遺品整理は自分たちで行なうべきか?
故人の所有物だった遺品を整理する場合は、自分たちで行う方法と遺品整理を専門とする業者に依頼する方法の二通りがあります。
もし遺品の数があまり多くなければ、自分や家族の手で行っても大した手間にはならないでしょうが、故人が別居していた場合は家の中にある全ての物を遺品として整理する必要があるので、自分たちで行うと思うと時間も手間も莫大なものになってしまいます。
また、遺品の整理は普通の大掃除とは違い、遺品をそれぞれ仕分けして、廃棄物は国や自治体のルールに従って処分する必要があります。
そのため遺品整理を行う際には、まず整理にかかる人の数や時間などを計算して自分たちで行うのと業者に依頼するのとでは、どちらがメリットが大きいかを考えてみましょう。
その結果として業者に依頼する場合は、部屋の広さや荷物の量などに応じて料金を支払う事になりますが、遺品の仕分けや廃棄物の処理など全ての作業を代行してくれます。
【準備】遺品整理を業者に依頼する流れ
プロの業者に遺品整理を依頼すると決めたものの、どこから手を付ければ良いのか戸惑ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
そこで、遺品整理を業者に依頼する際には次のような流れで契約を結びます。
問い合わせ
遺品整理を依頼する業者を探す前に、まずは見積額に大きく影響する項目を押さえておきましょう。
・部屋の広さ
・大物家具の数
・マンションの場合はエレベーターの有無
・駐車スペースの有無
・伝えておきたい希望条件(買取希望、作業日時の希望など)
このような項目に合わせて、家全体や各部屋の状態が分かる写真を用意しておくと、仮見積もりまでスムーズに進みます。
遺品整理業者と一口に言っても、それぞれの業者によって対応可能な範囲や金額が異なるので、基本的には相見積もりを取って相場を把握するようにしましょう。
また、遺品整理の専門家である事を示す「遺品整理士」が在籍する業者は信頼度が高いため、そのような基準で選ぶのもおすすめです。
現地調査・見積もり
正確な金額の見積もりには、現地の状況を確認する必要があります。
この際に複数の業者に見積もりを依頼する場合は、同日に来てもらって、その場で相見積もりを取るようにしましょう。
そうする事で見積もりに立ち会いする手間を減らす事ができますし、業者同士で競い合う事で相場よりも安い金額を引き出せる可能性があります。
また、作業内容や追加料金など分からない点についても、この場でしっかりと質問しておく事をおすすめします。
契約
相見積もりの内容やサービス内容を比較検討して、依頼する業者が決まった場合は契約を結びましょう。
殆どの業者は契約後のキャンセルを禁止していたり、キャンセル料を設定しているので、もし分からない点や不明瞭な事があれば遠慮せずに確認する事が大切です。
作業日程を決定して契約書を受け取ったら、あとは作業当日まで待機しておきましょう。
【当日】遺品整理を業者に依頼する流れ
遺品整理の実施日に実際の仕分けや梱包は作業スタッフがやってくれるので、自分たちは立ち会いだけで良いところがほとんどです。
とはいえ、全体の流れを把握しておけば当日にトラブルが発生してもスムーズに対処できますし、余計な不安も減らせるので知っておきましょう。
当日打合せ
作業当日には開始前にスタッフと最後の打ち合わせを行い、認識の齟齬などがないか確認します。
また、遺品がある家が今の住居から遠く当日の立ち会いが難しい場合は、事前に調整した内容や情報をスタッフに伝えるように業者に連絡を入れておきましょう。
この打ち合わせや連絡を怠ってしまうと、残してほしい貴重品や遺品が片付けられてしまう事もあるので、きちんと念押しする事が大切です。
養生作業
遺品整理の作業中は家具を移動したりするので、建物の内側全体に傷が付かないように養生を施します。
特にマンションやアパートのように他の住民がいる場合は、エレベーターやロビーなどの共用部分も保護しなければいけません。
養生作業はスタッフがしてくれますが、どうしても通路が狭くなったりしてしまうので他の住民への気遣いは忘れないようにしましょう。
遺品の仕分け
遺品の仕分けは遺品整理で最も重要な作業です。
この際に全ての遺品を廃棄・買い取り・持ち帰りなどの対応別に仕分けていきますが、廃棄物の分別ルールは地域によって細かく異なるので、事前に確認しておきましょう。
また、貴金属や宝石類のような遺品は自分で買取業者に持ち込んで買い取ってもらう事もできますが、基本的に買取金額に大きな違いはありません。
もし自分で売却するのが手間な場合は、そのまま遺品整理の業者に買い取りを依頼しましょう。
梱包・搬出・清掃
仕分け作業の次は、それぞれの品物をダンボールなどに詰めて運び出します。
そして、家から全ての品物や荷物を搬出し終えたら、トイレやキッチンなどの水回りや各部屋の掃除を行いましょう。
また、この作業が済むと品物や遺品を取り返す事ができなくなるので、業者任せにするのではなく、自分の目でしっかりとチェックする事をおすすめします。
支払い
現場での最終確認が完了した後に、かかった費用を精算する事になりますが、業者によって可能な決済方法は異なるので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、持ち帰る品の配送手続きや養生の取り外し、近隣への挨拶などを済ませたら遺品整理は全て完了した事になります。
遺品整理を依頼する際の注意点
遺品整理を業者に依頼する機会は何回もあるものではないので、依頼する際にどのような点に注意すればいいのか分からない人も多いでしょう。
そのような場合は、以下のような条件を満たしているかチェックしてみましょう。
近隣へ配慮をしてくれる業者か
遺品整理を行う際は家の荷物を外に運び出したり、スタッフが出入りしたりと近隣住民に迷惑をかけてしまう場合があります。
もちろん事前の挨拶回りや、時間帯を選ぶなどして自分でできる事はすべきですが、このような面にも配慮してくれる業者は良い業者です。
見積書の内容や説明が明確かどうか
遺品整理の見積書は見慣れない単語を含んでいたり、様式が複雑だったりとパッと見ただけでは分かりにくい事が多いです。
また、相談の際にもらう見積書は仮のものであり、正確な金額は現地調査を行わないと確定しません。
悪質な業者によっては見積内容をあえて説明しなかったり、仮見積書の金額のまま契約を結ぼうとしてくる場合もあります。
そのため、金額だけで業者を決めるのではなく、「こちらの質問に対して明確に回答してくれるか」などもしっかりとチェックして人間的に信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
今回ご紹介した通り、遺品整理はプロの業者に依頼すると全ての作業をワンストップで行ってくれるので手間や時間を大幅に節約する事ができます。
ただ、遺品整理の業者は乱立気味であり見積額や作業のクオリティにも幅があるので、しっかりと相見積もりを取ったりネットの口コミを調べるなどしてから、契約するようにしましょう。
遺品は故人の生きた証であり、どれにも大切な思い出が詰まっているので、悔いのないように行う事をおすすめします。