遺骨を郵送することは違法か
遺骨を郵送を禁止する法律はありません。つまり、合法の行為です。
お墓や供養などについて定める「墓地、埋葬等に関する法律」では、お墓自体の移動は行政への届け出が必要ですが、遺骨の移動についての規制はありません。
遺骨の輸送方法について
現在、日本郵便のゆうパックのみが遺骨の郵送に対応しています。一般の宅配業者の場合、配達中の破損や紛失の危険などから受け付けてもらえないのが現状です。
ゆうパックで遺骨を郵送する際にかかる料金は通常の計算と同じで、重さやサイズ、距離などによって決まります。詳細は、ゆうパックの利用案内などで確認してください。
自分で遺骨を運ぶ
自分で遺骨を運ぶ際は、公共交通機関や自動車などで運ぶことになるでしょう。遺骨の持ち運びについても法律での規制はなく、公共交通機関でも遺骨を持っての乗車は特段禁止されていません。
ただ、周囲への配慮として、明らかに骨壷と分かる状態のまま移動することは避けましょう。
送骨代行業者への依頼
送骨サービスとは、墓地などに遺骨を郵送して、そのまま埋葬をお願いするサービスです。ただ、請け負ってくれる霊園の数はまだ少ないので、利用の際は対応してくれる墓地から探すことになるでしょう。
申し込み後は、送骨キットが送られてくる場合と、一から自身で梱包する場合があります。梱包後は、ゆうパックでの発送となります。
海外間での遺骨の移送
遺骨の海外への輸送は、ゆうパックでもできません。国境を越えて遺骨を移動させたい場合は、自身または代行者へ頼み、直接持ち運んでいくしかありません。
飛行機内への持ち込みに関しては、国内便と同じで禁止されていません。しかし、持ち込む国によって手続きが必要な場合があります。必要な書類やルールが国ごとに定められているので、事前に確認が必要です。
例えば、外務省にて認証された死亡診断書の記載事項証明書や火葬許可証などが必要になる場合があります。
郵送するときの遺骨の梱包方法
骨壺を郵送する際にほかの郵送物と異なるのは、骨壺に水が溜まっていないかどうかの確認です。
骨壺はカロートというお墓の下に納骨されていることが多いため、結露によって水が溜まっている場合があります。郵送の前には、風通しのよい場所で乾燥させて水分を取り除きましょう。
あとは、骨壺が郵送中に割れないようにしっかりと緩衝材を入れて保護します。また、お寺などへ郵送する際は、埋葬許可証なども忘れずに添付しましょう。
必要な梱包資材
・段ボール
・クッション材(新聞紙やタオルなどでも代用できます)
・布ガムテープ(紙テープは耐久性弱いため)
・ゆうパック伝票、壊れ物シール、天地シール
梱包方法
・蓋の上部にガムテープを貼り、故人名を書きます。
・骨壺の蓋の周りをガムテープで巻きます。
・骨箱と骨壺の間にクッション材を詰めます。
・段ボールの底にクッション材を敷き詰めます。
・クッション材で上部を覆って段ボールを閉めます。
・ゆうパック伝票、壊れ物シール、天地シールを貼ります。
※品名の欄には「遺骨」と書いても問題はありません。
まとめ
超高齢社会になったことで、喪主の高齢化も進んでいます。健康上の問題や、お墓が遠方にあるといった事情から、葬儀後に遺骨を自分で運べないで困っている方も少しずつ増えています。
遺骨は意外と重いものです。改葬によって、何体も遺骨を運ぶことになった際、年齢的に車の運転もできず、途方に暮れてしまうことも少なからず起こり得るでしょう。
遺骨の郵送は法的にも問題なく、郵送を受け付けてそのまま埋葬してくれる墓地も増えてきています。どうしても自分で運べないという場合は、無理せずに郵送を行いましょう。