょう。

葬儀の風習や慣習の違いによるトラブル

葬儀は地域ごとに風習やルールが異なります。全国各地から親族が集まる場合、葬儀の内容や進め方でちょっとしたトラブルになることがあります。

例えば、通夜で遺体に一晩付き添う夜伽の作法や、焼香の手順などは地域によって異なります。親族から「そのやり方は違う」と指摘される可能性もあり、トラブルのもとになります。

一般的には、葬儀を行う地域の風習に従いましょう。ただ、年長の親族から指摘が出た場合は、受け入れるほうが丸く収まることもあります。

終活として自身の葬儀について考える際、このようなトラブルが想定されるのであれば、細かく希望を残しておくと、喪主も「故人の意思」と言い切ることができて安心です。

まとめ

喪主がひとりで何もかも負担しようとして頑なになると、他の親族の反感を買うことがあります。

ひとりで判断できないことがあれば、周りの親族に相談してみましょう。年長の親族が年下の喪主を見守る構図こそが理想的といえるでしょう。親族同士でトラブルが起きないよう、折り合いをつけながら葬儀を進めることが大切です。