投資信託とは?
資産運用を行う方法は、株式や債券、外貨預金など色々ありますが、基本的には自分で分析や予測を行って、その情報を元にして取引します。
投資信託は、そのような投資を組み合わせたファンドという金融商品を購入することで、ファンドマネージャーが実際の運用を行ってくれる金融商品の総称です。
最終的には、運用益の一部が分配金として投資家にリターンされますが、利回りは平均すると約3~4%以内に収まります。
また投資信託と聞くと、まとまった大きな資金がないと始められないというイメージがあるかもしれませんが、実際は毎月1万円ずつ少額積立することも可能です。
資産運用を始めるべき理由
資産運用を始めるべき最大の理由は、将来の不透明さです。
公的年金がどのくらい支給されるのか、退職金がどのくらいなのかと、不安を感じる人は多いでしょう。
場合によっては想像以上の赤字になる可能性もありますし、その際は資産を切り崩す必要があります。
また、定期預金の金利が0.01%と超低金利が続いているので、利息は全く期待できず、それどころか物価が上昇した分だけ資産は目減りします。
安全資金として最低限の貯金は必要ですが、資産形成のためには積極的に資産運用をしていかなければなりません。
しかも複利効果を考えると、運用期間が長ければ長いほど資産は効果的に増えていきます。
もし余剰資金があるのであれば、1日でも早く資産運用を始めた方がお得に資産を増やすことができます。
投資信託のメリット
色々な資産運用方法がある中で、投資信託のメリットはどのような点なのでしょうか?
ここでは特筆すべき3つの点についてご紹介していきます。
専門知識がなくても安心
投資を行う場合は、企業の業績や外国の経済情勢、インフレ率など色々な情報を考慮しなければいけません。
これらを勉強して自分で実践するのは膨大な時間と手間がかかりますし、限りある投資期間を無駄にすることにも繋がります。
一方で、投資信託は豊富な投資経験を持ったファンドマネージャーが資金の運用を行うので、投資に関する専門知識を持っていなくても問題ありません。
ただし、投資を行う以上は関連するリスクや最低限の知識については勉強しておくことをオススメします。
少額から始められる
不動産投資など一部の投資方法はまとまった資金がないと始めることが難しいですが、投資信託は少額からでも投資を開始できます。
なぜなら、投資信託は多くの投資家から資金を集めてファンドを組成する性質上、一人あたりの出資額は小さくても問題はありません。
これが投資信託の二番目のメリットになります。
現在、国内には6000本を超える投資信託の金融商品があり、金融商品によっては100円からでも投資信託は始められます。
もちろんこれから先の期間を考えると、必要最低限の積立額は必要になるでしょうが、投資信託では自分の余剰資金に見合った金額を積立することができます。
リスクを分散できる
投資を行う際は「分散投資」という考え方を持つ必要があります。
例えば、一つの会社の株式だけに資金を集中させていると、その企業の業績が悪化したり倒産した際に大きな不利益を被ることになります。
逆に複数の企業に分散投資しておけば、どれか一つの株価が暴落したとしても、他の株価が上昇していればリスクは最小限に抑えることができます。
投資初心者にとって投資先の分散は難しい問題ですが、投資信託を利用すれば、そのような心配も必要なくなります。
基本的にファンドは私達に代わって具体的な投資先を決定しますが、その際に海外株式や国内債券を組み合わせることで分散投資を行っています。
投資信託を始める時の注意点
投資信託は老後資金を積立していくのに最適な投資方法ですが、いくつか注意点があります。
実際の投資を行うのはファンドですが、その元手となるお金を出すのは自分ですので、しっかりとリスクは把握しておきましょう。
商品によって投資先が違う
投資信託は各商品によって投資先が異なります。
ダウやナスダックのようなアメリカの株価指数が中心になっているものや、先進国の国債メインのものなど、色々な種類があります。
そして、期待される利回りや、そこに付随するリスクは投資先の性質によって変化するので、自分の希望する投資スタイルと一致する商品を選ぶようにしましょう。
また、株価指数と連動している商品をインデックスファンド、個別銘柄を選択してインデックス以上の利益を目指す商品をアクティブファンドと呼びます。
どちらも一長一短ですがローリスク・ローリターンを希望する場合はインデックスファンド、ハイリスク・ハイリターンを希望する場合はアクティブファンドを選択するのが一般的です。
元本割れのリスクがある
投資信託において実際に運用を行うのはファンドマネージャーですが、色々な要因によって損失が発生する可能性があります。
この場合、損失が大きくなると元本割れのリスクが発生しますし、損失に対してファンドから補填が入ることもありません。
もちろん自分で個別銘柄に投資したり、FXを行うよりも、投資信託の方が圧倒的に勝率は高いですし、簡単にリスク分散もできます。
そのため、投資信託によって資産のほとんどを失うような心配はありませんが、確実に資産が増えるという保証がないことは把握しておきましょう。
自分で運用するよりコストがかかる
投資信託は資産運用を一流のプロに任せることになるので、その分手数料がかかります。
最も大きな手数料は、購入時に発生する購入時手数料で、おおよそ投資額に対して3%程度が目安になります。
また、運用益から差し引かれる信託報酬が1~2.5%、さらに売却時には0.1~0.5%の信託財産留保額が発生します。
具体的な手数料の割合については各商品によって異なりますが、ノーロード投資のように購入時手数料が無料の商品もラインナップされています。
これらの手数料が大きいと、利益のほとんどが手数料によって相殺されてしまい、いつまで経っても資産が増えない可能性もあります。
投資信託を始める前には、必ず手数料についての記載を確認するようにしましょう。
一緒に利用したい非課税制度
投資信託は運用益に対して約20%の税金が発生します。
なるべくランニングコストを抑えたいのでれば、国が推奨している投資信託の非課税制度を活用することをオススメします。
一般NISA
一般NISAは短期間で資産を増やしたい人に向いている制度で、5年間の非課税期間と120万円までの年間積立枠を利用できます。
選択できる金融商品がつみたてNISAよりも多く、株や不動産投資信託(REIT)なども選択することが可能です。
利回りが大きい金融商品でも5年間は運用益に対する税金が発生しないため、大幅なコストカットを見込めますが、一般NISAとつみたてNISAはどちらか一方しか口座を開設することができません。
つみたてNISA
つみたてNISAは一般NISAと比較すると、年間積立枠が40万円と少なくなりますが、非課税期間は20年間まで延長されます。
仮に20年間継続しない場合でも、途中で売却することはできますし、対象となるのは国が厳選した金融商品のみなので、安心して資産運用が行えます。
大きな利回りよりも、安定した運用を好む人はつみたてNISAがオススメです。
iDeCo
個人型確定拠出年金と呼ばれるもので、運用益が非課税となるだけでなく、積立した金額も所得控除の対象になります。
現在は60歳までしか積立できませんが、2022年5月以降は65歳まで積立することができるようになります。
サラリーマンであれば毎月23,000円までしか積立できない点や、60歳までは出金できないといった制限がありますが、老後資金の準備には最も適しています。
iDeCoとNISA、またはiDeCoとつみたてNISAの併用は可能です。