はじめに
近年ではスマートフォンの普及によって、誰でも気軽に画像や動画を撮影したり、SNSを使って他人と繋がれるようになりました。
しかし、便利な反面デジタルデータは半永久的に劣化しないので、死後の取り扱いに困ってしまう場合も多々あります。
そこで今回は、死後に他人に見られたくないデータの取り扱い方について解説していきます。
人に見られたくないデータは?
死後、他の人に見られたくないデータには以下のようなものがあります。
SNS
高齢者向けのスマートフォンが普及した事によって、現在ではシニア世代でもSNSを利用する人が増えています。
基本的にはFacebookやTwtitterのような大手サービスが利用されていますが、最近だと特定の地域や趣味に特化した特殊なSNSも登場しています。
Facebook(フェイスブック)
Facebookのアカウントは長期間利用していないと強制的に停止されますが、ユーザーが亡くなった後のアカウント処理にも対応しています。
また、事前に指定しておいた代理人へ今後の管理を引き継ぐ事で追悼アカウントとして残す事もできますが、代理人はサービス内で友達になっているユーザーのみ指定可能なので注意しましょう。
Twitter(ツイッター)
Twitterも家族や友人などの代理人から申請があればアカウント削除に対応していますが、本人が死亡した事や代理人である事の証明書を提出する必要があります。
また、Twitterの場合は匿名で利用している人が多いので、家族もアカウントの存在を知らない場合がありますが、半年程度のログインがないと自動で削除される事になります。
LINE
連絡ツールとして日本で最も多くの人に利用されているLINEですが、こちらは家族や代理人によるアカウント削除の申請のみに対応しており、他人がアカウントを引き継いで利用する事はできません。
また、削除申請をしなくても、1年以上アクセスがなければアカウントは凍結されますし、アカウントに紐付いた携帯電話を解約する事でも自動で削除されます。
ブログ
ブログは匿名の日記帳のような物なので、家族にも見られたくない内容や記事を書いている人も多いです。
また、基本的にブログのデータはサーバーに保存されているので、手動で削除しない限りは半永久的に残り続ける事になります。
個人情報などが含まれていなければ、記事が残ったとしても問題ないですが、もし気になる場合は一定期間更新がないと自動削除されるようなブログサービスを利用するようにしましょう。
メールやチャット
リモートワークが一般的になった関係で、取引先とメールなどで連絡する事もありますが、このような情報はコンプライアンスも関わってくるので、慎重に取り扱わなければいけません。
また、情報によっては個人情報の漏洩に繋がる危険性もあるので、たとえ家族だったとしても見られないように対策しましょう。
写真や動画
結婚する前に付き合っていた異性や、前妻・前夫と一緒に写った画像や動画は人に見られたくない場合が多いです。
また、画像や動画に写っている情報から場所や個人を特定されてしまう事もあるので、取り扱いには注意しましょう。
人に見られたくないデータの処理方法
メールやSNSなど人に見られたくないデータは自分が死んだ後の処理方法も考えなければいけません。
削除や暗号化など色々な方法がありますが、自分に合った処理の仕方を選ぶようにしましょう。
スマホの場合
スマートフォンはアプリの権限が限定されているので、データの自動削除などを行う事ができません。
一方で、Googleフォトのようなクラウドサービスは公式ツールによる自動削除に対応しているので、こだわりがなければデータはクラウドに保存するようにしましょう。
この時に、スマートフォンの設定によってはデータがクラウドとローカルの両方に保存されている事もあるので、念の為チェックしておく事をオススメします。
PCの場合
1台のPCを共用している場合は自分のアカウント情報やパスワードを教えない事が原則ですが、専用ツールを使ってデータを暗号化しておくと万が一自分のアカウントを使用されても簡単にデータを見られる心配はありません。
また、以下のようなソフトをしようすれば自動でデータを削除する事もできるので自分の死語が心配な人は検討してみましょう。
Remove Timer
事前に指定した日数が経過するとデータを自動削除してくれるフリーソフトで、PCの電源さえ入っていればオフライン環境でも削除されます。
僕が死んだら…
あらかじめ用意した偽装のショートカットを家族などがクリックする事で、暗号化してあったメッセージファイルの復元と見られたくないデータの削除を同時実行するソフトウェアです。
削除が行われている事は画面に表示されないため他人に知られる事はありません。
おわりに
今回ご紹介した通り、人に見られたくないデータを持っている人は、自分が死んだ後のデータの処理方法についても考えなければいけません。
暗号化や自動削除ツールによって秘密を守る事はできますが、それでも不安な場合は信頼できる第三者と死後事務委任契約を結び、事前に指定した方法でデータを処理してもらうようにしましょう。