意外と知らない弔問時のマナーについて

葬儀・仏事

弔問とは

弔問とは、亡くなった方の元に参じてお悔やみを述べ、弔意を示すことです。ただし、業者や寺院などのサポートで段取りが決められている通夜や告別式とは違い、家庭への訪問は遺族に負担をかけることがあります。弔問をする前に、どのようなかたちで弔意を表すのが良いか、遺族の立場で考えることが必要です。

弔問のタイミングは故人との関係性によって変わります。近親者であれば家族から訃報を受けたら、できるだけ早く駆けつけますが、あくまでも遺族と連絡を取った上で行います。健康上の理由や用事のためどうしても通夜葬儀に参列できなかった場合には、葬儀後に自宅へ弔問することもあります。遺族は弔問客を迎える準備が必要となるため、事前に遺族へ連絡を取ってから伺うようにします。葬儀後に弔問するタイミングは、葬儀終了後3日以降~四十九日頃までが良いでしょう。

通夜前の訪問

通夜前の弔問は、親族のほか親しい友人、親密な付き合いをしていた近所の人などが行います。ただし故人の家族は通夜前は家族だけで最後の時間を過ごしたいと思っている場合もありますし、通夜の段取りで忙しいこともあるので、無理に弔問を行わないようにしましょう。行う場合は遺族の承諾のもと行います。通夜前の訪問でのマナーは以下の通りです。

弔問する際の服装

通夜前の弔問の際には喪服ではなく平服を着用します。通夜前に喪服で自宅を訪問してしまうと、事前に故人が亡くなることを予想していたと遺族の方に思われてしまう心配があるからです。平服でも地味な平服を着用してください。髪型やメイクについても服装同様に地味なセットにしておく必要があります。香水などはつけないようにし、口紅やマニキュアに濃い赤色を使用しないようにします。

弔問する際の持ち物

通夜前に弔問をする際には、香典や手土産は不要とされています。香典に関しては通夜や葬儀の際にお渡しするので、通夜前の弔問の際には持参しません。通夜前の弔問時に香典を渡してしまうと、前もって用意をしていたと思われてしまい失礼になるからです。手土産も基本的には持参する必要が無いのですが、故人へのお供え物を持って行くことに関して問題はありません。故人が生前好んでいた果物やお菓子、お花などが良いでしょう。また、親族の方が亡くなった場合などは、弔問に伺った際に通夜や葬儀の手伝いをする場合があります。そういった場合はエプロンを持参しておくといいでしょう。

お悔やみの言葉

通夜前に弔問をする際には、玄関で遺族の方にお悔やみの言葉を述べます。近親者ですのでお悔やみの言葉を述べる際には、端的に自分の気持ちを伝えるようにします。遺族の方を気遣った内容を述べるようにします。

遺族に勧められたら線香を上げる

遺族の方から線香を上げるよう勧められたら自宅に上がらせてもらい、線香を上げるようにします。自分から線香を上げさせてもらいたいと希望することは控えるようにします。

故人と対面する際の注意

遺族に誘導されたら故人との対面を行います。その場で死因を聞くことや、昔話を始めるのはNGです。故人と対面する際は、まず故人の枕元に正座で座り、両手をついて一礼します。遺族の方が故人の顔にかけられている布を取るので、故人の顔を見て一礼をし、合掌してください。顔にかけられた布を自分で取ってはいけません。合掌をしたのち、少し下がり遺族の方に一礼をします。

葬儀後の弔問

葬儀に参加できず、その後になって訃報を知った場合は、33日程度後から四十九日の法要までに弔問を済ませます。その頃までなら、遺族の方も弔問客が来ることを想定しているからです。ただし、葬儀の直後の2〜3日は遺族が疲れていることも多いので避けましょう。遺族に事前に連絡をして、弔問の日時や故人との関係などを伝えておきます。マナーは以下の通りです。

弔問する際の服装

弔問の際の服装は、派手さのない平服で問題ありません。喪服の場合でも略礼装に留めます。あまりに畏まった服装は葬儀を連想させ、遺族に負担を与える可能性があるからです。

弔問する際の持ち物

香典は、事前に送っていない場合は弔問に合わせて持参します。既に送っている場合は、あらためて持っていく必要はありません。供物は花や菓子折りが無難です。花の場合は白を基調としてください。

お悔やみの言葉

通夜や葬儀に参列できなかったことをお詫びし、お悔やみの言葉を述べます。注意点は次のようなものです。

・お悔やみの言葉は短く述べる。
多くのことを伝えたくなる気持ちはわかりますが、なるべく簡単に伝えるようにしてください。

・遺族の心に寄り添う表現を使用する。
弔問は遺族を慰め、いたわる場です。決して遺族に不快な思いをさせてはいけません。遺族の立場になり、心に寄り添う表現に気を付けます。

・お悔やみの言葉の一例
基本的な言葉の一例としては「このたびはご愁傷さまでございます」というものです。これに加え「心からお悔やみ申し上げます」と述べます。この他に「どうか気をしっかりとお持ちください」など、遺族の支えとなる言葉を述べる場合もあります。遺族との関係性も考慮しながら言葉を選ぶようにしてください。

遺族の承諾を受けて焼香する

遺族から誘導されご霊前に通されたら、仏壇の前でお線香をあげて合掌します。

故人と対面する

故人と対面するする際は、仏壇の前に正座して一礼し、次いで遺族に一礼、さらに遺影に一礼します。線香はろうそくで火を付け、手で消します。息で消すのはマナー違反です。お鈴は読経の際に使うものなので鳴らす必要はありません。最後に遺影と遺族に一礼します。香典や供物がある場合は遺族に渡します。

相手の宗教に配慮する

弔問に伺う相手の宗教によっても、お悔やみの際に使う言葉、避けるべき言葉は異なります。例えばよく使われる「ご冥福をお祈りいたします」という言葉ですが「冥福」という言葉は仏式以外では使われません。それとは反対に「天国」という言葉は仏式では使いません。相手の宗教が神道だった場合「御霊のご平安をお祈り申し上げます」と伝えたりします。キリスト教の場合は「安らかに眠られますようお祈りいたします」などと述べます。

まとめ

通夜前の場合、近親者であれば家族から亡くなった知らせを受けたら、できるだけ早く弔問に駆けつけますが、あくまでも遺族に連絡をした上で行います。通夜葬儀に参列できなかった場合には、葬儀終了後3日以降~四十九日頃までに弔問しましょう。

弔問の際には喪服ではなく平服を着用します。その際はお悔やみの言葉、焼香の仕方、故人との対面の仕方などのマナーに気をつけてください。

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