老後を自宅で過ごすために役立つ介護リフォームとは?

この記事は約5分で読めます。

はじめに

最近の日本では、老後や定年退職をした後に自宅を介護リフォームする人が増えています。

介護リフォームとは、高齢者や要介護者にとって暮らしやすい家にするために行うリフォームの一種であり、家族の介護負担や高齢者のケガの危険性などを軽くする事ができます。

そこで今回は、自宅での老後を見据えた時に必要となる介護リフォームについて解説していきます。

介護リフォームとは?

老後を自宅で過ごすために役立つ介護リフォームとは?

介護リフォームは高齢者や要介護者にとって暮らしやすい家、その家族にとって介護しやすい家にするために行います。近年では、介護サービスの充実によって自宅介護も一般的になりつつある事から、定年退職を機会に退職金を使って自宅を介護リフォームする人が増えてきています。

また、介護が必要なくとも加齢と共に自宅内でのケガのリスクは増えていきます。そこで、自分が高齢者になっても安心して住める家にするというのも介護リフォームの目的とされています。

要介護者の暮らしやすさを実現する

介護リフォームには要介護者の日常生活を助け、暮らしやすい家にするというのが大きな目的です。

また、住環境を整備すると要介護者の自立や、「1人でできる」といった自信にも繋がります。

家族の負担を軽減する

介護リフォームには家族の負担を軽くする目的もあります。例えば、入浴や排せつに介助が必要な状態だと浴室やトイレには2人分のスペースが必要になりますが、逆に広すぎると掃除の手間や負担も増えてしまいます。

そこで、介護リフォームでは「支援や介護を行いやすい適切な環境」をつくる事も重要になります。

長い間住める家にする

介護リフォームには将来を見据えた計画性も必要です。要介護者の介護度が上がる可能性もありますし、その家族も将来的に介護が必要になる可能性もあります。

このように、介護リフォームした自宅は何年も使うことになるため、10年先や20年先の事も考えて計画を立てるようにしましょう。

介護リフォームの対象

老後を自宅で過ごすために役立つ介護リフォームとは?

介護保険制度を利用すると介護リフォームに関する補助金を受け取る事ができます。介護保険制度の補助金は他の介護サービスの支給限度額に加算されないので、既に他の介護サービスを利用していても申請可能になります。そして、補助金の支給対象となる改修費用は最大20万円で、原則1割負担(所得によっては2~3割負担)なので最大18万円まで支給を受ける事ができます。

また、介護保険制度の補助金を活用する場合、事前申請と事後申請が必要になります。まずは担当のケアマネージャーやリフォーム業者に相談し、プランや見積書を作成して各自治体へ事前申請しましょう。リフォームの工事費は一旦自分で支払う事になりますが、工事が完了した後に領収書などを提出して事後申請が通れば、補助金が支給される事になります。

ただし、補助金の支給には以下の条件やリフォーム内容を満たしている必要があるので、注意しましょう。

補助金の支給条件

・要介護認定を受けている事

・自宅の改修である事

・改修する自宅に住んでいる事

玄関のバリアフリー化

玄関を改修してバリアフリー化する事によって、外出や帰宅時の負担だけでなく転倒などのリスクも軽減する事ができます。

玄関の改修については以下の点を考慮するようにしましょう。

出入りの負担を減らす

わずかな段差でも高齢者にとってはつまづく原因になるため、段差の解消し出入りを楽にすることが重要となります。門から玄関までの段差もなくし、スロープを設置する事で車いすの出入りも楽になります。

つかまる場所を作る

玄関スペースや門までのアプローチに手すりを設置すれば、転倒リスクだけでなく精神的な不安も軽くする事ができます。

座れる場所を設置する

靴を脱ぎ履きする際に立ったままでは不安定なため、座れる場所があると安心です。

ただし、座る場所が極端に低いと後ろ向きに倒れる危険性もあるため、適度な高さが必要となります。

車いす用の出入り口を作る

扉の取り替えによって段差を減らし、車いすのまま出入りできるようになると、本人や家族の負担も軽くなります。

滑らない素材を使用する

雨の日は玄関が濡れてしまうため、床やアプローチには滑りにくい素材を使用し、転倒のリスクを軽減するようにしましょう。

階段のバリアフリー化

階段は高齢者や要介護者によっては非常に危険な場所なので、以下の点に留意してバリアフリー化を行いましょう。

手すりを設置する

手すりを設置すれば転倒・転落のリスクも軽減され、足腰への負担も緩和する事ができます。体重を支えるために手すりの取り付けは頑丈に施工し、適度な太さを選びましょう。

階段昇降機を設置する

階段昇降機は補助金の対象外となり、必ず設置できるとは限りませんが、座ったまま階の移動ができるので負担を大きく減らす事ができます。

設置する場合は全額自己負担となりますが、状況によっては検討する事をおすすめします。

段差を緩やかにする

自宅の広さや構造によりますが、段差を緩やかにすれば高齢者でも一人で上り下りする事ができます。手すりの設置と併せると効果的なので、リフォーム業者などに相談するようにしましょう。

トイレのバリアフリー化

排せつは介護の負担が大きいですし、要介護者の自信や自尊心にも影響を与えるので、可能な限りは一人で行えるようにバリアフリー化する事をおすすめします。

出入り口を広くする

排せつは生理現象なので人によっては一日に何回もトイレに出入りする事もあります。そこで、出入り口を広くする事によって急いでいる時でもスムーズに出入りする事ができます。

床材を工夫する

床が滑りにくければ、足元に気を取られる事なく排せつに専念する事ができます。また、冬場に寒さ

浴室のバリアフリー化

滑りやすい浴室では事故やトラブルが起こりやすいので、床の素材や浴槽の形状なども含めてバリアフリー化を検討するようにしましょう。

滑らない素材を使用する

浴室の床材は固い物が多く、濡れると滑りやすくなります。そこで、床材を滑りにくい素材に取り替える事は非常に重要です。

浴槽の位置を工夫する

浴槽の位置を下げる事で、出入りの補助が楽になるだけでなく転倒リスクも大きく減ります。また、浴槽の中にも手すりを設置すると自力で出入りする事も可能になります。

まとめ

今回ご紹介した通り、介護リフォームを行う事によって老後も住み慣れた自宅で生活し続ける事が可能となります。

また、介護保険制度による補助金などを使って金銭的な負担を軽減する事もできるので、もし介護リフォームを考えている人は専門家の方に相談するようにしましょう。