正月の仏壇の掃除方法や飾り方とは?

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はじめに

一般的に正月にはお寺や神社で初詣を行い、今年一年の無病息災を願った後に、新年のお墓参りや自宅の仏壇の掃除をする人が多いのではないでしょうか。

そこで今回は正月の仏壇掃除の方法や飾り方について解説していきます。

正月前の仏壇掃除

正月の仏壇の掃除方法や飾り方とは?

正月を気持ちよく迎えるために年末には仏壇を掃除する事が一般的です。時期については決まっていませんが正月飾りの準備にかかる時間を考えると、12月27日ぐらいを目処に済ませる家庭が多いです。

また木造の仏壇だと湿気に弱くホコリも大量に出るので、年末の掃除は出来るだけ天気の良い日を選ぶようにしましょう。

仏壇掃除の準備

まず仏壇掃除をするためには手袋やマスクを着用しましょう。仏壇が金属製だと素手で触ると指紋が付いてしまいますし、掃除中にはホコリが出るので手袋とマスクの着用が大切です。

次に仏壇の中にある仏具を全て外に出して、テーブルや新聞紙の上に置きます。この際に本来の配置を忘れて困ってしまう場合があるので、仏具を移動する前に写真を撮っておく事をオススメします。

仏壇の掃除方法

掃除の準備が済んだら、仏壇本体の掃除を開始します。

まず最初にやるべき事としては毛先が柔らかいハケやブラシを使ってホコリを落としていきます。この際に下から掃除を行うとホコリが舞って二度手間になってしまうので、上から順番にホコリを落としましょう。

次に仏壇の掃除は乾拭きが基本ですが、汚れがひどい場合は水で濡らした布などで拭き取ります。水で拭いた後はすぐに乾拭きをして水気が残らないようにしましょう。

また金仏壇のように金箔や金粉が施されている場合は、その部分に直接触れてしまうと剥がれてしまう可能性があるので触らないように注意しなければいけません。漆塗りの部分についても、肌さわりが荒い布だと傷が付いてしまうので、なるべく柔らかい布が望ましいです。

仏具の掃除方法

仏具の掃除方法も仏壇と大きくは変わりませんが、五具足や輪灯のように金属製の物が多いので乾拭きに使用する布の素材や拭き方には注意しましょう。

またローソクや線香によって油煙がこびりついている場合も多いので、食器用洗剤などで水洗いをする人もいると思いますが、仏具の素材やメッキ加工の有無によっては破損したりメッキが剥がれてしまう事もあるので、必ず事前に問題がないか確認しましょう。

仏壇の飾り方の基本

正月の仏壇の掃除方法や飾り方とは?

基本的に仏壇は三具足を使用して飾ります。三具足とは花瓶・香炉・蝋燭立ての3つの道具の事であり、左から花瓶・香炉・蝋燭立ての順番に設置します。

そして正月や法事のように催事がある時期には三具足に花瓶と蝋燭立てを1つづつ追加して五具足とします。並び順については花瓶と蝋燭立てが対になるようにして、その中心に香炉を設置する形になります。

お供え物の基本

仏壇にお供えする物の基本は五供といって、「香・花・灯明・水・飲食」の5つで構成されています。この構成については正月でも同様ですが、お供えする線香やロウソクを少し高価な物にする場合が多いです。

例えば普段お供えする花は菊やユリが一般的ですが、正月では若松や梅のように仏壇が明るく華やかになるような種類を選びます。またロウソクも正月用の赤ロウソクや蒔絵が施された絵ロウソクなどがあるので、そういった物を使用すると華やかな雰囲気を演出出来ます。

お供え物の作法

お供え物にはそれぞれに守るべき作法があるので覚えておきましょう。

お香の作法

お香は天上の世界とあの世を繋ぐ役割があるだけでなく、仏様の好物ともされています。一般的には他のお供え物の後に線香やお香を上げてから、鈴を鳴らします。

花の作法

五具足の場合は仏壇の両脇に対になるように花瓶を置き、そこに花をお供えします。供える花は故人の好みや季節の花など色々な選び方がありますが、水換えは毎日行うようにしましょう。

灯明の作法

灯明はロウソクの事であり、仏教ではこの世全てを照らし迷いを晴らす光とされています。

一般的には水や飲食物をお供えした後に、ロウソクに火をつけますが、長時間つけていると火事の心配があるのでお祈りが終わったら火を消すようにしましょう。ただし、火を消す際には不浄に通じている口ではなく手で扇いで消すのが作法です。

飲食の作法

お供えする飲食物については自分たちが食べている主食を仏飯器に入れて供えるのが基本です。正月の際にはおせち料理や精進料理を合わせてお供えする事もあります。

水の作法

仏教においては死者は喉が渇きやすいとされているので、毎日かかさずお供えする事が大切です。また透き通った水は汚れなき浄土の象徴とも言われているので、なるべくキレイな水を使用するようにしましょう。

正月の仏壇の飾り方

正月の仏壇の掃除方法や飾り方とは?

正月には法事やお盆の時と同様に打敷を敷いたりするなどして仏壇をキレイに飾るのが基本です。

特に正月は1年の始まりという事で華やかさを重視する傾向が強く、鏡餅やおせち料理を花と一緒に供える家庭が多いです。

正月特有の飾り

正月には以下のような飾りを使用する事があります。

打敷と内敷

法事に使う内敷ですが、法事と同様に仏壇に敷く事が多いです。

浄土真宗では三角形の打敷を使用しますが、それ以外の宗派では四角形の打敷を膳引の上に前面を垂らすような形で使用します。

仏膳とおせち

仏膳とはお供え用の小さなお膳の事であり、一般的には精進料理を備える事が多いです。また正月にはおせち料理をお供えする家庭もあります。

鏡餅

鏡餅は仏壇の上段の左右に置いてお供えする事が多いですが、細かいお供えの方法は宗派によって異なります。

正月飾りの期間

正月飾りの期間は特に決まっていませんが、年末は12月28日頃から年始は松の内の1月7日頃までが一般的な目安となります。

12月28日は8という数字が末広がりを意味することから、その日から正月飾りを開始する家庭が多いです。

また鏡餅をお供えしていた場合は、1月11日の鏡開きの後にお供えしていた鏡餅を食べますが、旧暦で松の内が15日までとなっている地域では15日に鏡開きをする場合もあります。

宗派による違い

正月に仏壇を華やかに飾る事には宗派は関係しませんが、仏壇へお供えする物は宗派や住んでいる地域、そして菩薩寺などによって変わってきます。

例えば浄土宗では花や旬の野菜をお供えしますが、曹洞宗では霊供膳をお供えする事もあります。

また浄土真宗では特にお供え物の決まりがないので、ご先祖様や故人の好物を備える場合が多いです。

まとめ

今回ご紹介した通り、正月に仏壇を掃除したり飾り付けする事によって気持ちよく新しい年を迎える事が出来ます。

最近では仏壇を置く家庭が減りつつありますが、知っていて損する事ではないので知識として知っておく事をオススメします。