「一から学ぶREIT(リート)の仕組み!メリット・デメリットについても徹底解説」

お金の問題

はじめに

超低金利の中、老後の資産形成のため、預金の利息よりも高い運用益を得ることのできる投資運用を始める人が多くなっています。
投資といってもローリスク・ローリターンのものから、ハイリスク・ハイリターンのものまで様々ありますので、投資初心者としてはなるべくリスクが低く、リターンを期待できる投資を選びたいものです。

そこで今回は、リスクを抑えてリターンを狙える投資として注目されている不動産投資のひとつ「REIT」について、基礎的な部分から徹底解説をしていきます。

REIT(リート)とは?

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REITというのは、「Real Estate Investment Trust」の略で、「不動産投資信託」のことを指します。
日本での市場開設は2001年ですので、スタートしてから20年ほど経過しており、銘柄も充実し、「J-REIT」という名称で親しまれ投資者も増えてきました(今回はすべてREITの表記で統一します)。
現在の国内のREITは62銘柄、保有不動産額はおよそ20兆円という規模です。

取引方法は株式と同じで金融取引所において売買することができ、また、他の投資信託と同じ仕組みでファンドへの積立投資ができます。
つまりREITとは、わかりやすくまとめると、「不動産中心に運用される金融商品」のことです。

現物不動産投資との違い

不動産投資と聞くと、現物不動産投資とREITはどこが違うのかと疑問を持たれるのではないでしょうか。
確かに不動産に投資し、賃貸料や売却益から収入を得るスタイルは同じなのですが、仕組みがかなり違います。

REITは金融商品なので、証券会社で購入することになりますし、実際に不動産を所有するわけではありませんので、登録免許税や固定資産税、火災保険や不動産購入時に組むローン手数料などがかかりません。
また、現物不動産の場合はテナントや入居者を探したり、管理するといった経営もたいへんになりますが、REITであればその必要がないので、とても気軽に投資することができ、
また、実際の不動産であれば売却時に買い手を探すのに3ヶ月程度必要になりますが、REITは換金性が高いので売買もしやすくなっています。

REIT(リート)が投資する不動産の種類

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一口にREITといっても、銘柄によって投資する不動産の種類が異なり、リスクやリターンが変わってきます。
ホテルやヘルスケア、物流など種類も枝分かれしてきていますが、ここでは主力となる銘柄の「商業施設」、「オフィスビル」、「賃貸マンション」の3つの違いについてお伝えしていきます。

商業施設

商業施設(専門店集合施設・ショッピングモール・アウトレットモール)に投資する銘柄は、個人消費の影響を受けやすく、現在ではコロナ禍の影響で売上が減少し高いテナント料が支払えずにお店を閉じるケースも増えています。
ですから駅前などの商業施設よりも、郊外のショッピングセンターの方が期間を長く設定して借りるケースが多いので、賃貸収入は安定しやすいです。

ただし、主力となるテナントが退去してしまうと施設全体の魅力が低下して集客や売上、さらに分配金も減少してしまうリスクがあるので注意が必要です。
さらに近年ではネット通販が勢いをつけているので、商業施設はやや苦しい状況となっています。
商業施設については、景気が上向きだと相応のリターンが期待できるものの、景気動向によってはリスクが高まるという特徴があります。

オフィスビル

商業施設よりもさらにリターンが期待できるのが、オフィスビルに投資する銘柄で、商業施設型よりも銘柄の数も豊富です。
REITでの投資先は大規模なオフィスビルで、有名企業が借り手となるため収益率が高いのです。
ただし、リスクとしては借り手側の企業の業績が悪化していくと出て行くことになりますし、空いてもコロナ禍の影響でリモートワークが普及してきたこともあって需要が低下しているという側面があります。
企業の経営方針の転換や、商業施設同様に景気動向に左右されるのがオフィスビルの特徴です。

賃貸マンション

一方で景気動向の影響を受けにくいのが、賃貸マンションに投資する銘柄になります。
入れ替わりはあるものの、オフィスビルなどと比較すると賃貸料が安いので需要も見込めますから安定した賃貸収入を望むことができます。
よほどの事が起きない限り人口が大きく減るということはありませんから、リスクを抑えられるのが賃貸マンションの特徴です。
ただし、逆に景気が良くなっても賃貸料が上げにくいという側面もあります。

REIT(リート)のメリット

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それぞれの投資にはメリットもあれば、デメリットもありますので、実際に投資を始めるのであれば、その点を明確に把握しておく必要があります。
REITにもメリットとデメリットがありますので例外ではありません。
まずはREITのメリットを具体的に紹介していきます。

利回りが高く安定している

REITといっても銘柄によって利回りは変わってきますが、平均すると年利3.0~5.0%ぐらいを狙っていくことができます。
オフィスビルや商業施設へ特化した銘柄の方が利回りは高くなり、賃貸型や物流型はやや低くなる傾向があるものの、安定した収益を考えると賃貸型の方が期待できるので、特化型よりも3種類以上に分散投資できる「総合型」がリスク・リターンのバランスが最もいいです。

株式ほど急落のリスクがなく、現物不動産同様に利回りが高く安定感があり、さらに現物不動産よりも換金性が高いという点でREITはかなりメリットの大きな投資方法だといえるでしょう。

少額から運用可能

現物不動産の場合、ローンを組むなどをして数千万という規模の資金を用意しなければなりません。
不動産への投資の場合、ここが最も高いハードルになっているわけですが、REITであれば資金を投資家から集めて、専門家(ファンドマネージャー)が運用しますので、少額から参加することができます。
取引最小単位は1口で、銘柄によっては数十万円というものもありますし、数万円で購入できるものもあります。

東証REIT指数に連動する運用実績を目指すREITのETF(上場投資信託)であれば、1万円から始めることも可能です。積立投資をすることで、価格が高いときには少量、易いときには大量に購入できるドルコスト平均法を用いることもできます。
この辺りの仕組みについては投資信託とまったく同じものだと思って問題ありません。個人の資金では都内のオフィスビルを所有するなど到底不可能ですが、REITであれば少額でそこに出資することができ、分配金を得ることができます。

管理や運用の手間がかからない

実際に不動産を所有して、そこから賃貸収入を得ようとした場合、空室を埋めるための集客や管理、修繕など様々な業務が発生してきますが、REITであればその点はすべて任せることができるので手間がかかりません。
また、運用自体も専門家に任せておくだけですから、やるべきことはどの銘柄を選ぶのかということに集中することができますし、購入して以降もまったく負担感なく投資を続けていくことができます。
この点もREITのメリットのひとつになります。

インフレに強い

資産運用には定期預金のようにインフレに弱いものがありますが、不動産投資の場合、物価上昇に合わせて不動産の資産価値が上がりますし、テナントへの賃貸料も上がりますので、インフレに強いという側面があります。
特に商業施設の場合は、テナントの売り上げに応じて賃貸料が決まるケースもありますので、インフレに柔軟に対応することができる仕組みになっています。

REIT(リート)のデメリット

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メリットだけを見ていくとREITが最も有効な投資方法に思えてきますが、デメリットもあります。
完璧な投資方法というものは世の中にありませんので、自分のスタイルや将来設計に適したものを探すことが大切です。

市況の影響を受けやすい

REITは不動産投資だけに安定した収益を期待することができますが、決して元本が保証されているわけではありません。
金融市場や不動産市場の影響によっては元本割れのリスクを抱えています。

景気が低迷すると商業施設やオフィスビルの需要と供給のバランスが崩れて不動産価格が下落することがありますし、災害などが発生した場合でも同じ事が当てはまります。
リモートワークの普及でオフィスの需要が低下しているといった点にも影響を受けます。
また、投資家の資金を集めただけでは不足するので、足りない分は金融機関から借りていますから、金利が上がると、ファンドを支える借入金の利息も上がるので、分配金が減ることも考えられます。

投資法人の上場廃止や倒産リスク

REITのリスクとしては、投資法人の上場廃止や倒産によって価格が下落することもあります。
株価と違って不動産価値がゼロになることはありませんが、上場廃止になると大幅下落で売ることになりますので、元本割れの可能性が高くなります。
上場廃止といっても、大型REITに小型REITが吸収されるケースがありますが、この場合は合併後のREITを割り当てられる仕組みになっています。

配当控除が適用されない

株式の場合、法人税と個人の配当課税が重複し、二重課税になりますので配当控除を受けることができます。株配当金の10%が所得控除で、2.8%が住民税控除です。
株式とREITは配当を受けるという点は同じなのですが、REITの場合、運用益の90%超を分配すると法人税がかからない仕組みになっていますので、二重課税にならないため配当控除を受けることができません。
このように配当控除が適用されないという点はREITのデメリットのひとつになります。

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