仕事に子育てにといろいろなことに追われていたとき、ほとんどの方が節約を意識して生活していたのではないでしょうか。
お金がかかる子どもが独立し、定年退職を迎えて生活がひと段落する頃、お金のことも少しゆるく考えてしまいがちですが、実は老後こそ節約が必要になります。
今回は、シニアの節約方法についてご紹介します。
年金だけで生活できる時代は終わったといわれる今、年金だけでも無理なく楽しい生活が送るために節約は欠かせないものです。
小さな工夫を積み重ねて、我慢しすぎないストレスフリーな節約をしましょう。
年金生活は意外と大変!
近年、年金だけでの生活は困難だといわれています。
2019年総務省の「家計調査報告書」によると、年金額が月平均約21万円なのに対し、シニア世代の夫婦二人の生活費が月平均27万円と年金よりも多いことがわかっています。
年金だけでは月に約6万円の赤字になり、ほとんどの人が貯蓄を切り崩して生活しているのです。
人生100年時代といわれる今、貯金を生活費に当て続けることはそう容易なことではありません。
ケガ・病気・介護など、老後はさまざまな出来事に備える必要があり、そのための貯金も必要です。
貯金をなるべく使わずに生活するためには、日々の節約は欠かせません。
何歳まで生きるかわからない老後の節約は、楽に・長く・コツコツ続けられることがポイントです。
シニアができる簡単節約方法とは?

シニアでも簡単にできる節約方法として、一番重要なのは「出費の傾向を知ること」です。
お金が何に・いくら・どのくらいの頻度で使われているのか、まずはその内訳をはっきりさせましょう。
用途のわからないお金や、ムダなものをなくすことから始めるのがポイントです。
食べきれないほど買わない
安いから、セールだからといって必要以上に買い込んでいませんか?
食べきれない分を買って、気がついたら期限切れで処分することも少なくはないでしょう。
シニアの支出の3割は食費といわれています。
その原因は、家族構成が変化したにも関わらず、食べきれない量を買ってしまうことです。
子どもが独立して夫婦2人または自分1人になったのに、子どもがいたときと同じ量を買ってしまったり、まとめ買いや買い溜めをしてしまう方が多くいます。
まずは今の生活状況に合った量を買うようにしましょう。
必要なものを必要な分だけ買い、買い溜めを控えるだけで食費を大幅に抑えることができます。
ただ、食事が日々の楽しみだという人もいるでしょう。
節約だからといって食べる量を減らしたり、ケチケチと安いものしか買わないというのは間違った節約方法です。
大事なのは、ストレスなく節約すること。
お金を減らすことだけにこだわらず「おいしくて安いものは何か?」と考え方を変えてみましょう。
旬の食材はおいしいだけでなく安くて栄養も豊富なので、「旬のものだけを買う」という買い物のやり方もオススメです。
クーポンや割引をチェック
外食や旅行にはチラシやアプリをチェックしてクーポンや割引を活用しましょう。
旅行では早い段階で平日に宿を予約する「早割」を利用するのがオススメ。
同じ内容のプランでも平日と休日でが値段が変わり、早めに予約を入れることで早期割引が適用されるのでお得に旅行が楽しめますよ。
他にも、新幹線の各停割引やシニア割りなど、さまざまな割引があるのでチェックしましょう。
普段の買い物でポイントを貯めて利用するのもオススメの節約方法です。
免許返納で車を処分するのもアリ
車の所有には自動車税・ガソリン代・駐車場代・保険代・点検代などの維持費がかかります。
住んでいる地域の交通機関が利便性良く、車以外の移動手段に困らないようであれば、思い切って車を処分するのもいいでしょう。
特に近年はシニア世代の免許返納を推奨している自治体が多くあります。
免許を返納することで交通機関の料金割引やタクシーの割引券や助成券の配布、荷物配送などの高齢者支援サービスなど、さまざまなサービスが受けられるようになります。
ただし、地域によっては移動手段が車しかないところもあるでしょう。
処分してから困ることがないように、保有する場合のコストと手放したときの利便性を比べてから自分に合った方に決めましょう。
快適な節約生活を送るためにしたいこと3選

生活費の支出がわかったあとは「見直し」をしていきましょう。
生活費は大きく「変動費」と「固定費」に分けられます。
手の付けやすいところから始めることで、ムリなく節約をすることができますよ。
家計簿をつける
日々の支出を把握することは、節約生活において重要なポイントです。
家計簿をつけて、ひと目で生活費がわかるようにしていきましょう。
細かくつけるのは苦手意識が芽生えてしまうため、簡単にいつ・何に・いくら使ったかがわかる家計簿で構いません。
ノートやスケジュール帳に書き出すだけでも大丈夫。
どんな買い物をしているか、どんなお金の使い方をしているのか、支出の割合を知ることで節約できるところを見つけやすくなります。
家計簿は月単位よりも、週単位でつけた方が支出を細かく把握することができます。
買い物の頻度を減らす、使途不明金を無くすといった工夫をすることで支出を簡単に減らすことができるので、家計簿をつけるようにしましょう。
保険や携帯料金など『固定費』を見直す
保険や携帯料金はライフスタイルに合わせて見直していくことが大切です。
特に保険は、人生において家の次に大きな買い物といわれるほど出費の多いものです。
近年での世帯年間振込保険料は平均約40万円と高い傾向にあるとされています。
その原因として若いときのままの保障内容だったり、そもそも保障内容をよく理解していないこともあるので、家族構成や年齢、生活状況に合わせて内容の見直しをしましょう。
子どもがいるときとは違い、老後はそれほど大きな保障は必要ありません。
生命保険などは葬儀費用や相続対策程度にしておき、最低限の保障に見直しておきましょう。
また、保険は新しいものが次々に出るので、ライフスタイルに合わせて定期的に見直すのがオススメです。
携帯は大手キャリアから格安SIMに乗り換えることで、月の利用料金を半額近く抑えることができます。
サブスクや必要ないサービスに登録していないかも確認して、ムダを省きましょう。
無理せず楽しく節約する
節約は我慢や無理をするのではなく、大切なのは楽しく・長く続けること。
ケチケチした生活を送ってしまっては、せっかくのシニアライフを楽しく過ごすことができません。
節約はダイエットと同じで、きっちりしすぎるとストレスから衝動買いや浪費などのリバウンドが起きてしまいます。
まずは自分に必要なもの、不要なものは何か?を考えましょう。
お金を使いたいところ、使わなくてもいいところをはっきりさせることが節約につながり、その中でも楽しみのある生活が送れるようになります。
無理せず、楽しく節約をしていきましょう。
年金生活でも楽しく節約生活!
年金だけでは生活ができない、出かけたり遊んだりできないと悲観せず、今あるお金で何ができるのかを考えてみましょう。
ムダを省くことは終活においてとても大切なこと。
不要なものがはっきりすることで、自分の好きなことにお金を使うことができるようになります。
日々節約をすれば、旅行や外食に行くことも可能です。
趣味や習い事を始めることだってできるでしょう。
そのために必要なのは、心にゆとりを持ち、我慢しすぎない節約を続けることです。
終活の一環として家計の見直しをし、年金生活でも楽しいセカンドライフを過ごしてくださいね。