火葬・埋葬に必要な「死亡診断書」の発行方法や費用は?

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はじめに

大切な家族が亡くなると火葬や埋葬を行いますが、いずれも死亡診断書が必要となります。
死亡届と混同される事もある死亡診断書ですが、火葬や埋葬以外の各種手続きにも必要であり、医師や歯科医師のみが発行できる公文書です。
そこで今回は、死亡診断書の発行方法や費用について解説していきます。

死亡診断書とは?

火葬・埋葬に必要な「死亡診断書」の発行方法や費用は?
実際に人が亡くなった事を証明する書類が「死亡診断書」です。
仮に死亡診断書のない場合は、法律上生きているとみなされるので、法律及び医学の両面から人の死を証明するために必要な書類とされています。
また、死亡診断書がなければ火葬や埋葬は認められず、年金支給や税金の納付義務も継続する事になってしまいます。

厚生労働省では、死亡診断書を「我が国の死因統計作成の資料として用いる」としており、医師向けの記入マニュアルも作成しています。
また、死亡診断書はA3サイズの用紙になっており、右半分が死亡診断書、左半分が死亡届の様式になっています。
死亡届には故人の氏名や住所、死亡日時や本籍地などを記入するようになっており、役場へ提出する事で火葬や埋葬の許可証が発行されます。
なお、役場へ提出した死亡診断書は返還されないので、必要に応じて2部発行してもらうかコピーをとっておくとよいでしょう。

死亡診断書にかかる費用

医師により作成される死亡診断書は有料なので、発行の際には現金を用意しておきましょう。
また、死亡診断書は保険診療の範囲ではないので、料金は病院や施設によって異なりますが、相場としては2,000円程度が目安となります。
ただし、私立病院のように民間組織が運営を行っている病院だと発行料として1~2万円を請求される場合もあります。

死亡診断書が必要な場面

火葬・埋葬に必要な「死亡診断書」の発行方法や費用は?
火葬以外にも死亡診断書は色々な場面で必要になります。
病院が用意する様式以外の死亡診断書が必要になるケースもあるので、各手続きの概要を理解しておきましょう。

死亡届けを提出する時

亡くなった家族の死亡届を役場に提出する時に、死亡診断書も提出する事になります。
提出先は、亡くなられた場所、故人の本籍地、届出人が住民登録している地域のいずれかの役場になります。
役場と届出人の住所地が離れすぎている場合は手続きに時間を要するので、届出人の住所地または故人の本籍地にある役場に届出する事をおすすめします。

死亡診断書(死体検案書)

死亡届とセットになっているので忘れる事はないですが、自然災害などで遺体が発見できない場合は、死亡診断書の提出義務が免除されます。
この場合、「死亡の事実を証すべき書面」へ死亡診断書を提出できない理由を記入する事になります。

届出人の印鑑

書類への押印用に印鑑を用意してください。印鑑は認印でも問題なく、何らかの理由で印鑑を用意できない場合は自筆署名でも受理してもらえます。
ただし、死亡届の記入内容に誤りがあった場合の修正には、訂正印として印鑑が必要になります。

届出人の範囲

死亡届の届出人は亡くなった方の親族や後見人、親族以外の同居人、家主や地主であり、提出のみであれば代理人でも構わないため、葬儀社が提出する場合もあります。
届出人に該当する人がいないときは病院長などが「公設所の長」として届出人になる場合もあります。

死亡届の提出期限

役場への提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内です。

医療保険や雇用保険などを停止する時

各種保険の停止にも死亡診断書が必要であり、公的医療保険や雇用保険、年金を停止する場合は以下のような手続きになります。

協会けんぽ(全国健康保険協会)

協会けんぽの加入者が死亡すると、死亡日の翌日に被保険者の資格を失うため、事業主は日本年金機構へ5日以内に資格喪失届を提出します。
現役の方が亡くなられた場合は速やかに職場へ連絡し、保険証も返還するようにしましょう。
会社勤めの方が死亡し、遺族が故人の健康保険の扶養に入っていたときは、国民健康保険に加入するか、就労して被用者保険へ加入する事になります。

国民健康保険

協会けんぽと同様に、加入者が死亡すると翌日には資格を喪失するため、14日以内に役場の保険年金課等へ資格喪失届を提出し、保険証も返還してください。

後期高齢者医療保険

加入者は死亡日の翌日に資格喪失となるため、14日以内に資格喪失届を提出して保険証も変換します。届出先は後期高齢者医療広域連合になりますが、窓口となっている各自治体の担当部署へ提出してください。

雇用保険

在職中に亡くなった方が雇用保険の被保険者だった場合、死亡日の翌日に資格を喪失します。雇用保険被保険者資格喪失届は雇用主が10日以内にハローワークへ提出するため、遺族は速やかに職場へ連絡するようにしてください。

年金

各種年金についても資格喪失の手続きが必要であり、死亡届も提出します。
国民年金の場合は役場の国民年金課等の窓口、または社会保険事務所へ14日以内に資格喪失届を提出します。厚生年金の手続きは事業者によって行われますが、死亡後5日以内が期限となっているため、遺族は速やかに職場へ連絡してください。

生命保険や損害保険の死亡保険金を請求する時

死亡保険金の請求については、各保険会社への電話連絡により必要書類の案内や請求書が送付されます。
ただし、保険会社によっては医師の発行する死亡診断書ではなく、自社製の様式(死亡証明書等)を使用する場合があり、料金も別途発生(3千円~1万円程度)するので注意しましょう。
保険会社指定の死亡証明書は病院に提出しても即日作成できないため、後日受取りに行くか郵送してもらう事になります。

死亡診断書の発行方法

火葬・埋葬に必要な「死亡診断書」の発行方法や費用は?
入院中や自宅での死亡など、状況によって死亡診断書の発行方法は異なります。
また、死亡診断書ではなく死体検案書が作成・発行される場合もあります。

入院先で亡くなった場合

現在、9割近くの人が施設や病院で亡くなるとされていますが、この場合は、容体の変化や死因を把握している担当医師によって死亡診断書が作成されます。

自宅で亡くなった場合

自宅で亡くなられた場合、故人が診療を受けていたかどうかで死亡診断書の作成・発行手続きが異なります。

故人が診療を受けていた場合

自宅で亡くなった方が病院の診療を受けていた場合、かかりつけの医師(主治医)によって死亡診断書が作成されます。
最後の診療から24時間以内の死亡であり、死亡の原因が診療を受けていた病気やケガに関連している場合、死亡後の診察は行われない事もあります。

故人が診療を受けていなかった場合

生前に診療を受けておらず、医師の管理下ではない状況で死亡した場合には「死体検案書」が作成されます。
死体検案書の場合は、死因をより詳しく調査するため「検案費用」が必要となり、遺体収納に使う納体袋の料金も発生するため、3万円~10万円の費用が発生します。