新しくお墓を作ったり建て替えたりする時に気になるのがお墓の価格です。お墓は一生に一度の大きな買い物ですし、死後の自分の家にもなるので、慎重に選びたい人は多いと思います。
そこで今回はお墓の相場やなるべく安く建てる方法について解説していきます。
お墓の価格と相場
お墓の価格とは、土地代や管理料を除いた墓石代の事を言い、大まかに以下の要素から構成されています。
・石材の費用
・墓石に彫刻するための費用
・墓石を設置する際の工事費
これらの費用をあわせて墓石代として支払う事になります。一般的なお墓の相場は100~300万円程度ですが、使用する石材やデザインによっては青天井になります。
石材の費用
墓石代の多くを占めるのが石材の費用です。石材の原産地や種類によって大きく価格が異なります。
・外国産の石材:約50~70万円
・国産の石材 :約200~300万円ですが、ブランド石材だと400万円以上かかる場合もあります。
産地によって価格に差があるのは、品質の良し悪しや希少価値の高さによるものです。 例えば、白っぽい石材よりも黒っぽい石材の方が希少価値が高いですし、耐久性や吸水性を基に算出される石材の等級によっても価格は変わってきます。
とはいえ安い外国産の石材の品質が悪いという事ではなく、石材の主な産出地である中国やインドは採掘量が多いので単価を下げる事が出来るという背景があります。なのでコストパフォーマンスの良い石材をお求めの方は一度石材店に相談してみると良いでしょう。
また墓石に使用される石材には以下のような種類があります。
花崗岩
「御影石」とも呼ばれている石で、墓石の原料としては最も一般的な石材です。 地中深くでマグマが冷されて固まった石ですので、非常に固く耐久性が高いのが特徴です。
主な産出地は中国やインドですが、日本でも愛知県や茨城県など一部の県でも採石されています。中でも香川県産の庵治石は非常に品質が高くブランド石として流通しています。
安山岩
灰色に白と黒の斑点模様がある石で、耐久性や撥水性は花崗岩と異なりますが、こちらも昔から墓石として用いられています。
安山岩のブランド石としては神奈川県産の小松石が有名です。
大理石
マーブル模様が大きな特徴で、見た目が非常にキレイです。一方で花崗岩や安山岩よりも柔らかく経年劣化に弱いので気候が穏やかな海外のお墓で使用される事が多いです。
ただ近年になって洋風のお墓を建てる人が増えてきているので、日本でも墓石の石材として流通しつつあります。
墓石の加工費
石材費の次に金額の多くを占めるのが墓石の加工費です。 相場としては約5万円程度ですが加工の方法によって多少前後します。
和風の墓石
一般的な和風の墓石の加工はシンプルなので、加工費はそれほど高くありません。
洋風の墓石
洋風の墓石も加工費は和風の墓石とあまり変わりません。
デザイン墓
宗教や宗派に捉われずに故人の個性や好きだったものをデザインとして表すデザイン墓が普及しつつあります。個性的なお墓を作れるので比較的若い世代を中心に人気ですが、一般的な墓石よりも複雑な加工が必要になるので、その分費用も高くなります。
墓石の彫刻費
家名や逝去日、建立者の名前などの基本的な彫刻にかかる費用は墓石代に含まれる事が多いですが、実際は業者によって異なりますので、事前にしっかりと確認しましょう。
また使用する石材の等級が高くなるほど彫刻も難しくなるので、相対的に彫刻費も高くなります。特に国産のブランド石は扱える職人の数が少ないので、シンプルな彫刻でも費用がかさみやすいです。
墓石の工事費
墓石を設置するための工事費も墓石代に含まれます。 費用の目安としては約5万円程ですが、お墓を建てる土地の状態によって追加の工事が必要になり倍以上の費用がかかる事もあります。
また実際にどのような工事が必要かは施工業者に見てもらわないといけないので、最終的な金額が最初の見積もりと変わる可能性がある事は知っておきましょう。
お墓を安く建てる方法は?
お墓を建てる際は、何を選ぶかによって価格に大きな差が生じます。 そこで、お墓代を大きく左右するポイントについて説明いたします。
石材の産地と種類
墓石代の多くを占めるのが石材自体の費用ですので、予算を考えながら使用する石材を決めましょう。
特に日本は自然災害が多く、地域によっては雨や雪なども多く降るので墓石を設置する土地の気候も配慮しなければいけません。その場合、地域の石材店に相談すると予算や土地柄に合った石材を選んでくれるので、困った時は頼りにしましょう。
墓石の大きさ
石材の価格は墓石に使用する量によって決まるので、墓石を小さくすると費用を抑えることが出来ます。
墓石のデザイン
個性的なデザインや細かな飾りを施した墓石を作ろうと思うと費用がかさんでしまうので、もしデザインに拘りがなければシンプルな和風の墓石にすると良いでしょう。
展示品やアウトレット品を買う
石材店の展示品は採寸や加工をする必要がないため、一から新しく作るよりも費用を抑える事が出来ます。また、大量に作ったけど売れなかった墓石や、少しだけ傷のある墓石をアウトレット品として安く販売している場合もあるので、もし品質などが自分の許容範囲であればそういった展示品やアウトレット品も選択肢になります。
安いお墓を建てると良くない?
お墓は墓標としてだけでなく故人の家にもなるので、「外国の安い石材を使うのは良くないのではないか」などと感じる人も多いかと思います。
しかし無理に豪華なお墓を建てて残された子孫や親族の負担になってしまっては本末転倒なので、お墓参りをする人たちの事を考えて選ぶ事が大切です。
また「ブランド石だから良い」「外国産だから品質が悪い」という訳ではなく、自分の要望やお墓を建てる土地の気候など色々な要素によって最適な墓石の素材やデザインは変わってきますので、専門の方としっかりと話し合いをしながら長くお参りしてもらえるお墓にしましょう。