マンション暮らしでの仏壇選びと置き方について

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マンション暮らしでの仏壇の選び方

都市部の住宅は、マンションが多くなっています。マンションの場合、戸建住宅と比べてスペースが狭いため、仏壇を置きたくても置けない人もいるでしょう。
これは核家族化傾向と共にマンション住まいが多くなった現状に、仏壇の様式が追い着いていなかったことが理由です。
しかし近年、コンパクトな仏壇が数多く販売されるようになりました。ここではマンション暮らしでも困らない仏壇の選び方と仏壇の置き方について紹介します。
マンションに仏壇を置く場合、一番に考えなければいけないのはスペースの問題です。
マンション暮らしでは、家具や家電品を購入する際には、それが置かれる空間とのサイズや全体の調和を考えることが重要ですが、仏壇においても同様の配慮が必要です。

マンションにオススメの仏壇

マンションに適したタイプの仏壇には、次のようなものがあります。

小型仏壇

マンションに仏壇を置く場合、スペースを取らない小型仏壇がおすすめです。だいたい高さ50cm以内で女性が一人で持ち運べる程度の重さを小型仏壇としているメーカーがほとんどです。ミニ仏壇はさらに小さいものになります。

モダン仏壇

モダン仏壇とは、洋室のインテリアに調和するようなデザインの仏壇です。
洋風の家具のような色やデザインになっており、大きさは和風の仏壇と同じく大きなものから小さなものまで、さまざまです。扉を閉めた状態だと一見しただけでは仏壇と分からないデザインになっているため、洋室に置いても違和感がありません。

豊富なカラーバリエーションがあるのも魅力です。仏壇なのでダークブラウンやブラックといったベーシックな色合いが主流ではあるものの、最近では明るい色合いの仏壇も増え、好みに合わせて選ぶことができます。ホワイトの仏壇などは部屋が明るく見えると人気があります。

壁掛け仏壇

壁掛け仏壇とは、壁に設置するタイプの仏壇です。モダン仏壇のように洋風のインテリアに調和するものが多く、サイズは小型仏壇程度のものが多いのが特徴です。壁に掛ける位置を変えるだけなので、省スペースです。高さが薄い、箱型タイプで扉が付いているタイプが人気です。扉を開けると仏像やお位牌が収まっている形になるので、拝む時は扉を開けて使用します。工事なしで簡易的に取り付けられるものもあります。

上置き仏壇

上置き仏壇とは、家具などの上に置くことを前提に作られた小型の仏壇です。デザイン性も高く大きさも35cm位から様々なタイプがあります。小型仏壇との違いは曖昧ですが、小型仏壇は簡素なデザインが多いのに対し、上置き仏壇は凝ったデザインが多いのが特徴です。和風から洋風まで幅広いデザインのものがあるため、和室にも洋室にも調和し、置く場所を選びません。小型仏壇と同様に持ち運びも楽です。上置き仏壇は小型仏壇の1種と言って良いでしょう。

細身の床置き仏壇

床に置くタイプですが従来の仏壇のイメージとは違い、デザイン性に特化した仏壇が人気です。マンション用に細身の省スペース設計のものもあります。外観は細長くスマートでも、収納スペースはゆったりと収めることができる、広い空間設計の仏壇が主流です。

マンションに仏壇を置く場合の注意点

マンションでの仏壇を置く場合、仏壇が置けそうな和室があれば問題ありませんが、洋室しかない場合も多く、都合のよい部屋が必ずあるわけではありません。仏壇を洋室に置く場合は、部屋のインテリアとの調和を意識する必要があります。

置くのに適した場所・適さない場所

仏壇を置くのに適さないのは、直射日光の当たる場所や湿気の多い部屋です。仏壇は基本的に木製なので、木製品の保存に適さない場所には置かない方がよいでしょう。マンションでは客間がないことが多いと思いますが、一番適しているのは居間です。居間は家族が集まる場所なので、ご先祖様に見守っていただくのも良いでしょう。

仏壇の高さに注意

仏壇を置く際に注意しなければならないことのひとtつに、仏壇の高さにあります。仏壇には本尊を置きます。本尊とは仏教の信仰対象であり、仏壇の中央に置かれるものですが、この仏壇の本尊を見下さないようにするために、目線よりやや上ぐらいの高さに仏壇の位置を調整する必要があります。特に小型の仏壇の場合は、低い位置に置いてしまうと本尊を見下してしまう可能性があるので注意してください。

インテリアとの兼ね合いも考える。

仏壇を置く場合は、インテリアとの兼ね合いも考えなければいけません。最近はさまざまなデザインの仏壇が販売されており、洋室のインテリアに調和する仏壇もあります。

仏壇の寸法を検討する。

仏壇を置く際に最も重要なのは寸法です。置き場所が決まったら、そこに合わせた仏壇の寸法を考えて選ぶ必要があります。仏壇の寸法を選ぶ際には扉の寸法にも注意して選びましょう。仏壇の扉は「前開き(扉が観音開き)」と「三方開き(扉が二重になっており、一度開いた後でさらに扉を左右に広げられる)」の2種類があります。三方開きの仏壇は大型のものが多いためマンションに置くのには適していません。

仏壇の向きは宗派で違う。

仏壇の向きや仏具の飾り方は、宗派によって違います。仏壇の向きに関しては諸説ありますが、現在は南向き(南面北座)説と東向き(東面西座説)説の2つが基本になっています。宗派による向きの違いは以下の通りです。

・南向き(南面北座)の宗派
曹洞宗、臨済宗など

・東向き(東面西座説)の宗派
浄土真宗(西でも構わない)、浄土宗、天台宗など

・例外的な向きの宗派
真言宗(総本山に仏壇を向ける)

仏壇の今後

最近では仏壇のない家庭が増えています。核家族化が進んだことで、特に都市部では仏壇を置いていないケースは珍しくありません。仏壇を自宅に置かない主な理由は、置くスペースを確保するのが難しいということです。マンションの場合には特にその傾向が強いでしょう。マンション暮らしでは、仏壇を置きたくても置けないことがあります。今後もその傾向は続くでしょう。

仏壇は必ず置かなければならないというわけではありませんが、できる限り置くのが望ましいと言えます。仏壇を自宅に置く主な目的は、日常的に先祖のことを思い出すきっかけを作ることにあります。子どもたちには、先祖がいたからこそ今ここに自分がいるということを伝えられるでしょう。祖父母など生前に何度も会っている親族が亡くなった場合には、仏壇があることで故人を偲ぶことができます。

まとめ

マンションで仏壇を置くことを諦めていた方も、現在販売されている仏壇を調べてみてください。小型のものや洋風デザインのものがたくさんあるので、思っているよりも部屋の雰囲気を壊さないことがわかるはずです。価格も安いものでは1万円を下回るものもあります。

もちろん無理に仏壇を置く必要はありません。供養する心があることが一番なので、仏壇の有無は関係ないとも言えます。ですが先祖を供養する気持ちの現れとして、仏壇があると心の拠り所になります。形は心を支えるものでもあるのです。