外貨預金は老後資金の積み立てにピッタリ!おすすめの通貨もご紹介

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はじめに

老後資金2,000万円問題が大きな話題となっていますが、この問題を解決するためには、早い段階から計画的に資産形成をしていかなければいけません。
老後資金の積み立てにはiDecoや個人年金保険などがありますが、今回は外貨預金による積み立て方法についてご紹介していきます。

外貨預金とは?

外貨預金は老後資金の積み立てにピッタリ!おすすめの通貨もご紹介
外貨預金による資産運用について聞いたことはあるけど、「本当に大丈夫なの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
外貨預金とは「外国の通貨で預金をする」ことであって、普通の預金と同じように日本の銀行に資産を預けることができます。
ただし、日本円を米ドルなどの外貨に替えてから預金するので、実際に所有している資産は外貨ということになります。

普通預金だけだと損をする仕組み

銀行に普通預金しかしていない場合、デフレによる超低金利とインフレによる物価上昇によって資産が目減りすることになります。
現在の日系大手銀行の金利は0.001%程度なので、仮に1,000万円を普通預金していても年間利息は100円にしかなりません。
一方で、日本銀行は年間のインフレ目標を2%と設定しているため、物価が少しでも上昇したら資産価値の目減りが発生してしまいます。

もちろん、今の日本経済では上記のインフレ目標を達成できていないので問題ないですが、そのような状況が今後も継続する保証はありません。
安全資産としての普通預金もある程度は必要ですが、このような仕組みで資産価値が減少するリスクは全ての人が把握しておく必要があります。

外貨預金のメリット

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ここまで普通預金のリスクについて解説してきましたが、では外貨預金にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

日本円よりも金利が高い

外貨預金の一番のメリットは、「日本円よりも金利が高い」という点です。
外貨預金も普通預金と定期預金に分かれており、定期預金の方が金利は高いですが、普通預金でも日本円の10倍程度の金利が見込めます。
また、外貨の種類によって金利は異なるので、事前によく確認することが大切ですが、基本的には日本円で預金するも高い金利が設定されているので、インフレ対策としては非常に効果的です。

為替レートの変動が利益になる

外貨預金では利息(インカムゲイン)だけではなく、為替相場の変動による為替差益(キャピタルゲイン)も期待することができます。
例えば1ドル105円の時に、5,250,000円を外貨預金すると50,000ドルになりますが、相場が円安ドル高に傾いて1ドル110円になった場合、資産価値は5,500,000円分となります。
つまり、為替レートの動き方によっては、利息だけでなく為替差益でも大きなリターンが期待できるという点も、外貨預金の大きなメリットと言えます。

海外でそのまま利用できる

外貨預金は現物取引なので、海外旅行などに行った際には、そのままキャッシュとして引き出すことが可能です。
取り扱う銀行にもよりますが、外貨預金として預けた状態で、海外での買い物の際に海外プリペイドカードやデビットからそのまま決済できるものもあります。

外貨預金のデメリット

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外貨預金は実質的には銀行預金と同じなので、株式投資や不動産投資よりもローリスクですが、一定のリスクは存在します。
ここからは外貨預金についてのデメリットをご紹介しますので、始める前にしっかりと把握しておきましょう。

為替手数料がかかる

外貨預金を行う際は、日本円→外貨もしくは外貨→日本円と通貨の交換を行う度に手数料が発生します。
一般的には片道1ドル1円の為替手数料が設定されているので、1万ドルの外貨預金をした場合は、日本円→米ドルと米ドル→日本円の手続きにそれぞれ1万円の手数料を支払う必要があります。
また、為替手数料は通貨の交換を行う度に発生するので、1回あたりの金額は安くても、取引回数が増えると大きな負担になります。
外貨預金に力を入れている銀行や一部のネットバンクでは、為替手数料に関する優遇が受けられるので、口座を解説する前に比較検討することをおすすめします。

預金保険制度の対象にならない

外貨預金は、通常の銀行預金と異なり、預金保険制度(ペイオフ制度)の対象外になります。
預金保険制度の対象であれば、仮に預金している銀行が破綻したとしても、元本1,000万円までとその利息は保護されます。
しかし、外貨預金は対象外なので、預金先が倒産すれば、預けていた資産の全てを失う可能性があります。

元本割れのリスクがある

外貨預金には為替レートの変動が利益になるメリットがありますが、場合によっては為替レートの変動が損失になる可能性もあります。
為替相場と外貨預金の関係はシンプルで、預入時よりも円安ドル高になれば利益が発生、逆に円高ドル安になれば損失が発生という仕組みです。

そのため、通貨を交換するタイミングによっては為替差損が生じて元本割れにつながるリスクも把握しておきましょう。
これは外貨の種類に関係なく共通し、円高が進むと元本割れになるということを理解したうえで外貨預金を始めるようにしてください。

初心者にお勧めの外国通貨3選

外貨預金は老後資金の積み立てにピッタリ!おすすめの通貨もご紹介
それでは外貨預金を始めたい初心者の方におすすめの代表的な外貨をご紹介していきます。
銀行によって取扱通貨は異なりますが、以下で紹介している通貨はほぼ全ての銀行が取り扱っています。

米ドル(アメリカ)

アメリカは世界一の経済大国であり、コロナ禍からの復興も急速に進んでいるため、FRB(アメリカの中央銀行)は2021年6月のFOMCで2023年までに2回の利上げ観測について言及しています。
つまり今後、アメリカの政策金利は継続的な上昇が見込まれるだけでなく、その影響で円安ドル高の相場に移行していくと想定されています。

現在の米ドルの金利は普通預金で0.01%程度、定期預金でも0.1%程ですが、預金金利は今後さらに上昇してく可能性が高いです。

ユーロ(ヨーロッパ)

ユーロは流通量としては米ドルに次ぐ世界第二位の通貨で、ユーロ/円は2020年5月以来、強い上昇トレンドの中にあります。
現在の外貨預金の普通金利は0.01%程度と、利息はほとんど期待できませんが、ユーロ/円の場合は為替差益が大きなメリットになります。

ただし、2021年6月にFRBが利上げについて言及したのに対し、ECB(EU圏の中央銀行)は逆に金融緩和の継続を強調しており、ドル高ユーロ安の転換期を向かえています。
そのため、利上げは当分期待できず、それによって為替差損が生じる可能性も高まっていますので、ユーロの外貨預金については注視する必要があります。

豪ドル(オーストラリア)

一昔前は高金利で注目されていたオーストラリアですが、近年は低金利政策が続いています。
ただし2020年後半以降、中国向けの鉄鉱石の輸出などが好調で、コロナ禍以前の水準まで経済回復してきています。

さらに、隣国のニュージーランドが利上げの方針を打ち出しており、オーストラリアにもその動きが出てくるのではないかと注目されています。
2021年6月段階でも政策金利は現状維持ですが、アメリカに追従する可能性は高いです。
普通預金で0.01%程度、一年物の定期預金だと0.5%程度と金利が高く設定されているのも、豪ドルの魅力です。