おひとりさまのお墓はどうすれば良い?対策や費用について

お墓

おひとりさまとは

「おひとりさま」という言葉を辞書で調べてみると

  • ①飲食店などに一人で訪れる客を指す表現。主に店側が用いる言い方
  • ②婚期を逃した女性を指す言い方。結婚しなかった人のことであるが、独身を謳歌しているという

ニュアンスを込めて用いられることもある(引用元:辞典・百科事典の検索サービス―Weblio辞書)
と書かれています。
その後、2005年に「おひとりさま」が流行語大賞にノミネートされたり、「おひとり様の老後」という本がベルトセラーになったり、男性も含めての言葉として定着してきました。
核家族化・少子高齢化が進み、夫婦世帯と単独世帯を合わせると今では60%を超えています。家族や子ども達は遠くで暮らしていることもありますが、日常的な生活は「おふたり様」または「おひとり様」というわけです。そして夫婦世帯で暮らしていても、配偶者が亡くなれば「おひとり様」となるのです。
つまり「おひとりさま」は誰にでも関わる問題だともいえます。

おひとりさまのお墓問題

今や、「終活」という言葉は認知度が高くなり誰もが取り組みたいものになってきました。特に「死」は誰にでも平等に必ず訪れるものです。だからこそ、「人生の終わり方」についてすべての人が考えていく必要があります。
特に「おひとりさま」にとっては、「自分の生き方の後始末」そして「自分のお墓」については事前に考えていくことが大事です。お墓については必ずしも立てなければならないわけではなく個人の考え次第です。ただ、「今あるお墓をどうするのか」「自分はどんなお墓が良いのか」など生前に検討しておくことは必要です。今は、生前に葬儀やお墓の契約を済ませることも出来ます。葬儀やお墓の生前契約を事前にしておると、お葬式や納骨まで円滑に行うことが可能ですのでお勧めです。

孤独死をしたらどうなる?

「おひとりさま」の場合、

  • ①医療や介護が必要になったときに頼れる人がいない
  • ②孤独死をして周りに迷惑をかける

ということも心配なことではないでしょうか。特に「孤独死」になったらどうしたらよいのだろうと悩んでいる方もいるでしょう。
孤独死とは、誰にも看取られることなく一人で死亡することを指します。現在核家族化、高齢化が進み、家族の形も変化して、一人暮らしの人が増えています。そのため孤独死は今や社会問題にもなっています。
孤独死が発見されるときは、遺体が腐敗したにおい等で近所の人が発見するということが多いようです。親族が発見する場合は通常と同じ流れで葬儀や遺品整理が行われますが、近所の人や親族以外の人が発見した場合は警察に知らせ、警察から遺族への連絡があるケースもあります。しかし孤独死の場合、親族が見つからないケースも多く、さらに親族が発見されても引き取り拒否されることもあります。
遺体を引き取る家族がいない場合や全くも身元不明である場合は自治体が火葬します。遺骨についても誰も引き取り手がいない場合は、その後一定の保管期間を経て「無縁仏」に埋葬されます。
まずは自治体の費用により火葬が行われ、かかった費用は法定相続人や扶養義務者などに後から請求されます。
「おひとりさま」の場合でそのようなことが起こることを心配な場合は、「死後事務委任契約」などに契約をすることをお勧めします。
さらに、病院に入院するときや、施設に入所するときも、保証人や代理人が必要な場合が多いですし、万が一、一人暮らしの時に孤独死をすると、遺品整理や葬儀も大変なことになります。
「おひとりさま」は、「人生の終わり方」を考えてその手続きをするためにも、今後の老後を前向きに安心して過ごすためにも「エンディングノートを書く」「遺書を残す」「医療、介護、葬儀、お墓、そしてお金」に対する自分の思いを記載しておく、または「死後事務委任契約」などを生前に行うなど「終活に取り組む」必要があるのです。

お骨はどのように埋葬される?

埋葬とは、一般的には「死者(遺体)を土に埋めること」です。
お骨は一般的には、四十九日の法要、百箇日の法要などに埋葬されることが多いようですが、必ずしもいつしなければならないという決まりはありません。お墓がまだ決まっていない、お墓が作られていないなどの場合もありますので、一周忌、三回忌、または新盆などに埋葬されることもあります。
また、お墓に納骨するという形をとらない「樹木葬」「散骨」「海洋散骨」「手元供養」なども選ぶことができます。その際には専門家とよく相談して決めることをお勧めします。
また埋葬方法も墓地・霊園によって様々ですので、検討していくことをお勧めします。

おひとり様のお墓対策方法は?

おひとりさまが抱えるお墓の問題は二つあります。一つは「先祖代々のお墓をどうするか」そしてもう一つは「自分のお墓をどうするか」です。
「先祖代々のお墓に入った場合もその管理をどうするのか、という問題が起こります。場合によっては「墓じまい」を検討する必要も出てくるかもしれません。
また自分のお墓をどうしていくのかも大きな課題です。「おひとりさま」の場合は特に事前にいろいろ検討していくことが必要です。

永代供養墓

「永代供養墓」とは、身寄りのない人や墓の継承者がいない人向けに運営母体が代わって永代に供養してくれるお墓のことです。ただし永代といってもその霊園やお寺などによって違いがありますので確認する必要があります。永代供養は採取的には他の遺骨と合祀される場合も多いようです。
お墓の形態も様々で納骨堂の形の場合もあれば、ミニお墓のようなもの、樹木葬などもあります。また永代供養墓には、「個別墓「合祀墓」などがあり、費用にも差はありますが、一般墓に比べて安価であることが多いと言われています。

納骨堂

納骨堂は室内の墓地と考えるとわかりやすいです。納骨堂とは、御遺骨を骨壺という入れ物に入れ、収蔵するタイプのお墓で永代供養墓の一つです。納骨堂を運営している墓地によって違いますが、ロッカー型や自動機械式型など様々なタイプがあります。費用は比較的安く、基本的にアクセスが良いところにあり、お参りしやすいことが特徴です。逆に利便性が高く施設が立派だったりすると費用が高くつく場合もあるのでよく検討することは必要です。納骨堂も一定の期間が経過すると他の人のご遺骨と一緒に合祀されることが多いようです。

先祖の墓に入る

一番手軽なのは、代々のお墓に入ることです。お墓を新たに建てる必要がありませんし、経済的にも一番良い選択のように思えますが、問題もあります。それは、もし本当にその家の最後の「おひとりさま」だった場合は、お墓を守ってくれる人がいなくなるため、無縁仏になってしまうことです。またお墓を維持するためのお金が発生するときに誰がそれをお寺や霊園に支払うのかを確認する必要もあります。
また、「先祖代々のお墓」は長男が守ることが多いので、そのあたりも親族との話し合いや検討が必要です。

墓友と一緒に

最近は、共同でお墓を購入し、夫婦や友達同士で入れるお墓も出ています。「個人墓「夫婦墓」「共同墓地」などを選ぶことで、新しいお墓の在り方も増えています。
夫婦や、友達や、同じ趣味を持つ者たちがお墓を購入し、残されたものがお墓を守り、そのあとは永代供養されるということも可能な時代になりました。
墓友と一緒にお墓が作れるのかなど、墓地・霊園に問い合わせをしてみましょう。

おひとりさまのお墓に掛かる費用は?

上記で見てきたように、お墓といってもいろいろな形態があり、墓地・霊園などによっても費用も大きく差があります。
おひとりさまの場合も選び方で大きく違ってきますので、自分のお墓については、どのような選択をするのかよく検討して、現地にも出かけて決定することをお勧めします。

お墓の費用

お墓にはいろいろな形態がありますが、お墓の購入金額の相場は、145万円から205万円ほどと言われています。
管理費を除いて、お墓に掛かる内訳は「永代使用料」と「墓石代」です。

  • ①「永代使用料」とは、墓地・霊園の土地を借りるために掛かる費用のことを指します。永代使用料を始めに支払うと、その後墓地、霊園に支払う必要のある費用は一般的に管理費のみになります。この永代使用料と下記の管理費を収めれば、先祖代々お墓を引き継ぐことになります。

    永代使用料は、地域、また霊園・墓地によっても違いがありますが、10万円から100万円くらいで、全国平均で77万円ほどとなっています。

    永代使用料について言えば、その土地を購入しているわけではなく、購入できるのは墓地・霊園にある墓所の使用権のみだということを覚えておいてください。

  • ②墓石代墓石代とは、文字通りお墓を建てる際に墓石に掛かる費用のことです。墓石代に掛かる費用の相場は、全国的に約120万円から175万円ほどです。墓石代も地域によって価格が異なりますのでご確認ください。

    墓石代の内訳としては、墓石の値段、墓石の設置費用、文字の彫刻費用があります。

管理費

管理費とは、墓地・霊園に墓所を管理してもらうために定期的に支払う費用のことです。
支払い方法は様々で毎年収める場合もあれば、数年分まとめて収める場合もあります。
墓地・霊園は管理費を使って、水道・電気代の支払いや、休憩所・トイレ・水汲み場・緑地など皆さんが使う場所の維持や管理を行います。
管理費の相場は一万円前後が多いようです。

おひとりさまの女性には女性専用墓もある

墓地・霊園によっては、「女性専用墓」を用意しているところもあります。
女性専用墓とは文字通り、女性のみが埋葬できるお墓のことです。最近は「供養の多様化」により、家族以外の人と埋葬することが受け入れられてきています。
女性専用墓は。生涯未婚の女性、いわゆる「おひとりさま」や、配偶者やその両親と同じ墓に入ることにためらいがある人たちに選ばれています。

おわりに

今回、ここでは「おひとり様のお墓はどうすれば良い?対策や費用について~おひとり様の孤独死やお墓について理解しておこう~」をテーマに考えてきました。
まだまだ詳細はそれぞれの項目でありますので、この記事を参考に今後もいろいろ調べてみることをお勧めいたします。
初めにお伝えした通り、今は核家族化が進行し、親族や地域との関係も希薄になりつつあります。一人暮らしの方も多く、必然的に「おひとりさま」も多くなっています。
それぞれが自分自身の「人生の終わり方」「人生の閉じ方」を検討して、「終活」に取り組むことが必要な時代です。
決して心配して不安になるだけでなく、焦らず慌てず少しずつ自分の考えを整理したり専門家や家族に相談をしたりしながら、「終活」の準備をしていきましょう。そうすることで安心して残りの人生を豊かに過ごすことができますのでお勧めいたします。

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