お墓掃除と墓石のクリーニングについて

お墓

お墓掃除と墓石のクリーニングについて

お墓を掃除する箇所は、敷地内、墓石、外柵、部材です。墓地の清掃は、通路など共用部分は霊園や寺院でやってくれますが、敷地の専用部分は自分でやらなければなりません。手間はかかりますが墓守の大切な役割なので、しっかりと行いましょう。
また、回忌法要であれば住職にお経をあげてもらい、近親者も呼ぶ必要もあるので、お墓はきれいにしておく必要があります。

敷地内の掃除

お墓の掃除は敷地内の掃除から始まります。
どうしても重労働になりがちなので、怪我や脱水症状には気をつけましょう。

雑草取り

敷地内の掃除ですが、まず雑草などが生えたままになっていないかを見ます。雑草が生い茂ってしまうと作業が大変になります。
事前に軍手や鎌などを用意しておくと効率的に行えます。

木の剪定

墓地の敷地に広く木を植えられている場合もあります。また背の低い灌木を植えている場合もあります。剪定が必要になる場合もあり、植木鋏や小型ののこぎりを用意し、邪魔になりそうな部分を剪定します。

玉砂利の洗い

雑草が生えづらくなるように玉砂利をひかれている方もいらっしゃいますが、玉砂利自体が泥や苔などが付いて汚くなってしまうことがあります。その場合は玉砂利を洗わなくてはなりません。霊園やお寺のバケツを借りて水を入れ、中に玉砂利を入れ、タワシなどで玉砂利をこすって汚れを落とします。玉砂利が多いとかなりの大仕事になります。服が汚れないようにゴム手袋やエプロンなどもあった方が良いでしょう。

掃き掃除

敷地内掃除の最後に掃き掃除をします。霊園やお寺のほうきと、ちり取りを借りて行います。落ちている木の枯葉も取りましょう。

敷地内の掃除用具

以下のような道具を持っていけば、掃除がスムーズです。
全て必要という訳ではないですが、今後も定期的にお墓掃除を行うのであれば、用意しておくと非常に便利です。

軍手

敷地内の草抜きをする際、手が汚れてもいいように軍手を使います。怪我をしないためという意味もあります。

ゴミ袋

草抜きした草やごみを入れて持ち帰るゴミ袋が必要です。

ほうき・ちりとり

落ち葉やごみを掃くのに使用します。多くの場合、霊園、寺院墓地で借りることもできるでしょう。

木の剪定のはさみ

敷地内に木がある場合に用意します。

虫よけの道具

夏季には墓地内には蚊などの虫がたくさんいます。香取線香や虫よけスプレーなどを持参します。

墓石のクリーニング

墓石は屋外で風雨にさらされているため、いろいろな汚れが発生します。これらの汚れを放置すると、蓄積して取りにくくなります。

水垢や黒ずみによる汚れ

水分の多い場所、とくに水鉢や花立は水を直接入れますので水垢ができやすくなります。また花立には生花を生けますので、花が傷んで細菌などが繫殖することで、ぬるぬるとした黒ずみになったりします。

塵やほこりの蓄積による汚れ

墓石の印字彫刻された溝部分や石の継ぎ目などには、塵やほこり、花粉、粉状の細かいゴミなどが入り込み、それらが雨などによって水分を含んで固まってしまうことがあります。除去しにくい汚れです。

カビやコケによる汚れ

日当たりや風通しの悪い場所などにお墓が建っている場合、コケやカビが生えやすくなります。カビは石を傷めることにもなります。

シミによる汚れ

墓石にシミができてしまう場合があります。例えばお供え物としてお酒やお茶やジュースなどを墓石にかけてお参りすると、場合によりシミになることがあります。墓石には洗剤の使用は避けるのが基本ですが、場合により必要になってきます。

経年劣化による汚れ

年数が経てば墓石はどんどん劣化していきます。どんなに硬くて丈夫な天然石でも、長期間屋外で風雨にさらされ続ければ、傷んできてしまうのは致し方のないことです。これは簡単には取れません。

墓石掃除の道具

墓石の掃除の基本は水拭きです。水で落ちない頑固な汚れ以外は一般的には洗剤は使わない方が良いでしょう。用意する道具は以下の通りです。

雑巾

お墓の掃除に欠かせないものです。古くなったタオルでも構いません。雑巾に水を含ませてかたく絞ってから、墓石を水拭きしていきます。全体を上から下に向かって拭きおろしていきます。なお、雑巾は2枚以上必要です。2回拭きとし2回目はきれいな布、雑巾で水拭きします。

石が重なった狭い部分や、水鉢、花立、香炉など、細かい部分には、雑巾の角の部分を利用して拭いてください。手の届きにくい端っこは、汚れもたまりやすい部分になりますので、念入りに拭き取るようにします。

スポンジ・ブラシ

墓石の汚れをふき取るのに雑巾の水拭きだけでは落ちにくい場合には、スポンジやブラシに水を付けてこすり、汚れを取ります。墓石の字を彫った部分、石の継ぎ目の部分、目地部分などに汚れが溜まりやすいので念入りに掃除しましょう。

タオル

墓石は最後に乾いたタオルで乾拭きします。

バケツまたは桶、ひしゃく

霊園、寺院墓地で借ります。バケツまたは桶は水を溜めるために必要です。また掃除が終わったあと、ひしゃくできれいな水を墓石にかけます。

軍手、ゴム手袋

石の角がとがっている場合や石が滑る場合は軍手があったほうが安全です。また、バケツに雑巾を入れて絞ったりするのでゴム手袋があった方が良い場合もあります。正月など寒い時期はゴム手袋があると作業がしやすいでしょう。

洗剤

ホームセンター等に墓石用の洗剤も販売されていますが、汚れの種類や石材の種類によって適する洗剤が異なります。頑固な汚れは家庭用の住まいの洗剤で汚れは落ちますが、石の表面には「細孔」と呼ばれる目には見えないほどの小さな穴が開いていて、そこから石の内部に汚れがしみ込む恐れもあります。基本的には水拭きで洗剤は使わないのが望ましいです。

墓石のクリーニングをするタイミング

お墓掃除はお盆やお彼岸、お正月、故人の命日など、お墓参りのタイミングで行います。ただしお墓掃除をしたくても忙しくてできない、遠方でなかなかいけない人のためにお墓掃除の代行サービスもあります。主に、石材店等が行っています。

特に墓石が古くなって石の割れ、キズ、傾きなどがある場合は石材店に相談してみる必要があります。墓石清掃の代行業者の費用は、簡易清掃で1万円〜2万円程度です。汚れがひどい場合や石が古くなって補修が必要な場合は高くなります。

最近ではお墓を守る人が少なくなってきて、定期的にお墓参りをしてお墓の掃除をするのも簡単ではなくなってきています。また、お墓を守る人がいなくなくなってきたため、都市部では特に納骨堂や樹木葬が増えてきています。そのため、お墓の掃除や墓石のクリーニング自体は今後少なくなっていく可能性があります。

まとめ

お墓で掃除する箇所は、敷地内、墓石、外柵、部材です。雑草取り、木の剪定、玉砂利の洗い、掃き掃除をしたら、墓石の汚れを取ります。墓石にはできるだけ洗剤を使わないようにしましょう。

お墓がきれいになれば、ご先祖も喜び自分の心も洗われます。お墓参りに行く予定があれば、ぜひ心を込めてしっかり掃除をしてください。もしなかなかお墓参りに行けない状況であれば、石材店などお墓清掃の代行をしてくれるところに頼んでも良いでしょう。

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