ペットが亡くなった時はどうすればいいの?

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はじめに

ペットが亡くなった際に、大切な家族の一員として丁寧に供養してあげたいと考える人は多いと思います。しかしペット供養は人間の供養と違い近年になって普及し始めた手法なので、情報や受け入れ先を探すのが大変です。

そこで今回は犬や猫のようなペットが亡くなった際に飼い主が行うべき作業や供養の方法について紹介します。

旅立った直後に必要なケア

まず、ペットが自宅で亡くなった場合は埋葬までに多少の時間が必要になります。埋葬までの時間、ペットと最後の時間を偲びつつ、必要なケアは以下の3つです。

・自然な姿勢に整える
・温度調整
・体を清潔にする

悲しい中つらいと思いますが、一生懸命生きたペットが安心して旅立てるように、この3つを行いましょう。

埋葬までに行う3つのケア

ここで埋葬までに行う3つのケアの方法をそれぞれお伝えします。

姿勢を整える

はじめに、ペットの体を動かして自然な体勢に整えてあげましょう。通常、死後2~3時間後には死後硬直が始まり、無理に動かそうとするとお体が損傷してしまう場合もあるので、その前に体勢を整えることが大切です。

また、死後硬直の後に鼻や口のような穴から体液が漏れ出す場合もあるので、お体の下に防水シートを敷いたり、穴にガーゼを詰めたりするなどして対処しましょう。

温度調節

ペットも人間と同じように亡くなってから数日で腐敗が始まります。目安としては夏場で2~3日、冬場では3~5日程度になります。

実際には周囲の温度だけでなく衛生状況などによっても多少前後しますが、いずれにせよキレイなお体のまま供養するためにもドライアイスや保冷剤によってお体をしっかりと冷やします。

ただしドライアイスなどを直接当てると温度差によって溶けてしまい、お体に水分が付いてしまうので、そういった物を使用する際は間に布を挟むなどしましょう。

体を清潔にする

姿勢の調整や温度管理が済んだ後は、お体を拭いたりブラッシングしたりするなどして出来るだけキレイな姿にしてあげましょう。

場合によっては口や肛門から汚物が出る場合もあるので、お体の下にシートをひいて行ってください。

役所への連絡

日本では狂犬病予防法に基づき飼育されている犬は全てデータベースに登録されているので、犬のペットが亡くなった場合は役所に連絡して登録を解除する必要があります。犬以外の猫やうさぎ、鳥などの動物は役所への連絡は不要です。ただし特定外来生物に関しては、死亡届の提出や各種手続きが必要となってきます。

連絡や手続きの方法に関しては各自治体によって異なります。オンライン申請を受け付けている自治体も増えてきているので、事前に調べておきましょう。

ペットの葬送

ペットの葬送にはいくつかの種類があります。ご家族の希望に合わせて選びましょう。

土葬

土葬は自分が所有している庭や山などの土地を掘り、そこに埋葬する方法です。

お金がかからず自分の土地に埋葬出来ることから一昔前までは一般的でしたが、近年ではデメリットの方が多いため土葬を行う人は減りつつあります。

例えば土葬用の穴が浅いと野犬によって掘り起こされてしまいますし、腐敗臭や有害な病原菌などの原因にもなります。こういったトラブルを避けるためには埋葬する動物の10倍程度の深さの穴が必要とされているので、小動物ならまだしも犬のような大きな動物を埋めるための穴を掘るのはかなりの重労働になります。

また土葬に関しては法律で報告が義務付けられており、怠った場合は軽犯罪法違反などで処罰を受けるおそれもあります。

火葬(自治体)

近年ペット用の火葬場を設けている自治体も増えつつあり、民間企業に依頼するよりも安価に火葬を行えます。しかし自治体の火葬場を利用する場合は、遺骨は返還されずにそのまま合祀墓に入ったり、埋立地にて処理されたりケースが多いです。
大切なペットのお骨を残したい方は、次に紹介する民間業者への依頼をおすすめします。

火葬(民間業者)

ペット供養にて火葬を希望する場合は民間業者が提供しているサービスも選択肢になります。

各業者によって火葬の方法やオプション内容は異なりますが、基本的にはどのサービスでも遺骨の返還には対応しています。費用についてはおおよそ数万円程度となっており、火葬する動物の大きさやプランによってさまざまです。

また、火葬場まで直行する車が自宅へ迎えに来てくれる訪問サービスも増えてきています。

ペットの供養

次にペットの供養について紹介します。ペットの供養方法は大きく分けて以下の2つです。

ペット霊園

ペット霊園とは人間と同じ形でお墓の設置や納骨、法要を行えるペット専用の霊園です。

一般的にはお墓の清掃や管理は専任のスタッフが行ってくれるので、無縁墓になる可能性が低いです。また個別にお墓を設置可能な霊園の場合、ペットのためにお墓を作って遺骨を納められます。

費用は霊園によりますが1~10万円程度が相場となっており、さらに年間の管理費や個別にお墓を設置する場合は、お墓の制作費などがプラスされます。

自宅供養

自宅供養は名前の通りペットの遺骨を自宅で供養する方法です。

屋外で供養する場合は自宅の庭や所有する土地に埋葬することになりますが、こちらも土葬と同じく公園や他人の土地に許可なく埋めると法律違反となるので注意しましょう。

また屋内供養の場合は、遺骨を入れた骨壷を自宅で保管します。最近ではペット専用の骨壷や棚に飾れるサイズの仏壇などが数千円程度で販売されているので活用してみてください。

また近年では、ペットの遺骨を分骨して、その一部をアクセサリーにする遺骨ペンダントも人気になりつつあります。ペンダントの場合、常に身につけて持ち歩けますし、遺骨が入っていると分からないデザインになっているので、亡くなったペットを身近に感じたい人におすすめです。

まとめ

今回ご紹介した通り、ペットの供養も一般的になりつつあり、状況にやニーズに応じたさまざまなサービスが登場しています。

けれども、地方や地域によっては自宅の周辺にペット対応の火葬場や霊園がない場合もあります。そのような時は自宅まで迎えに来てくれる訪問サービスや配達サービスなどもあるので活用しましょう。

ペットは、親や兄弟と同じく大切な家族の一員です。これまで共に過ごした時間に感謝しながら、丁寧に供養してあげてください。