はじめに
初心者でも利益が出しやすい効果的な資産運用法として、いま仮想通貨に大きな注目が集まっています。
この記事では仮想通貨の概要やメリットとデメリット、投資初心者におすすめの代表的な仮想通貨を3つご紹介しています。
仮想通貨とは?
仮想通貨とは国家が介在しないデジタル通貨の総称で、nanacoやSuicaに代表される電子マネーとは区別されます。
仮想通貨は株式や銀行などの中央集中型のオンラインシステムを通すことなく、1個人同士が、インターネット上でいつでも売買できます。
仮想通貨で代表的なものはビットコイン、イーサリアム、テザーなど、数多くの種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
これらの仮想通貨は仮想通貨交換業者の取引所や販売所で、現金と引き換えに入手したり、手持ちの仮想通貨を現金化できます。
注意点として仮想通貨市場は国家的な裏付けのない、いわば自然発生的に作られた不安定な市場です。
そのため市場参加者の思惑や動向により、売買相場の上下動が非常に激しくなり、価格が大きく変動するリスクがあります。
ただ価格変動が大きければ、それだけ利幅も大きいと言うことで、初心者でも仮想通貨をうまく運用すれば、大きな利益を上げられる可能性があります。
日本での法律上の扱い
2017年以前の日本には仮想通貨交換業者を規制する法律がほぼ皆無で、一般的に仮想通貨は「胡散臭いもの」というレッテルが貼られていました。
その後も交換業者本人による仮想通貨の大規模な横領や、取引システムのトラブル、通貨の紛失事件などが相次ぎます。
そのため日本では2017年4月に仮想通貨法(正式名称:改正資金決済法)を施行し、資本金1000万以上などを条件とする、仮想通貨交換業者に対する大幅な規制強化を行います。
その結果、この規制強化に対応できない「みなし業者」が多く撤退したため、仮想通貨に対する信頼性がより向上しました。
法改正後は仮想通貨の市場参加者が大幅に増え、例えば先にご紹介したビットコインの価格は2017年~2018年の1年足らずで、20倍以上に上昇します。
しかし2018年には日本の大手仮想通貨交換業者「コインチェック」が、総額580億円にも及ぶ、仮想通貨ネム(NEM)の大量盗難事件を引き起こしてしまいます。
この事態を重く見た日本政府は2020年6月に資金決済法を再度法改正します。
この改正では暗号資産交換業者の本人確認強化や、利用者財産の保全義務および、利用者から預かった金銭の信託義務などが新たに追加され、仮想通貨市場の信頼度が、大きく上昇したと言われています。
仮想通貨投資のメリット
仮想通貨投資には他の投資商品とは違う、さまざまなメリットがあります。この章では初心者向けの魅力的な投資メリットを3つピックアップし、詳しくご紹介します。
高い利回りが期待できる
例えば投資信託の平均利回りは4%~6%で、どんなに高くても10%前後が限界でしょう。
その点仮想通貨投資は年率300%以上という高い利回りも夢ではありません。何故なら、それだけ急激に価格が上昇する可能性があるからです。
例えば10万円を仮想通貨に投資し、1年後に40万になるのは仮想通貨投資では、意外とごく普通にあることで、この場合は年率300%の利回りとなります。
ちなみに前述のビットコインは2020年の一年間だけで、価格が300%以上も上昇しました。
少額から投資を始められる
仮想通貨の売買を始めるには仮想通貨取引所という所で取引口座開設し、預金を仮想通貨に換金して注文します。
例えば楽天市場が主催する「楽天ウオレット」ならば100円から注文可能で、楽天市場などで獲得した楽天スーパーポイントも仮想通貨に換金できます。
ほかにもマネックスグループ傘下の「コインチェック」や、国内メガバンクが出資して設立した「ビットフライヤー」、LINEPayから手軽に入金できるLINE株式会社の「ビットマックス」などが有名で、これらの業者では110円~500円単位で注文することができます。
投資信託などでは最低でも1万円ほどが必要になりますが、仮想通貨投資ならば、お小遣い程度の金額で、ハイリターンが実現できます。
いつでも取引可能
株式やFXの売買は市場が閉まれば終わりですが、仮想通貨は土日も含め、24時間365日の売買が可能です。
すきま時間で手軽に投資できますし、取引口座開設が済んでいればスマホからも市場へ簡単にアクセス可能です。
そのほか市場の暴騰などに対応するため、すぐ追加資金を入れたい時に便利なのが「クイック入金」です。前述のコインチェックやビットフライヤーが対応しています。
通常土日に取引口座へ入金すると、反映されるのは月曜日になりますが、コンビニATMや銀行のATMで「クイック入金」を選択して取引口座に入金すれば、土日でも最短5分で反映されるため、急な取引ではとても便利に使えます。
仮想通貨投資のデメリット
当然ですが仮想通貨投資にはメリットだけではなく、デメリットも数多くあります。今回は初心者が特に注意すべきデメリットと、その対策法を3つご紹介します。
ボラティリティが激しい
ボラティリティとは「価格の変動率」のことです。
仮想通貨は市場規模がまだまだ小さく、しかも通貨単位で市場が分かれているため、基本的に市場参加者が少なく、通貨によっては1日の取引価格が20%~30%も乱高下することが、ごく普通にあります。
この場合の効果的な対策としては複数の仮想通貨へ同時に投資したり、株式やFXと仮想通貨を組み合わせながら、慎重に投資することでしょう。
暴落の時もあまり神経質にならず、将来の値上がりを期待して、そのまま持ち続けることも対策の1つです。
ハッキングによる盗難リスクがある
先にご紹介した仮想通貨ネム(NEM)の総額580億円盗難事件は、ハッキングによる犯行だと警察の捜査により判明しましたが、現在も犯人は特定されていません。
これはハッキング技術の向上によるものだと言われており、今後もこのような仮想通貨の大量盗難は「起こり得る」と考えたほうがよいでしょう。
例えば奪われた仮想通貨の中に自分の通貨が含まれていれば、確実に取り戻せる保証はありません。
個人ができる効果的な対策法は、取引サイトのログイン時に「二段階認証」を採用している、セキュリティ意識が高い交換業者や、名の通った大手の交換業者を選ぶことです。
そのほか仮想通貨の売買に使用する「グーグルクロム」などのウェブブラウザーに、必要以上のプラグインを入れるのはよくありません。何故ならプラグインを通してハッキングされることが稀にあるからです。
一番効果的な対策法は個別の仮想通貨を暗号化して管理する「秘密鍵」(暗号鍵)を、PCやスマホの中で保管せず、紙に書いて保管したり「ハードウェアウォレット」という秘密鍵専用のハードウェアの中に記録し、オフラインで保管すると安全です。
例えば「レジャーナノ X」というハードウェアウォレットならば、前述のビットコインやイーサリアムの秘密鍵を1000個以上も保管でき、復元やバックアップが可能で、ネットショップ大手の「アマゾン」で手軽に購入できます。
税金面の負担が大きい
仮想通貨の売買で得た収入は「雑所得」として確定申告する必要があります。
例えば株の年間売却益に掛かる税金は利益に対して所得税(15%)+住民税(5%)+復興特別所得税(0.315%)を合わせ、一律20.315%の税金しか掛かりません。
しかし雑所得の場合は給与所得など全ての所得と合算する「総合課税」の対象となるため、仮想通貨の利益が増えれば増えるほど、税金で持っていかれる割合が高くなります。
例えば年間の給与所得が500万で仮想通貨の年間利益が500万円だとすると合計で1000万円の収入となります。
このケースだと総所得に対する税率は33%で、株の売却益より10%も高くなり、更に住民税が約10%加算されるため、最終的な税率は43%になります。
対策としては仮想通貨を現金化せず、持ち越すことです。
現金化しなければ税金は掛からないため、税率を超えそうな場合は持ち越して、年間収入を適時調整しましょう。
初心者におすすめの投資向け仮想通貨
仮想通貨は日々生み出されており、全世界には約6600種類以上の仮想通貨があると言われています。
そのうち日本で購入できる主な仮想通貨は13種類あり、ここでは初心者でも扱いやすい代表的な仮想通貨ご紹介していきます。
ビットコイン(BTC)
ビットコインは仮想通貨の草分け的存在で、2008年に「サトシ・ナカモト」と名乗る人物が発明したと言われています。
詳しい仕組みの中身については難しい話になるため割愛しますが「ブロックチェーン」と「P2P」(Peer to Peer)という、特殊な暗号通信技術を使い、通貨の分散型取引や、利用者の利便性を確保しています。
世界中で売買される全仮想通貨の時価総額のうち、約半分がこのビットコインで流通しており、仮想通貨の中では「デジタルゴールド」と呼ばれるほど別格な存在で、初心者の方に一番おすすめできる仮想通貨です。
ビットコインはほぼ全ての取引業者が取り扱っているので、安心して購入できます。
イーサリアム(ETH)
イーサーリアムは2015年にビットコインの技術を応用して作られた、拡張性と利便性の高い仮想通貨で、2015年の発行直後の価格は1ETHが1000円程度でしたが、2021年5月末には47万円以上の高値を付けました。
将来性については専門家の間で微妙に見解が分かれているものの「今後1ETH100万円を付ける日が遠くない」という意見も多く、投資家の期待が高まっています。
テザー (USDT)
テザーは2015年に開発されたドルと常に連動する機能を持たせた仮想通貨で、呼称も1USDTと書いて1テザーと読みます。面白いですね。
仕組みとしては発行元のTehter Limitedという会社が、入金されたドルと同じ量のテザーを市場で発行し、ドルとの等価交換を図っていて、別名「ステーブル(安定した)コイン」と呼ばれています。
例えばビットコイン市場はドルと連動していないため、その時々の状況により、価格相場はかなり不安定な動きになります。
対してテザーは市場が乱高下した場合、発行元のTehter Limitedが積極的に市場介入するため、安定的な価格上昇が見込めると評判です。
価格も2015年のリリース(発行開始)以降順調に推移し、2021年5月現在では時価総額が、5年前より1000倍以上になっています。
まとめ
仮想通貨取引はとても魅力的ですが、この記事でご紹介した通り、メリットのほか、注意すべきデメリットがたくさんあります。
特に初心者の方はこれらの情報を冷静に比較検討し、身の丈にあった少額投資から始めるのが無難でしょう。