終活はアルバム整理からはじめてみよう
所持品の整理は終活の第一歩ですが、意外に大変なのがアルバム整理です。シニア世代のなかには、まだプリントアウトした写真を多く保管している方も多いはず。写真を1枚ずつ必要かどうか確認していくと、想像以上に時間がかかってしまいます。
今回は、アルバム整理の重要性や効率的な方法について解説していきます。
アルバム整理の重要性
大切な家族が亡くなった際、遺族は「本人が大事にしていた写真は残したい」と考えます。しかし、どの写真を残すべきかは、亡くなった本人しかわかりません。
そのため、生前から捨てるものと残すものを分類し、自分が大切にしたいものや、子どもたちに見てほしいものを集約しておく必要があります。
また、カメラがデジタル化したことで、写真の保管場所が散逸している方も多いでしょう。アルバムに収納しているものから、デジカメやスマートフォンに保存したままになっているものまで、さまざまな場所に写真があるはずです。
これも自身で整理しておかないと、残された家族にとっては大変な負担となります。
アルバム整理はすぐにでも始める
アルバム整理を始めるのは、すぐにでも始めましょう。とくに写真やアルバムはそれほど保存スペースを必要としないため、「そのうち、いつか」と思いがちです。そうやって溜め込んでいるうちに、だんだんと収集がつかなくなります。
整理方法を決めておけば、これから撮影する写真を整理する際にも統一性がでます。アルバム整理は、なるべく早いタイミングで始めるようにしましょう。
アルバム整理でおすすめの方法
アルバム整理でおすすめの方法は、写真のデジタル化です。フィルムカメラで撮った写真であっても、現在の技術ならば簡単にデジタルへ変換できます。
デジタル化すると目的別の整理ができ、必要に応じてプリントアウトもできます。また、デジタル化すれば色褪せなどの劣化がないため、日当たりを気にする必要もありません。
ただ、レンズなどの光学性能は古いカメラの方が優れていることもあり、デジタル化した写真を再度プリントアウトすると、画質が劣化することもあるので注意してください。
業者へ依頼する
写真館やフォトスタジオなどの多くは、写真のデジタル化を請け負っています。アルバムを持ち込めば、写真をスキャンしてDVDやメモリーカードなどに保存してくれます。
料金は枚数や解像度によって異なりますが、DVD1枚当たり5000円前後が相場となっています。
フィルム現像やビデオテープのデジタル化にも対応しているので、大量のストックがあるのであれば、まとめて依頼するのがおすすめです。
自宅で行う
自宅で写真をデジタル化する場合、スマートフォンのアプリや専用スキャナーを使う方法があります。スマートフォンは専用のアプリをダウンロードして行います。
写真をデジタル化する専用のスキャナーは、写真を読み込むタイプやネガフィルムを読み込むタイプがあります。どちらも1~2万円前後で購入できます。
商品によっては複数枚の写真を同時にスキャンしたり、自動でデータ化できたりします。大量の写真を扱う場合は、業者へ依頼するよりもスキャナーを購入するほうが安上がりになるでしょう。
写真をデジタル化するメリット
スマートフォンアプリや専用スキャナーには写真の管理機能が搭載されていることが多く、デジタルブックも作成できます。
他にも、インターネット上に写真を保存するクラウド型のサービスもあり、家族や友人と共有すれば、それぞれのパソコンやスマートフォンでいつでも見ることができて便利です。
また、デジタル化した写真は検索や並び替えなどを行うことで、目的の写真を簡単に探せます。データに撮影日やイベント名、写っている人の名前、撮影場所などを入力して整理しておきましょう。
終活としてのアルバム整理
終活を意識したアルバム整理であれば、自分の遺影に使ってほしい写真も選んでおきましょう。
かつての遺影といえば身分証明写真のようなものがほとんどでしたが、近年の遺影は様変わりしているため、笑顔の写真を選ぶ人も増えています。
表情がはっきり分かる写真が遺影としては望ましいため、全身を写したものより腰から上、または胸元から上の写真がおすすめです。
気に入った写真に他の人が写り込んでいる場合、デジタル化して画像を加工すれば、自分だけを切り抜くこともできます。
まとめ
アルバム整理は思い出の整理でもあり、慣れてくると残すものや思い切って捨てるものの判断がつきやすくなります。
「終活を始めたいけど何から行えば」と悩んでいる人は、アルバム整理から始めてみましょう。