葬儀費用の相場はどのくらい?お金がかかるポイントや節約方法について徹底解説

葬儀・仏事

はじめに

日本の少子高齢化や現役世代の賃金低下などから、葬儀のあり方や費用の見直しが急速に進んでいます。
たとえば一昔前の葬儀はある程度の費用をかけて、盛大に行うことが故人や参列者に対しての礼儀とされていました。

しかし現在は一日葬や家族葬など、費用を抑えた形の葬儀が登場して一般に認知され、全国で人気になりつつあります。
そこで今回は葬儀費用の平均相場と、葬儀の中でお金がかかりやすいポイントを種類別に取り上げ、個別費用の節約方法を徹底解説していきます。

葬儀費用の相場は?

葬儀費用の相場はどのくらい?お金がかかるポイントや節約方法について徹底解説
葬儀費用を節約するには、まず葬儀費用の平均相場を事前に把握して個別費用を洗い出し、どのように節約するかを考えなければなりません。
たとえば2017年に日本消費者協会が行った調査によれば、国内で行われた葬儀費用の平均相場は約195万円とされています。

この平均相場をもとに葬儀一式にかかる費用のほか、飲食費や返礼品、寺院に支払う費用なども含め、節約のポイントを総合的に決めていくことが大切です。

都道府県や地域によっては大きな差が

葬儀費用の平均相場は都道府県や地域の慣習によって、大きな差があるため注意が必要です。
たとえばある葬儀会社の調査では、千葉県の平均的な葬儀費用は206万円で全国1位ですが、沖縄県は89万円で最下位となり、その差が117万円も開いています。

この地域差を無視して葬儀を行えば費用不足で参列者の間に不満が生まれたり、反対に過度な費用で無駄が大きくなり、よりよい葬儀にならない恐れがあります。
そのためこれらの地域差を事前にしっかりと把握し、葬儀費用の節約を考えることが大切です。

葬儀費用の主な内訳

葬儀費用の相場はどのくらい?お金がかかるポイントや節約方法について徹底解説
ここからは実際の葬儀にかかる費用の内訳を4つ取り上げ、節約のポイントを詳しくご紹介します。

葬儀一式にかかる費用

葬儀一式にかかる費用とは、葬儀場を借りる費用や火葬場の使用料、利用する祭壇や葬儀会社に支払う人件費などが上げられ、総費用は122万円が平均的な相場とされています。

これらの費用は地域による差はそれほどありませんが、祭壇のグレードや葬儀場の格式により、費用の中身が大きく変わることがあるため注意が必要です。
よくあるのは担当の葬儀会社から、不要な葬儀オプションをさり気なく提案されて喪主や遺族が気づかず、そのまま受け入れて無駄な費用が増えてしまうケースです。
このような状況を防ぐためにも、葬儀一式にかかる費用と相場について事前によく調査することが大切です。

飲食接待にかかる費用

飲食接待にかかる費用とは、お通夜の時に振る舞う料理や、葬儀の後の精進落しと飲み物代などが上げられ、約30万円前後が平均相場とされています。
これら費用は利用する店舗や仕出し会社との交渉により、1人当りの単価を安くして総費用を節約できることがあります。

ただし地方都市などでは大勢の親族を呼び、盛大にお通夜や精進落しをすることがあるため、下手に飲食費を削ってしまうと参列者が不満を持つことも多くなります。
そのため地域ごとの特徴や慣習を事前に調査し、バランスの取れた節約を行うことが重要です。

返礼品にかかる費用

返礼品にかかる費用とは、葬儀に参列した参列者に対しての会葬御礼や、香典返しにかかる費用などがあります。
総費用の平均は33万円ほどで、たとえば会葬御礼は1000円~1500円、香典返しは頂いた香典の半額~3分の1程度が相場とされています。

また会葬御礼は香典の有無に関わらず参列者全員に当日手渡し、香典返しは香典を頂いた人だけに、当日または四十九日が過ぎた後に郵送するのが一般的です。
たとえば参列者の人数を事前に予測したり、香典返しは葬儀の後に人数分だけ揃えて郵送すれば、返礼品にかかる費用を節約できます。

寺院に支払う費用

寺院に支払う費用は葬儀の際に僧侶へ手渡す読経料やお車代のほか、戒名の返礼として支払う戒名料などが上げられ、一般的には全てお布施と呼ばれます。

これらのお布施を個別に見ていくと、読経料は1回につき3万円~5万円、お車代が5千円~1万円、総費用は47万円が平均相場とされています。
また戒名料は寺院側から提示されることはなく、あくまで喪主や遺族が葬儀の時に手渡す、お布施の総額で授かる戒名が決定します。

葬儀の種類別に見る費用相場

葬儀費用の相場はどのくらい?お金がかかるポイントや節約方法について徹底解説
ここからは代表的な仏式葬儀を4つ取り上げ、平均的な費用と形式ごとの特徴をご紹介します。

一般葬

一般葬とは故人の親族や友人だけではなく、町内会の関係者や故人が所属していた企業関係者など、幅広い会葬者が集う葬儀のことを指します。
一般葬でかかる費用の平均相場は149万円で、仏式葬儀の中では一番高くなります。

なぜなら参列者が多くなるため広い葬儀場の確保が必要になり、お通夜の振る舞いや精進落しの費用が大きくなるからです。
一般葬のメリットは参列者が多いため香典も集まりやすいことですが、その程度ではとても葬儀費用は賄えず、赤字が膨らみやすくなります。

家族葬

家族葬とは家族や親族のほか、故人と親しかった友人に参列者を限定して行う小規模な葬儀のことです。
ある葬儀会社によれば首都圏で行われる10人~30人程度の家族葬の場合、葬儀費用は約112万円という調査結果が出ています。

家族葬は大きな式場を用意する必要がなく、飲食費や返礼品の費用を節約できますが、参列者が少ないため香典は集まりづらく、全体的な支出は膨らむことが多くなります。

一日葬

一日葬はお通夜を省き、告別式と火葬のみを1日で行う形式の葬儀で、平均的な総費用は85万円程度とされています。
一般的に家族や親族のほか、故人と親しかった友人だけで行われることが多く、遺族と参列者の両方の負担が軽減されます。
一日葬ではお通夜の飲食費が不要になり、返礼品も少なくできるため、他の仏式葬儀と比べて費用をかなり節約することができます。

直葬

直葬はお通夜や告別式などを一切行わず、自宅や病院から故人の遺体を直接火葬場まで運び、火葬によって弔う形式の葬儀です。
参列者は家族と親族に限られることが多く、地域によっては密葬や火葬式と呼ばれることがあります。
通常の葬儀と同じく、出棺時や火葬をする時に僧侶の読経が行われ、火葬後はお箸で骨を骨壷に収める骨上げをして終了します。

直葬は参列者が仏式葬儀の中で一番少なく、儀式を簡素化して全体の費用を大きく抑えられるため、平均的な葬儀費用は19万円程度とされています。

葬儀費用の節約方法

葬儀費用の相場はどのくらい?お金がかかるポイントや節約方法について徹底解説
葬儀費用はさまざまな節約方法がありますが、先に押さえるべきポイントをきちんと把握しなければ効果的な節約ができません。
この章では葬儀費用の重要な節約ポイントを3つ取り上げ、詳しくご紹介します。

事前に相見積もりをしておく

ほとんどの遺族はお通夜や告別式が初めてのため分からないことが多く、スムーズな葬儀を行うには葬儀会社の協力が不可欠です。
しかし1つの葬儀会社だけに費用の見積もり任せると、葬儀場の規模や祭壇の参考価格が分からず、遺族主体の比較と検討がしづらくなります。

そのため遺族は葬儀会社の勧めるままに葬儀場や祭壇のグレードを決めてしまい、結果的に葬儀費用が大きく膨らんでしまうことがあります。
このような状況を避けるためにも複数の葬儀会社から事前に見積もりを取り、それぞれの提案をよく吟味してから葬儀の内容を決めることが重要です。

葬儀の規模を見直す

一般的に葬儀費用は参列者が多くなるほど、飲食物や返礼品にかかる費用が上がり、全体の費用は大きくなります。
ですが先にご紹介したように一般葬から一日葬に変更するなど、葬儀の規模を事前に見直せば、葬儀費用を大幅に節約することができます。

ただし、これらの見直しは故人と親しかった参列希望者に直接影響があり、極端に小規模な葬儀に変更すると、不満が噴出してトラブルに発展することがあります。
そのため遺族は規模変更の事情説明を参列希望者にきめ細かく行い、事前に了解を取っておくことが重要です。

飲食物や棺などのグレードを抑える

お通夜や告別式の後で振る舞う飲食物のグレードは、葬儀費用の増大に直結するため慎重に選ぶ必要があります。
たとえば仕出し料理は担当の葬儀会社が出入りの業者に委託して、葬儀場に提供されることが多くなります。

この方法だと遺族の手間は省けますが、料理の中身と値段がよく分からないまま注文が行われ、結果的に飲食物にかかる費用が膨らんでしまうことがあります。
そのため飲食物の費用を節約したい場合は、葬儀会社と料理の中身や値引き額をよく相談し、なるべくグレードを抑えて注文することが大切です。

また故人の遺体を入れて祭壇の中央に安置する、お棺のグレード選びも意外に重要です。
なぜならお棺は薄い合板製の物から、豪華な彫刻が施された総檜造りの物まで、5万円~200万円以上の価格差があるからです。

たとえば葬儀会社に勧められ、必要以上に豪華なお棺を用意したとしても、そのお棺は遺体と共に火葬場で全部燃えてしまいます。
つまり、葬儀費用をどうしても節約したい場合は、まずお棺のグレードを下げるのが一番確実で効果的な方法でしょう。

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