「老後のことは追々考えていけばいい」
「終活といっても一人暮らしだし、なんとかなるだろう」
と気楽に考えている人が多いですが、準備が不十分な状態でなにかあっては多くの人に迷惑をかけることに…。
身の回りのことをしてくれる親族などが近くに誰もおらず、近隣住民などに迷惑をかけてしまっては大変ですよね。
前もって終活を行っておけば身の回りの心配も少なく、安心して毎日過ごせるようになるでしょう。
ここでは、身辺整理の始め方と財産管理方法について詳しく解説していきます。
なにから始めたら良いかわからない方は、参考にしてくださいね。早速確認していきましょう。
体力があるうちに!終活は身辺整理から始めるとGOOD
終活するにはまだ早いのではないかと考える方は多いです。
しかし、「まだ早い」と思える頃こそ、終活のはじめ時といえます。
なぜなら、終活には多くの労力が必要となるため、体力があるうちに行ったほうがより効率よく取り組めるからです。
終活はまず、身辺整理からはじめるのがベスト!
断捨離をしていくなかで、住まいなど取り巻く環境へと視野を広げていきましょう。
部屋の片付け、断捨離でシンプルな暮らしに
終活は、部屋を一度まっさらにするくらい大規模に片付けることからはじめます。
一人暮らしをしていると、つい自分が過ごしやすいように物を置きっぱなしにしてしまいがちです。
洗剤などの家庭用品や日持ちする食材などのストックなど、気付けば物に溢れている…なんてことも珍しくありません。
断捨離と聞くと、とにかくたくさんの物を捨てなければならないと感じませんか?
断捨離は「今日はこの一部屋」「今日はこの引き出しだけ」といったように細かに区切り、あとは不必要なものを手放すだけの単純作業です。
- 使うからとっておく物
- 使わないから捨てる物
- 使わないけれど捨てるのは保留しておく物
の3種類に分けていきましょう。
物が減ると日々の掃除も楽になり、老後に備えて色々考える心のゆとりも生まれるのです。
老後を考えて引越しするのもアリ
終の棲家を考えて、引っ越しするのも終活のひとつの手段です。
断捨離を行った時点で、今の住まいが広すぎると感じる人や、今の住まいを維持するのが大変だと感じる人がいることでしょう。
自分が暮らしていくために必要な物の量が明確化したことによって、自分に最適な住まいについても考えられるようになります。
バリアフリーの観点から気になるのは、住まいの段差です。玄関や階段など、暮らしにくさを感じる部分がないかを確認しましょう。
一人暮らしでは、防犯面も大事です。オートロックであるか、窓のシャッターの有無や夜間の街灯の光量も安心して暮らせるかどうか今一度確認すべきでしょう。
近年注目されている災害対策についても同様です。自分が暮らしている土地について
- 海抜何メートルなのか
- 川が近いか
- 過去に自然災害があった土地か
といった自宅の立地はもちろん、自宅内の家具の配置についても
- 家具をしっかり固定する
- 重いものを高い棚に置かない
- 寝室に背の高い家具を置かないようにする
など、予期せぬ事態にもしっかり対応できるよう様々なケースを想像しながら終活に臨みましょう!
ペットを飼っている方は次の家族を考えておく
一人暮らしでの老後となると、大切なペットとどう過ごすかも考えておかなければなりません。
ペットは家族ですから、自分がいなくなったあとも幸せに暮らせる環境を整えてあげたいですよね。
親族や友人知人に声かけをしておきましょう。それでもペットを引き取ってくれる人がいないようであれば、NPO法人や地域の保護団体にも声かけを。
自分になにかあった際には引き取り手を決めておくのはもちろん、ペットに関する情報がしっかり第三者にわかるようまとめておくことが重要です。
孤独死を避けるためには…
高齢になっての一人暮らしで心配なのが、孤独死です。
「なにかあったとき、どうしよう…」と不安な気持ちを抱えている高齢者は少なくありません。
不測の事態に備えるために、近隣住民との関わり合いをはじめ様々なサービスを利用すると良いでしょう。
例えば、
- 宅食などの配色サービスを決まった曜日に利用する
- 市区町村の介護福祉課に相談をし、一人暮らしであることを伝える
- 出張デイサービスを決まった曜日利用する
- 地域の交流センターへ通い趣味を通じて友人知人をつくる
といったように親族以外との関わりを多く持つようにすると、有事の際にすぐに気付いてもらえます。
こういった活動ができるのも、健康で元気なうちが一番!終活はまだ早いな…と感じている時期にぜひ、こういった対策をうっておきましょう。
一人暮らしの終活は財産管理も重要!
一人暮らしの終活に欠かせないのが、財産管理です。
- 自分の暮らしに毎月いくら必要で、使えるお金はいくらあるのか
- 葬儀代など用意しておきたい資金はあるか
- 財産分与で子どもへ遺す資産をどのようにするか
など、財産に関わることは案外多く、整理しておかないと後々トラブルになる可能性もあります。
まずは自分の収入となる年金について確認をし、さらに出ていくお金についても整理しておく必要があると心得ておきましょう。
財産管理の方法と、老後費用の捻出方法について解説していきますので参考にしてください。
もらえる年金額を確認しよう
まずは年金受給額を確認し、老後の生活費として十分な資金が確保できているかどうかをチェックしてみましょう。
年金がいくらもらえるのかは、毎年日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」もしくは「ねんきんネット」でチェックできます。
年金の受け取り時期は60歳から70歳の間で選べますし、自営業者やフリーランスの人であれば上乗せできる年金である国民年金基金にも加入が可能です。
さらに、個人で民間の生命保険会社で契約していた個人年金保険があれば、それからも毎年保険要項に定められた期間・金額が受け取れます。
自分がどの年金に加入しているか、民間の年金保険に契約しているかについても確認しておきましょう。
持ち家ではない場合は毎月家賃が必要となるため、年金でまかなえるのかを考えておくと安心です。
住まいの終活も考える
前章で解説した「老後を考えて引越しするのもアリ」のように、自分の経済状況では今の住まいで暮らし続けるのが難しい場合は住まいの終活も視野に入れるのがオススメです。
資金調達の為に引越したり、不動産を売却したりして財産を管理しやすくすると、自分に望ましい生活水準がわかります。
高齢者向けの市営住宅をはじめ、特別養護老人ホーム、民間の介護施設など自分の経済状況と、希望する生活のあり方に納得できる住まいを見つけるのです。
経済的に無理のない範囲で暮らし続けられる住まいを選ぶことが重要だといえるでしょう。
60歳未満の方はiDeCoの加入を考えるのも…!
iDeCo(イデコ)は、誰もが加入できる年金で、少額からはじめられます。
将来受け取れる年金を増やせる可能性があるため、60歳未満の方であれば積極的に活用すべきです。
毎月5,000円からはじめられ、多くの税制優遇措置が受けられると同時に、長期の運用になればよりうまみが得られるシステムとなっています。
▼メリット
- 掛金の全額が所得控除の対象となる
- 運用益が非課税となり、運用益全額を投資できる
- 元本保証型や保険商品も選べて安心
- 転職・退職時も今まで拠出した年金が受け継がれる
▼デメリット
- 60歳になるまで原則引き出せない
- 元本割れのリスクがある
- 手数料が必要となる
- 控除額を超えた範囲の年金には税金が課せられる
メリット、デメリットの双方を理解したうえで、無理のない額を毎月老後資金として捻出することも考えてみるとよいでしょう。
一人暮らしでも終活を!安心して老後を過ごそう
一人暮らしの終活は、早い段階で取り掛かるべきだとわかっていただけたでしょうか。
終活では整理整頓のように体力を費やすものと、財産管理のように神経を費やすものがあります。
終活は、老後が間近に迫ってからではなく、健康で体力があるうちにあらかじめ行っておくべきことなのです。
ぜひこの記事を参考にしながら、自分がはじめられる無理のない範囲から終活に取り組んでいってくださいね。