エンディングノートは遺言書の代わりになるの?

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エンディングノートと遺言書の違いとは?

終活に欠かせないものである「エンディングノート」

エンディングノートは、遺言書と共に重要な役割を持っていますが、どこまで効力があるのでしょうか?
遺言書の代わりとなるのか、同じ効力をもつのか、それらを知ったうえでエンディングノートを作成していくことが、トラブルを起こさないためにも大切になります。

ここではエンディングノートの効果や効力、遺言書との違い、エンディングノートのメリットについて解説していきます。

エンディングノートと遺言書の特徴

最初に、エンディングノートと遺言書のそれぞれが持つ特徴をみていきます。

「終活」という言葉が社会的に広く認知されるようになる以前、故人の意志を書き残す手段としては、遺言書が一般的なものとされていました。
しかし、遺言書を書き残すという行為にはどこか硬いイメージがあり、思いついたらすぐに書くという気安さは感じられません。

これに対して、エンディングノートは「作成したいと思ったその日から始められる」という受け入れやすさや「誰でも作成できる」という幅の広さがあります。

このような違いが出ている背景には、それぞれが持つ特徴の違いが関係しています。

終活を行ううえで知っておくと良い、それぞれの特徴を見ていきましょう。

エンディングノートの特徴

エンディングノートの特徴としては以下の点が挙げられます。

  • ①多くの種類の中から自分の好みでエンディングノートを作ることが出来る。
  • ②決まりがなく、好きなように書いて良い。
  • ③費用があまりかからない。

エンディングノートは、自身の気持ちや思い出、死後の事務手続きなどについての希望を書き残し、残された家族の負担を軽減するという役割を持っています。
実際に、エンディングノートを受け取った家族の中には、亡くなった人の心が詰まった宝物として大切に保管されている人も少なくありません。

また、エンディングノートに書くことは自由なため、その内容に悩む人は専用のエンディングノートを購入することをおすすめします。
しかし、基本的にはお手元にある紙やノート、パソコンの文書作成などを利用して書くことが可能なので、費用はそれほどかからないのが特徴です。

終活ライフでも、無料でエンディングノートを書くことができます。
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遺言書の特徴

遺言書の特徴としては、以下の点が挙げられます。

  • ①遺言書を書く場合には法律に従った方法で書かなくてはならない。
  • ②内容は主に遺産相続になる。
  • ③遺言書として認められるためには費用がかかる。

遺言書の最大の目的は、財産に関することについてであり、残された家族にはっきりとした意志を残すことです。
そのため、その意志をより確実なものにするためには、法律に従った内容で遺言書を作る必要があり、詳細な部分まで決まりがあるのが特徴です。

さらに遺言書と正式に認められるには、公証役場の公証人や家庭裁判所の判断が必要となり、相続対象となる金額によっては高額な費用がかかることもあります。

残された家族の負担を減らすという点では、エンディングノートと変わらないことから混同されやすいですが、その特徴を理解しておかないと用意した遺言書が無効となるので注意が必要です。

エンディングノートと遺言書の効力の違い

エンディングノートと遺言書の効力の違いはどのようなものなのでしょうか。

「残された家族の負担を減らす」という点においては、同じと考えられているエンディングノートと遺言書ですが、実はその効力には大きな違いがあるのです。
それぞれの効力について理解を深めておくと、終活において自身が一番良いと思える方法を選ぶうえでの手助けにもなると言えるでしょう。

それでは、エンディングノートと遺言書、それぞれの持つ効力の違いについてみていきます。

エンディングノートの効力

まずはエンディングノートの効力についてです。

エンディングノートを用意することで以下のような効力を得ることが出来ます。

  • ①ご自身の思い出を記すことで気持ちが前向きになる。
  • ②残された家族の気持ちを癒す。
  • ③遺産整理や事務手続きがスムーズに行える。
  • ④意思疎通が困難になったときに備えて、終末期の医療や死後の希望を書き残せる。

残された家族にとって、大切な人を亡くした悲しみを癒す間もなく、多くの手続きを行うことは大きな負担です。
無理をして様々な手続きに動いたため、心身ともに疲れて体調を崩される人も少なくないでしょう。

また亡くなる前であっても、認知症などにより本人の意思確認が取れないことも考えられます。
延命治療の有無や臓器提供についての判断をしなければならない場合、家族間や親族間で意見が分かれることがあるでしょう。
特に、延命治療はその人によって考え方が様々です。

法的な効力こそ持たないものの、このようなときに効果を発揮するのがエンディングノートです。

エンディングノートに自身の考えや各種手続きの処理について記載がされていると、ご家族での話し合いもスムーズにまとまることが多く、その分負担が軽減されます。

もし可能であれば、エンディングノートにはっきりと記載する前に、家族に確認を取るようにして、もしものときにより効果的にエンディングノートを活用できるように準備しておくと良いでしょう。

遺言書の効力

続いて遺言書の効力についてです。

遺言書がその効力を最大に発揮するのは、法的効力を必要とする場合です。
遺言書は法律で定められていることから、万が一親族間で争うことがあっても法律で認められた遺言書の内容に従わなくてはならないため、解決に至るでしょう。

特に遺産相続に関する項目については、遺言書を残しておくことで親族間の争いごとがなくなることが期待されるのです。

遺言書を作成しておくことで、以下のような効力を得ることができます。

  • ①親族間の争いを法的に処理することが出来る。
  • ②会社の引継ぎや相続をスムーズに行える。
  • ③法的に守られた遺言書で家族の負担を減らすことが出来る。
  • ④万が一のときに弁護士に相談しやすい。

遺産を相続するのは、基本的に法定相続人と呼ばれる法律で定められた近親者です。

もし遺言書が残されていない場合には、法律に則った配分率で遺産を相続することになります。
しかし、この配分について何か考えるところがあるときには、より確実に意志を尊重してもらうために遺言書を残しておく必要があります。

「争族」という言葉を生み出すほど、遺産相続に関する争いは年々増加していますので、遺言書の持つ効力を上手に利用してこれらの不安を和らげることが望ましいでしょう。

エンディングノートのメリット

ここまでエンディングノートと遺言書を比較してきましたが、それではエンディングノートにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

終活を先導してくれる存在

エンディングノート自体は、名前は聞くようになったものの、まだ広がり始めたばかりの新しいものです。
そのため、エンディングノートによって記載する内容が違っているのが現状です。

その中でも、必ず記載する項目は「財産」と「お墓」そして「葬儀」が挙げられます。
これらは、もしものことがあったとき、残された人が最も困惑し、揉める原因とされる内容だからでしょう。

「財産」「お墓」「葬儀」について書き残しておくことが、家族が困ることなくスムーズに手続きを行うことにつながります。

また、多くのエンディングノートの項目で加えられているのが「介護」です。
認知症となり自分の意思が伝えられない場合を考え、書き残しておくことが必要とされています。

現在の自分の状況(アレルギーや持病など)のほか、希望の治療や延命措置の希望の有無なども書き添えられます。
もしも、思うように意志を伝えられない事態が起きても自分の希望する治療が受けられ、家族や医師への負担も減らせるでしょう。

抜ける箇所なく伝達事項を整理できる

エンディングノートがなくても、終活は進められますが「形見分けリストを書いていなかった」など、後々細かいことに気づくことがあるかもしれません。
それほど、一口に終活と言っても、伝えるべきことや解消する事柄が数多くあるということです。

財産の記録ひとつにしても、預貯金や不動産、金融資産はもちろんのこと、保険や年金保険、家に置いてある貴金属まで細かく記載しておくことが大切になります。
そうすることで、自身にも悔いが残らず、また残された家族の負担を減らせることがメリットでしょう。

気軽に書き進められるのがエンディングノート

エンディングノートは「暮らしの覚え書き」とも言えます。
あまりに忙しくて忘れがちな日々を送っている場合には、自分自身が見ても役立つノートになるものです。

それだけに、思っているよりも書いてみると敷居が低いことに気づきます。
さらに、今までの人生を振り返ることで、これからの人生を見つめなおすきっかけにもなるでしょう。

そしてもうひとつ、エンディングノートに気軽に書き込める理由があります。

残された家族が事務的手続きなどをするときに、とても便利なエンディングノートですが、遺言書のような法的効力はありません。
だからこそその反対に、気軽に今の自分の気持ちやメッセージを、思うまま自由に書くことができるのです。

財産分配の理由を細かく伝えることが出来る

人が亡くなるとトラブルが多発すると考えられるのが、財産分与、つまり相続問題です。

「財産は持ち家のみ」という人も多く「持ち家ひとつだから、さほど揉めないだろう」と高をくくっていると「実は違った」という事例が意外と多いのです。

相続の場面で法的効力を発揮するのは遺言書ですが、この遺言書の内容に納得できない遺族も中にはいるかも知れません。
そのようなときのために、それぞれの家族に対してエンディングノートで細かく、財産分配が決まるまでの過程や理由を、本人の直筆で残すことが出来ます。

相続でのトラブルの多くは「不平等感」でしょう。
その「不平等感」が原因で、親族間の関係に大きな影響を与えることも考えられます。
「不平等感」には感情的な部分が大きいので、過程や理由を納得することでトラブルが解消される場合もあります。

そのため、財産分配に関しては遺言書に法的効力を発揮することを書き、そのいきさつや理由をエンディングノートに記載すると誤解やトラブルを回避できるでしょう。

まとめ

ここまでエンディングノートと遺言書の違いや、エンディングノートのメリットをいくつか挙げてきました。

自分が亡くなった後、何をメッセージとして残しておくべきかを考えさせられるでしょう。

エンディングノートは気軽に書くことができ、自分の思いを伝えることはできますが、法的効力はないため遺言書の代わりにはならないということです。
財産分配などの法的効力が必要なものは、エンディングノートには記載せずに、遺言書として公証役場や法務局に管理してもらうことが必要です。

「エンディングノートはあくまでも希望であり、強制力はない」ということを知ったうえで、作成していきましょう。

自分が亡くなった後、親族が争うのはなるべくなら避けたいのは当然なので、きちんと文字に残しておくことは大切です。

残された家族に争いが起こらないためにも、エンディングノートと遺言書の役割を知った上で双方をうまく活用していくことが重要となるでしょう。

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