一人暮らし、介護はどうしよう?身近な介護サービスをチェック!

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老後の一人暮らしに不安を抱える人は多いのではないでしょうか。
特に近年は少子高齢化の影響から高齢者の一人暮らしが増加傾向にあり、他人事ではない身近な問題といえるでしょう。

一人暮らしをする中で最も不安なのは、病気やケガで身体が不自由になったときです。
自分で身の回りのことをしなくてはいけない中、不自由な身体では食事や買い物、入浴や排泄など、日常生活が成り立たなくなってしまいます。
そんな時に利用できるのが、介護サービスなのです。

今回は、一人暮らしの高齢者が受けられる介護サービスについて紹介します。

介護サービスには介護保険で受けられるものや、誰でも利用できる民間のサービスなど種類が豊富にあります。
いざというときのために、どんなサービスがあるのか知っておくことが大切です。
ぜひ、参考にしてください。

高齢者の4人に1人が一人暮らし

厚生労働省発表の「2019年国民生活基礎調査」によると、高齢者の一人暮らしは1986年に比べて約6倍に増え、今では4人に1人が一人暮らし世帯という現状です。
家族形態の構成割合では約20%を占め、男性よりも女性の方が多い結果となっています。

その中で一人暮らしに不安を感じる要因として、最も意見が多いのは「病気やケガで介護が必要になったとき」です。
食事や買い物、入浴、排泄など、年齢を重ねるごとに今までできていたことができなくなったり、日常生活が困難になったりすることに不安を抱く人が多くいます。
それと同時に、愛着のある自宅に少しでも長く暮らしたい、施設には入らず可能な限り自宅で生活をしたいと思う方もいます。

そんな方のためにも、介護サービスを利用することを検討してみましょう。
これから老後を迎える方も、どんなサービスがあるのか知っておく必要があります。
自分に合った介護サービスを上手く利用することで、自宅でも安心・安全に生活できるようになります。

一人暮らしの高齢者が受けられる介護サービスとは?

一人暮らしの高齢者が受けられる介護保険の介護サービスは、介護認定や要支援の認定が必要になります。
認定は支援レベルが1~2、介護レベルが1~5まで分けられており、レベルによって受けられるサービスや上限額が変わります。
まずは地域の介護保険課や地域包括支援センターに相談し、要介護認定を申請しましょう。

介護認定を受けたら、介護保険でさまざまなサービスが受けられるようになります。
いくつか介護サービスを紹介します。

訪問看護・訪問介護を利用する

訪問看護・介護とは、自宅で自立した日常生活が送れるように訪問看護師・訪問介護士が自宅に伺うサービスです。
訪問介護は食事・排泄・入浴などの介護から、掃除・洗濯・買い物などの生活援助をしてくれます。

一方で訪問看護は病気や障害に応じた看護を行い、健康状態の悪化防止や回復に向けた相談やアドバイスなどのサポートをしてくれます。
訪問介護と違うのは、生活面での援助ではなく医療面のサポートが中心という点です。
そのため、医師の指示のもと点滴や投薬などの医療処置やリハビリなどの健康に対してのサポートを行なってくれます。

よく間違われるのは家事代行ではなく、自立をサポートするための支援です。
利用するには介護認定や細かい条件があるので、利用したい場合はケアマネジャーに相談してみましょう。

ショートステイやデイサービスを利用

ショートステイは短期間施設に入所し、日常生活全般の介護を受けられる宿泊型サービスです。
連続で30日間利用することができ、基本はケアマネジャーが作成したケアプランに基づいたサービスが受けられます。
施設は併設型と単独型の2種類あり、リハビリや医療ケアが受けられるのがショートステイの特徴です。

一方、デイサービスは入所はせず自宅から日帰りで施設に通う通所型サービスになります。
自宅への送迎付きで、施設では入浴、食事などの介護から身体の機能訓練まで受けられます。
他にも、書道や生け花、工作などのプログラムも用意され、楽しみながら過ごせるサービスです。

自宅以外で受けられるサービスは安全面だけでなく、自宅から出て人とコミュニケーションを取ることで、気分転換にもなります。

福祉用具のレンタル

介護保険で福祉用具のレンタルをすることも可能です。
歩行器や車いす、ベッドや杖など専門の業者からレンタルできます。
トイレや階段など、一人では不安な場所には手すりをつけることもでき、自宅で安心して暮らすために欠かせないサービスです。

レンタルの際は自分で連絡をするのではなく、ケアマネジャーを通して借りることになります。
自宅で生活するうえで不安な箇所があれば、一度相談してみましょう。

ほかにも色々!ひとり暮らしの高齢者向けサービス

高齢者向けのサービスは介護保険のものだけでなく、民間のサービスも多くあります。
家事代行や訪問美容院など多岐にわたり、自分に合ったサービスを選べるのもポイントです。

介護保険対象外なので費用は全額負担ですが、安心して生活するために利用してみるのもおすすめです。

高齢者向けの食事配達サービス

安心安全に生活するためには、健康的な食事も欠かせません。
しかし、自分で買い物をして調理するのは負担だったり、毎日できるか不安という方も多いでしょう。
そんなときは、高齢者向けの食事配達サービスを利用してみましょう。

高齢者向けの食事配達は、介護食・普通食・健康管理食など自分にあった食事を選ぶことができ、メニューも豊富でおいしいのも魅力です。
訪問介護での生活援助だけでなく、民間の宅配サービスも利用してみましょう。

ただし、すべての食事を配達サービスにするのはおすすめしません。
生活の継続のためには、ある程度の自炊や買い物に行く手間も必要ですし、外に出ることで身体を動かすきっかけにもなります。
無理のない範囲で自炊し、ときどき食事配達サービスを利用しましょう。

他にもスーパーの食材配達や、炒めるだけでできる調理キットなどがあります。
さまざまなサービスを利用して、無理なく健康的な食生活を目指しましょう。

見守り・安否確認サービス

高齢者の一人暮らしで心配なのが、緊急時の対応です。
突然の病気やケガなどで異変が起きても、必ず外に知らせることができるとは限りません。

そこで便利なのが、高齢者の見守り・安否確認サービスです。
照明や家電など、自宅で毎日使うものに通信機器を付けることで、一定時間使われないと異変を察知し家族に連絡がいく仕組みになっています。
個人のプライバシーを守りつつ見守ってくれるサービスなので、遠くにいる家族も安心できるでしょう。

他にも、自治体が行っている緊急通報システムを利用するのもおすすめです。
自宅で具合が悪いときや何か異変があったとき、設置してある緊急ボタンを押すと民間の警部会社に通報がいき、すぐに駆けつけてくれます。
24時間365日見守ってくれる安心システムです。

まとめ

高齢者の一人暮らしには、介護や見守りが必要です。
家に住み続けたい、元気なうちは家にいたいという気持ちはとても大切で、そのためには安心して暮らせる環境作りが必要になります。
さまざまなサービスを利用して環境を整えることで、一人暮らしをすることも十分可能になるのです。

介護サービスの選択肢は1つではありません。
いくつものサービスを組み合わせて、自分にぴったりのものを受けることができます。
自分の老後に備えてどんなサービスがあるのか、何が受けられるのか一度ケアマネジャーに相談してみましょう。
介護サービスを利用して、安心して暮らせるシニアライフを叶えましょう。