はじめに
遠く離れている親を心配しながらも、なかなか様子を知ることができず、何かあったときの不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
最近では、親世代と子供世代の不安を解消してくれる見守りサービスが充実してきました。
普段の業務にプラスする形で見守りをしていたり、その業種の得意分野を生かした形での見守りサービスを提供したりしています。
そこで本記事では、高齢者の見守りサービスの種類やメリットなどについてお伝えします。
さまざまな高齢者見守りサービス
高齢者の見守りサービスとは、ご家族に代わって、ご両親の様子を見守るサービスです。
ご家族と離れてくらしていたり、仕事が忙しくて直接会いに行ったりする時間が取れない方に代わり、安否や健康状態の確認を行います。
では、実際にどのような見守りサービスがあるのでしょうか。それぞれのメリットとデメリット、費用の目安も合わせてご紹介します。
訪問型の見守りサービス
郵便局の職員や、電気・水道会社の検査員が自宅を訪問して安否や健康状態を確認して家族に知らせるサービスです。
メリット
普段から手紙の配達などで馴染みのある職員の訪問なので、比較的受け入れられやすいサービスです。
また郵便局の見守りサービスの場合、離島や過疎地でも利用できます。
デメリット
毎日の訪問ではなく、緊急時の対応は難しいです。
また、あくまでも郵便局員や電気・水道会社の検査員の訪問ですので、対象者の細かい体調の変化や異変には気づきにくい場合もあります。
費用の目安
郵便局の見守りサービスだと月1回30分の訪問で約2,000円、月1回60分の訪問で約2,500円などのように、訪問回数や訪問時間によって料金が変わります。
センサーによる安否確認
トイレや寝室などの普段よく使う部屋や、冷蔵庫などの家電にセンサーを設置し、そのセンサーが長時間反応しない場合に指定した携帯電話などに連絡が入る仕組みです。
メリット
センサーを設置する場所によって、家電メーカーやセキュリティ会社、ガス会社など、様々な業種の会社から希望に合ったサービスを選ぶことができます。
デメリット
センサーでの感知のみのため、健康状態の確認まではできません。
そのため、病気の兆候があっても発覚するまでに時間がかかる可能性があります。
費用の目安
センサー型の見守りサービスの場合は、契約料と月額利用料のほかにセンサーに関する機器の代金が発生します。
最初の契約料と月額利用料がセットになっていて、機器代が別というタイプが最も多いのですが、相場としては初回契約料が約15,000円、月額利用料が約3,000円、機器代が50,000~80,000円です。
また、火事やガス漏れの確認や生活リズムのチェックなどをオプションとして提供している会社もあります。オプションはいずれも月額500円前後です。
カメラを遠隔操作して確認するサービス
カメラとマイクを室内に設置して、サービス会社のスタッフがタブレットなどで遠隔操作をして、家のなかの映像をチェックして見守ります。なお、この映像は家族も閲覧することが可能です。
メリット
このサービスは、主にセキュリティ会社で多く提供されており、24時間365日のチェックが可能です。また、対象者からの呼びかけにも対応していますので、何かあったときにすぐスタッフが駆けつけられます。
デメリット
一番のデメリットはプライバシーの問題です。家のなかでの様子をずっと見られることに関して、抵抗を感じる方が多いサービスでもあります。
費用の目安
初期費用として保証金が約50,000円前後、月額料はサービス内容によりますが、月8,000円~です。
電話による確認サービス
サービス会社の担当者が、決まった回数・決まった時間に対象者に電話をして確認をします。その会話内容を詳細に記したレポートがご家族に送られます。
メリット
会話をし、コミュニケーションをとることによって高齢者が元気になったり、寂しさを解消できたりすることがあります。
デメリット
電話が苦手な方や、よく知らない方との電話が好きではない方には不向きなサービスです。
費用の目安
入会金約10,000円に、電話の回数によって異なる月額料金がかかります。たとえば、週2回の電話で月額8,000円など。
食事や日用品の配達時の確認サービス
対象者がひとり暮らしで、食事の用意が大変そうな場合や栄養の偏りが心配な場合におすすめなのが、食事を自宅に届ける配食サービスです。
食事は直接手渡しますので、訪問時の不自然な留守、健康状態や安否などをチェックしてもらえます。また、宅配業者や新聞配達会社による配達時の見守りサービスも増えてきています。
メリット
安否確認に加えて、栄養バランスの取れた食事ができるので健康にもつながりやすいです。
デメリット
配食サービスの場合は訪問する時間が決まっていることと、ひとりの配達員が複数の高齢者の家を訪問することなどから、緊急時の対応は難しいです。
費用の目安
平日月曜~金曜の昼食と夕食の二食を提供している会社が多く、食事代のなかに見守りサービス料が含まれて、1食約500円前後です。
高齢者に配慮して、柔らかめの食事や低カロリー食などを選択すると少し高くなりますが、500円で計算すると1ヶ月約20,000円となります。
見守りサービスを利用する際に気をつけたい3つのポイント
見守りサービスを利用するときには、気をつけたい3つのポイントがいくつかあります。
親は本当に望んでいるのか
子供世代は遠くに暮らす親を心配しますが、親自体がそれを望んでいるのかどうか、気持ちをしっかりと確かめる必要があります。
健康の不安や認知症の症状がない場合は、親から「必要ない」と断られることもあると思います。
断られても子供の不安は消えるものではありませんので、どんなことに不安を感じているのかを親に伝えましょう。
サービス料金をどちらが負担するのか
子供側が望んでいることだとしても、親は「自分のことで子供にお金を負担させたくない」と考えることがあります。
お金のことを考えて断られることもあるかもしれませんが、どうしても見守りサービスを利用したい場合は、お互いが納得する形でサービス料を負担できるように話し合いましょう。
見守りサービスの内容が親や子供に合っているか
見守りサービスを利用することになったら、まず考えたいのがサービスの内容です。見守りサービスにはメリットとデメリットがあるため、親の性格や子供の生活パターンと合わない場合もあります。
年齢を重ねると、だんだん新しいことを受け入れにくくなっていくこともありますが、見守りサービスを利用することでどんな不安が解消されるのか、子供世代の気持ちをわかってもらえるように話し合ってみましょう。
まとめ
高齢者の見守りサービスについては、「知らない人に確認してもらって、自分は報告を受けるだけ」というイメージもあるかもしれません。
けれども、配達サービスや最新機器を使用した見守りサービスは、ご両親の安全、そしてご家族の安心をサポートしてくれる頼もしいサービスです。
各サービスメリット・デメリットがあるので、ご家族の状況に応じて最適なサービスを利用してみてください。