インターネットから保険の申し込みができる「ネット保険」。
従来は対面式での保険加入が一般的でしたが、インターネットが普及した現代、オンライン上で誰でも簡単に保険の申し込みができるようになりました。
場所も時間も選ばすに申し込めるネット保険は、一見メリットしかないように感じますが、対面式と比べてデメリットも多くあります。
そこで今回は、ネット保険について詳しくお話します。
一般的に保険の加入となるとさまざまな条件があり、高齢になるほど加入することが難しくなってしまいます。
そのため、高齢者が加入できる保険商品は限られてしまうことがほとんどですが、シニア世代でもネット保険に加入できるのでしょうか?
そこにも注目しながら、加入するメリット・デメリットも合わせてご紹介します。
ネット保険とは?
ネット保険とは、オンライン上で保険の資料請求から申し込み、加入手続きまで完結できる保険のことをいいます。
今までは保険代理店や生命保険会社に直接行くか、保険担当者に自宅に来てもらい対面式に申し込みをしていましたが、これがすべてオンライン上で行えるようになりました。
中には、書類の記入・提出など、インタネット以外の手続きを必要とするケースもありますが、基本的にはすべてオンラインで完結するようになっているのが特徴です。
対面式では販売していないオンライン限定の保険商品があるなど、ネットならではのものがある点も魅力のひとつです。
ネット保険のメリットとは?
ネット保険の最大の魅力は、時間や場所を選ばずに申し込めることです。
対面式の場合、選ぶ時間が限られてしまい、来店や申し込みのスケジュール調整も必要になります。
場合によっては、何度も来店しなくてはいけないケースもあるでしょう。
しかし、ネット保険なら24時間365日、いつでも自分の好きなときに申し込むことができ、仕事や家事の合間に保険を選べます。
担当者とのスケジュール調整をする必要もなく、自分のスケジュールに合わせて申し込めるのはネットならではの魅力です。
また、対面式ではないので、ゆっくり時間をかけて商品を選べるのもネット保険のメリットのひとつ。
対面式で担当者がいるとどうしても焦ってしまい、ゆっくり商品を考えることなく選んでしまう人も少なくはないでしょう。
保険は自分に合ったものかどうか、じっくり検討することも必要です。
ネット保険なら周りを気にすることなく、満足いくまで考えることができます。
このように、時間と場所に制限がない点が、ネット保険の最大のメリットといえるでしょう。
他にも、ネット保険のメリットを詳しく紹介します。
保険料が安い
ネット保険は保険料が安いことでも注目を集めています。
その理由は、運営コストがかからないことです。
通常の店舗販売の保険にはさまざまな運営コストがかかるため、保険商品も高額になることがほとんどです。
基本的に対面式の保険会社は、人件費・事務費用・店舗運営費の運営コストがかかります。
人件費はスタッフを雇うための費用、事務費用は申し込み書類の作成にかかる費用で、店舗運営費は店舗の家賃や光熱費などです。
ネット保険はすべてオンライン上でのやり取りになるため、このような運営コストがほとんどかかりません。
担当者も基本的にはおらず、事務費用にかかる書類作成はすべて自分で行います。
オンライン上なので店舗運営費も必要ないため、保険商品を安く販売できる仕組みになっています。
保障内容がシンプル
ネット保険は加入者本人が商品を選んで申し込むため、保障内容がシンプルに設計されています。
本来、保険は保険会社の担当者や、専門の知識を有したファイナンシャルプランナーから説明を受け、相談しながら保障内容を決めていきます。
しかし、ネット保険はすべて自分で保障内容を確認し、自分に合ったものを選んでいく必要があるため、説明を受けなくてもわかりやすい商品になっているのです。
特約の種類も少なく、掛け捨て型が中心なので非常にシンプルな保障内容になっています。
もし、内容の理解に困っても電話やメール、専用のチャットを使ってコールセンターに問い合わせすることができるので安心です。
ネット保険のデメリットとは?
ネット保険のメリットについて紹介してきましたが、その反面デメリットもいくつか存在します。
主な2つのデメリットをご紹介します。
自分で保障内容を決めないといけない
保障内容を自分で決められる一方、給付条件など規約をよく読んで自分ですべて理解する必要があります。
対面では担当者が加入者のニーズや要望、ライフスタイルを細かく確認し、それに合った商品やプランを提案し、保障内容について細かく説明してくれます。
しかし、ネット保険では内容の確認から保障金額の設定、絞り込みまですべてを自分で決めなければならず、そのためには保険の内容をしっかり把握しなければなりません。
本来、担当者から説明を受ける支払事由など細かいところも、自分でチェックする必要があるのです。
知識や理解が浅く、加入後に「保障内容が足りなかった」、「余計なものまでつけてしまった」と後悔するケースも少なくはありません。
担当者がいないため気軽に相談ができない
保険代理店や生命保険会社は、専属の担当者がいるためいつでも気軽に相談でき、ライフステージに合わせて保険見直しの提案など手厚いサポートをしてくれます。
しかし、ネット保険では専属の担当者はいません。
そのため、気軽に相談できないので、サポート面で不安を感じることも少なくはないでしょう。
メール・電話・チャットを通して相談することはできますが、専属の担当者がつくわけではないので、手厚いサポートを必要とする場面では物足りなさを感じるかもしれません。
また、引っ越しに伴う住所変更や結婚による姓名変更など、登録情報に関する変更手続きもすべて自分で行う必要があります。
ライフステージに合わせた保険の見直しも、すべて自分で行わなければなりません。
お金の問題は周りに相談しにくい分、担当者がいないと不安に感じる点がネット保険ならではのデメリットといえるかもしれません。
気をつけたいネット保険の落とし穴
近年は広告やWebメディアなどでネット保険の宣伝を目にする事も多いですが、加入を検討する際は以下の点にも気をつけたい所です。
格安なのには理由があるので、保険料の安さなど表面的な情報だけで判断しないようにしましょう。
年々高くなる保険料
一般的なネット保険は契約当初の保険料が数百円程度に設定されている事が多いので、一見すると非常にお得に感じます。
しかし、実際には契約更新の度に保険料は値上がっていきますし、更新時の年齢が高くなるほど値上げ幅も大きくなるので、最終的には保障内容や保険金に対して見合っていない保険料を支払わないといけないケースも珍しくありません。
そしてネット保険の多くは掛け捨て型なので、仮に契約中に解約したとしても、それまで頑張って支払ってきた保険料が返ってくる事はありません。
保障期間が決まっている
ネット保険の落とし穴は保険料だけでなく、保障期間にも存在します。
というのも、多くのネット保険は保障を受けられる年齢が80歳までと決まっています。この保障期間を過ぎると一切の保障が受けられなくなり、実質的に無保険状態になります。
しかも、日本人の平均寿命は男性が81.6歳、女性が87.7歳という事を考えると一般的な健康度合いの人は保障期間が終了した後に無くなるという事になります。
このようにネット保険の安さや手軽さには理由があるので、加入する前にはしっかりと保険料や保障期間の仕組みがどうなっているのか調べる必要があります。
しっかり調べればシニアでもネット保険に申し込める
ネット保険のメリット・デメリットを紹介しましたが、予備知識がしっかりあればシニアでもネット保険に申し込むことができます。
シニア向けの商品も多く販売されているので、まずはネット保険の仕組みをしっかり理解しましょう。
定年退職後のシニア世代にとって、保険は必要最低限でいいといわれています。
これは、公的医療保険が充実していること、年金生活の中で高額な保険料を払うのが難しいことが理由にあげられます。
確かに、公的な医療保険は充実していますが、必ずしもすべてを保障してくれるわけではなく、自己負担になる部分も出てきてしまいます。
そういった「足りないところ」に備えておくのが、保険加入の最大の目的です。
ネット保険の商品が安いからといって、保障内容を把握せずに申し込みをしてしまうのはよくありません。
しっかり自分に合ったものを選び、必要な保障だけを申し込むようにしましょう。
全部自分で決めるのが難しい、商品選びに悩んでしまうといったときには、無料の保険相談を利用するのもひとつの手です。
ネット保険のコールセンターへの問い合わせも利用し、疑問はすべて解決するように心がけることが大切です。
ネット保険が気になっている人は、一度保険内容をチェックし、自分に合ったものがあるか探してみましょう。
安心できるシニアライフを目指して、ネット保険の加入も検討してみてくださいね。